ドライバーのお悩み解決! 菰田潔の運転レッスン

ガソリン代を節約したい! 低燃費運転の重要ポイント7選

同じガソリン量で1.5倍走行できる⁉ お財布と地球にやさしい運転を解説

菰田 潔(モータージャーナリスト)
2023.11.11

モデル=土屋怜果

2023.11.11

モデル=土屋怜果

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

「セーフティ」「エコロジー」「エコノミー」なスムースドライビングについて、動画でお伝えする運転レッスン。今回のテーマは「お財布にやさしいエコドライブ」です。ガソリン代の上昇に悩んでいた土屋さん、今回は「エコドライブ」について菰田さんに尋ねました。
菰田さんのレクチャーを受ける前の走行実験では、ガソリン1Lあたり10.1㎞の燃費だった土屋さんですが、レクチャー後に同じ車で同じルートを走行すると、なんと1Lあたり15.1㎞と、大幅な燃費向上を実現! 同じガソリン量で、およそ1.5倍もの距離を走行できる運転をマスターしました。一番大切な安全はもちろん、地球にも、お財布にもやさしい「スムースドライブ」を学びましょう。講師は菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。

安全で燃費のよいドライビングテクニックを動画で解説

タイヤの確認、ルートチェック…
低燃費走行は運転前の準備から

1.タイヤの空気圧が適切か確認を。

タイヤの空気圧が適正でない場合、1Lあたり4~7円も高いガソリンで走行しているのと同じという実験結果も。特に気温が下がる季節には、空気の体積が減り空気圧が下がります。安全のためにも、こまめにチェックをするように心がけましょう。私は、2週間に一度の空気圧チェックを推奨しています。

2.不要な荷物は降ろしましょう。

車が重くなると、動かすのにより多くのエネルギーを必要とします。また、屋根に装着するルーフキャリアの場合は重量に加えて空気抵抗も増え、さらに燃費が悪化。必要時以外は外しておくのがベターです。

3.渋滞を避けるルートを事前に調べ、余裕をもって出発を。

なるべく一定の速度を保ち、スムースに走行するのがエコドライブの基本。発進や停止を繰り返す渋滞にはまってしまうと余計に燃料を消費しますし、イライラして運転が粗くなってしまう危険性も。事前に渋滞を避けるルートをチェックし、余裕を持って出発しましょう。

4.エアコン等は適切に使用し、車内温度は快適に。

エコドライブ=エアコンは控えめに、という考え方もありますが、寒さや暑さを過剰に我慢した状態の運転は安全に支障をきたす危険性があります。安全運転のためには、ドライバーが快適であることが大切。自身にとって快適な温度に設定しておくほうがよいでしょう。冬の場合は、エアコンよりシートヒーターを使用すると燃料の節約になります。

タイヤ空気圧の計測

指定空気圧は車によって異なるので、必ず確認を。

お財布も、安全も守りたい!
正しいエコドライブがセーフティにつながる

走行前の準備が整ったら、いよいよ出発です。

5.発進は、クリープ状態からアクセルを踏み込み、早めに巡航速度に。

エコドライブの「ゆっくり発進」を誤解している方も多いようです。発進時は、ブレーキから足を離したら、クリープ状態の加速に乗せていくようにアクセルを踏み込んでゆき、角のない加速で早めに巡航速度に到達したら、その後は一定の速度を保つのが望ましいエコドライビング。加速に過剰な時間をかけると低いギアで長く走行することになり、燃費は悪化します。

6.走行中は、車間距離にゆとりをもって加減速の少ない運転を。

加速や減速を繰り返すと、燃費は悪化します。一定の速度をキープする運転のためにも車間距離を広めにとって走行するのが理想です。

7.減速時は、先読み運転で早めにアクセルを戻しましょう。

燃費向上の重要なポイント! 赤信号で停車する際には早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを利用して減速しましょう。エンジンブレーキは燃料を必要としないので、これもエコドライブに有効です。カーブに入る前にも先を見てアクセルを戻し、惰性を利用した走行を。そのためにも前方の交通状況や周囲のブレーキランプの様子などから先を読み、タイミングを計る必要があります。視野を広く持ち、ゆとりのある運転を心がけましょう。

早めにエンジンブレーキをかける様子

赤信号が見えたら、早めにアクセルを戻しましょう。

大切なのは、先を読んで走行すること。正しいスムースドライビングは、同乗者も酔いにくく、エコにも安全にもつながります。ぜひ練習してみてください。

  • この企画で紹介しているのは、菰田潔さんの運転メソッドです。JAFの見解とは異なる場合があります。

燃料価格についての記事はこちら

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菰田 潔

こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。

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