みんなの本音を大調査!JAFMate総研

ガソリン価格の高騰が止まらない! ガソリン節約の基本から都市伝説まで、プロの意見を聞きました!

2023.09.03

漫画=いぢちひろゆき/図版=宮原雄太

2023.09.03

漫画=いぢちひろゆき/図版=宮原雄太

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

今回は「ガソリン価格と低燃費運転」について調査!
経済産業省は今年5月、ガソリン小売価格抑制のための補助金を段階的に引き下げ、9月末で終了する方針を発表。その後ガソリン価格の上昇が続き、政府は8月22日に10月以降も補助金を継続する方針を固めたことを発表しましたが、依然ガソリン価格は高騰した状態が続いています。JAFは、創設当初から自動車税のあり方について、要望・提言活動を行っているほか、ガソリン税と消費税の二重課税についても反対を表明しています。ガソリン価格の影響で、自動車ユーザーの生活はどう変わるのでしょうか?

交通事情から日常の小さなことまで。「JAF Mate 総研」では、JAF会員のアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにします。

ガソリン代高騰まんが前半

カーライフに甚大な影響!
37.5%が「ガソリン補助金打ち切りなら、車の使用を控える」と回答

自動車使用頻度アンケート画像

「ガソリン補助金が打ち切りとなった場合、車の使用頻度を変えますか?」のアンケートに、有効回答を寄せたのは15,110名のJAF会員。そのうち、今後も自動車の使用頻度は「変えず、今まで通り使用する」と回答したのは61.6%。21.7%が「やや控えようと思う」、3.6%が「かなり控えようと思う」、12.2%が「必要最低限しか使用しない」と回答。37.5%が自動車の使用を控えようと考えていることがわかりました。

「変えず、今まで通り使用する」と回答した方の中でも、多かった意見は「すでに使用最低限だから」「通勤に使用しているから変えようがない」など、「必要不可欠だから」という回答が多数。

  • 現在、車を使用しているのは、通勤、買い物など、日々の生活に最低限必要なことに限られているので、これ以上、使用頻度を下げるのは難しいです。ガソリン価格の高騰が続いたら、本当は少し控えたい思いはあるのですが。(兵庫県・40歳代・男性)
  • ガソリン価格が上がっても、日常の足として必要だから変えられないのです。公共交通機関が整っていない地方の国民は都会の人々に比べ、燃料代上昇に影響され生活が厳しくなります。(群馬県・60歳代・男性)

といった切実な意見のほか、

  • ガソリン価格が上がっても、今まで通り使用する。多人数で移動するときは燃料代と「全員の交通費」と「移動に要する時間」を比較してみる。荷物の運搬が必要なときは、宅配便の価格と比較してみると、やはり車はありがたいと感じる。(神奈川県・60歳代・男性)

と、車の重要性をかみしめる声も。

  • 30年前の倍の価格になってしまっているショックと、情勢を考えると受け入れざるを得ない状況のジレンマを感じる。(茨城県・50歳代・女性)
  • 私が子供時代、オイルショックのときのカー雑誌に「ガソリン1L200円時代がやってくる!?」という見出しがあったのを覚えています。あれから50年が経ち、数十年ごとにガソリンが200円近くに上がっては下がりを繰り返しているなと思います。(鳥取県・60歳代・男性)

というかつての時代からの変化にとまどう声に併せ、300件以上の「ガソリンの二重課税を是正すべき」という意見が寄せられました。

燃料代の節約技、これって有効? 都市伝説?
プロの意見を聞きました。

日に日にガソリン価格が上昇するなか、気になるのは、燃料の節約方法。「燃料代を節約するために、一番実践している方法は何ですか?」の問いに、49.9%のドライバーが「スムーズな運転を心がける」と回答しました。

ガソリン代節約運転アンケート画像

上記アンケート項目の一般的な低燃費運転のほか、独自の燃料代節約法を回答した方も多く見受けられました。そのため今回は、JAF Mate Onlineで「セーフティ」「エコロジー」「エコノミー」な運転を提唱する「ドライバーのお悩み解決! 菰田潔の運転レッスン」でおなじみ、モータージャーナリストの菰田潔さんに直撃! 読者から寄せられたさまざまな燃料節約法について、有効性や安全性を教えていただきました。

  • 制限速度以下での定速走行を心掛け、後続車に迷惑とならない範囲で走行スピードを信号機の青周期に合わせるよう調整しながらの運転をする。黄色や赤に変わるであろう状況に合わせ、早めに惰性運転に切り替える。(東京都・70歳代・男性)

「丁寧に発進し、一定の速度をキープして巡航することが、燃費の良い走行の基本ですね。一般に速度が上がるほど、空気抵抗が増して消費燃料が増えます。また先読み運転をして、信号が黄色に変わることが予測できたら早めにアクセルを全部戻すと、エンジンは車の惰性で回されます。そのときはコンピュータにより燃料がカットされ、一滴の燃料も使わずに走れるため燃費は良くなります。周囲の車の流れも意識し、車間距離にゆとりを持つと無駄な加減速の機会が減ります」(菰田)

