ガソリン補助金減額で価格高騰!ガソリン価格に潜む、不可解な税金のカラクリとは?

ドライバーの声を政府に届ける自動車税制アンケートをJAFが実施中。

ガソリンの価格には、それ自体の価格の他に税金が上乗せされている。高騰するガソリンだが、本来の税率であればもっと安く購入できるはずなのだ。どれくらい安く買えるのか試算した。

目次

家計を直撃!ガソリン代が高すぎる

一旦落ち着いたかに見えたガソリン価格だが、ここへ来て補助金の減額が続いていることもあって価格の上昇が止まらない(2023年7月10日現在)。ガソリンを始めとした燃料価格の上昇は、消費者の財布に直接ダメージを与えるだけでなく、輸送費や製造コストの上昇に繋がるケースもあり、結果的に家計への影響が人知れず積み重なっていく。

高すぎるのは、ガソリンの値段自体が上がっているからだけではない

高騰を続けるガソリン価格だが、この価格には欧米諸国に比して過重な税金がかけられていることをご存知だろうか。ガソリン価格には、ガソリン税が含まれているが、このガソリン税には根拠なく「当分の間税率」が上乗せされている。本来のガソリンの税率は1リットルあたり28.7円だ。ところが、現在課税されているのは53.8円/リットルで、実に1.9倍もの税率となっている。また、このガソリン税に対して消費税がかかっていて(Tax on tax)、これも不可解だ。ちなみに、この Tax on taxは軽油には課税されていない。

ガソリン税などに「当分の間」として本来の税率を上回る特定税率が課せられている 
ガソリン税 軽油取引税
本来の税率 28.7円/リットル 15.0円/リットル
現行の税率(特例税率) 53.8円/リットル 32.1円/リットル
本来の税率との比較 1.9倍 2.1倍

ガソリンは本来ならずっと安く買える

この不可解な税制が適正な課税に戻ったらどうなるのか。JAFウェブサイトによると、たとえばガソリンの店頭価格が1リットルあたり170.9円の場合、消費税が15.5円かかっているので、消費税課税前の価格は155.4円。ここからさらにガソリン税を引くと、ガソリン自体の価格は101.6円となる。本来であれば消費税はここに課税されるはずなのだ。ここに課税した前提で計算し直し、さらにガソリン税を本来の税率で課税すると、ガソリンの販売価格は140.46円となる。適正な税制であれば、概ね1リットルあたり30円以上安く購入できるはずなのである。

JAFではドライバーの声を国政へ届けるためのアンケートを実施中

自動車には、ガソリン以外にも過重な税金がかけられている。こうした状況を是正すべく、JAFでは毎年ドライバーへのアンケートを実施。その結果を国会議員や政府、関係省庁等への要望・提言活動に繋げている。こうした活動によって、昨年度は環境性能割が自動車ユーザーに不利な変更となることを防いだり、走行距離課税が先送りとなるなど一定の成果を上げている。今年もアンケートを実施しているので、下記リンクからドライバーの声をぜひ届けてほしい。アンケートの締切は8月20日だ。

アンケートへの回答はこちら!

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