  • ガソリンが満タンだとその分重くなり燃費が落ちるので、遠出の予定がない限り20L以下で走っている。(千葉県・50歳代・男性)

「ご近所にガソリンスタンドが多いのでしょうか。給油した分車が重くなる、というのは事実ですが、あまり給油量が少ない状態のまま走行していて、非常時にガス欠になったり、ガソリンスタンドを探して無駄に走行することになっては本末転倒です。燃料計の半分以上は常に給油されている状態が、安全という面から見ると望ましいです」(菰田)

  • クルーズコントロール機能が付いているので、使用しております。人間のアクセルコントロールより、効率的に運転してくれていると感じます。(千葉県・70歳代・男性)

「確かにアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を使用することで、一般ドライバーの通常運転での燃費より良くなるケースは多いです。しかし、前方で流れが悪くなっているのが見えたときは、ドライバーが早めにACCをキャンセルするとさらに燃費が向上します。キャンセルボタンとレジューム(復帰)ボタンはすぐに押せるようにしておくのもテクニックです。ACCは目の前の車は捕捉できますがその先の予想ができないので、そこをドライバーが助けるのです」(菰田)

  • 太いタイヤを使わない。(茨城県・50歳代・男性)

「一般的に太いタイヤは車体前面投影面積が増えるので空気抵抗が増します。また太いスポーツタイヤは燃費よりグリップを重視しています。それでも最近のスポーツタイヤは昔のエコタイヤより転がり抵抗が小さいものもたくさんありますから、エンジンパワーやハンドリング性能に見合ったタイヤ選びで、空気圧ラベルに書いてあるサイズから選ぶのが良いと思います。タイヤの話ですと、空気圧が燃費に大きく影響します(ガソリン代にも直接影響! 気にしてますか? タイヤの空気圧)。僕はタイヤの空気圧は2週間に1度チェックすることを推奨しています。スローパンクチャーを発見することにも効果があります」(菰田)

  • 信号待ちのときにエンジンを停止する。(福島県・60歳代・女性)

「アイドリングストップ機能を装備する車もかなり多くなりました。渋滞などでは自動アイドリングストップ機能により、燃費にかなりの効果があります。一方で、運転中に一番大切な安全性も考慮しなくてはなりません。交差点などでの手動でのアイドリングストップは特にATだと緊急時に対応が遅れる危険性が。エンジンは始動するときに3~4秒相当の燃料を必要とするため、あまり短い停止時間で手動アイドリングストップを繰り返すと、逆効果になることも。5秒以上の停車が想定される渋滞や荷物の積み降ろしなどの駐停車などで使用することが望ましいでしょう。最近の車は暖機運転も不要です。シートベルトをしてからエンジンスタート、エンジンストップしてからシートベルトを外すことをクセにすれば、アイドリング中の無駄な燃料を減らせます」(菰田)

  • 暑い日や気温の上がっている時間帯の給油を避ける。(埼玉県・30歳代・男性)

「『気温が高い日にガソリンを入れると、熱膨張によってガソリンの体積が大きくなっているから給油メーターの値より少なく給油される』という都市伝説があるようですが、これは誤り。日本のガソリンスタンドは防火のためタンクが地中にあり、外気温の影響を受けないようになっています」(菰田)

  • 冷暖房を抑える。夏は涼しい服で、冬はダウンを着たままにして、車内のエアコンは付けないようにしている。(岩手県・70歳代・男性)

「こちらの方の場合でも、運転で一番大切なのは安全です。暑いときに涼しい服装、寒いときに暖かい服装をすることは結構ですが、過剰に暑さ、寒さを我慢した状態や、ダウンコートなどを着て着ぶくれした状態では、判断力や運転操作に支障が出ることも。車内をドライバーが快適な状態にすることが、安全への第一歩です。快適な運転環境は安全運転につながります」(菰田)


いまや避けられない燃料代の高騰。燃料の節約も大切ですが、自動車で一番重要なのは、安全な走行です。地球にも、お財布にも優しく、安全なカーライフを心がけましょう!

ガソリン代高騰まんが後編

ガソリン代・燃費についての記事はこちら

あなたの知りたいテーマを大募集!

交通事情から日常の小さなことまで。JAF会員へのアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにして好評をいただいている「JAF Mate総研」では、あなたの知りたいテーマを大募集。「キープレフト、していますか?」「人気のSA・PAは?」「全国で一番食べられているラーメンは何味?」など、何でもOK。あなたが日本全国のJAF会員に聞いてみたいテーマを、JAFMate総研が調査します! 下の応募リンクより、「①あなたの知りたいテーマ ②テーマに沿った質問と回答選択肢」をお送りください。採用された方にはクオ・カード(5,000円分)をプレゼント! ぜひご応募ください(同じテーマ案が複数あった場合は抽選となります)。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles