「サンキューハザード」、あなたはどう思いますか?
そのハザードランプ、「サンキュー」じゃないかも? 正しい使い方を再確認道路交通法施行令でハザードランプを点滅させることが義務付けられているのは「夜間に道幅が5.5メートル以上の道路に停車、または駐車するとき」、「通園・通学バスが停車し幼児や小学生が乗降しているとき」ですが、そのほか周囲に危険を知らせる役目として、クルマが故障したときなどに使われるのが基本です。その一方で、合流時や道を譲ってもらったときなどに、お礼の意味で数回点灯させる、いわゆる「サンキューハザード」がドライバー間で使用されることも。ハザードランプの「本来の使用法」とは異なるため、議論になることも多いこの「サンキューハザード」、あなたはしていますか?
「サンキューハザード」をしている派は85.6%
地域によっては「ほぼされたことがない」?
「あなたは道を譲ってもらったときなどに点灯する、通称『サンキューハザード』をしていますか?」の問いに、「はい」と回答したJAF会員は全体の85.6%。地域別では埼玉県の91.3%をトップに、関東や中部など、交通量が多く道が複雑な地域で多く、北海道では76.7%、東北地方では79.4%と、交通量が少ない地域では少ない傾向に。
- 地域差が大きいと感じます。今は秋田在住ですが、駐車場で駐車するときにハザードランプを点灯しない人も多いし、路肩駐車する際にウインカー点灯で行う人も一定数いるように思います。渋滞の最後の車両で点けている方は(都会の)他県ナンバーです。これらは実際に自分が驚いたエピソードです。(秋田県・40歳代)
- 神奈川県に住んでいたときに、ハザードは渋滞最後尾での点灯が主だったので、茨城県に帰郷したときサンキューハザードを初めて見て困惑しました。(茨城県・60歳代)
- 長野県に出かけた際に、道路工事での片側通行信号機で停車したとき、地元の車はすべてハザードランプを点灯して停車していた。他県ではあまり見かけない習慣だと思われる。(埼玉県・60歳代)
- 東北地方に行った際に、私はほぼサンキューハザードをされたことがない。道路交通法で定められていないので、風習がないところでは緊急停止と勘違いするのでは。(神奈川県・70歳代)
- 沖縄県は5人に1人くらいしか使ってないと思います! あまり見かけません。(沖縄県・40歳代)
と、個人や地域によってハザードランプに対する感覚も大きく異なることがわかりました。
そのハザードランプ、「サンキュー」じゃないかも?
勘違いであわや事故に…
「サンキューハザード」は明文化されたマナーではないものの、全国的には行う方が多数であることも事実。
- 譲ってくれたドライバーへのありがとうの気持ちを伝えるため。(兵庫県・50歳代)
- 周囲がやっているから。(栃木県・60歳代)
という意見が大多数ながら、中には、
- 暗黙のルールとしてやるものかな、と理解しているから。法的には不要(むしろしないほうがいい)ことはわかっているが……。(神奈川県・20歳代)
- 交通法規としては点灯しないのが正しいとは思うが、昨今では何かとトラブルに巻き込まれる話が多いので「割り込んだわけではなく譲ってもらったという認識ですよ」と知らせるために点灯しています。(愛知県・80歳代)
という複雑な感情を抱える方の意見も。
一方、「サンキューハザードは行わない」派は、
- 不要な挨拶だと思っており、瞬間的にも運転操作にスキを作りたくない。(千葉県・70歳代)
- 手を上げてお礼をしている。ハザードボタンを操作するほうがややこしい。(三重県・40歳代)
- 紛らわしいので使いません。脇道から合流するときに譲ってもらった場合などは、ペコリとお辞儀して感謝を伝えるようにしています。(兵庫県・50歳代)
と、安全を重視するという声が寄せられました。
中には、
- 過去に、道を譲った車がすぐにハザードを点けて停車したことがあって、ありがとうか止まるかの判断がわからず、危ないと思った。それから、自分は手の合図かお辞儀だけにしている。(福岡県・60歳代)
- ハザードランプを出すタイミングによっては、お礼なのか、停車するのかがわからないときがある。お礼だと思っていたが実際は停車する合図だったので、車間距離が縮まりヒヤリとした。(大阪府・40歳代)
- 10年ほど前、急制動をかけるとハザードランプが自動で点灯する車が出始めた頃、そのような車があることを知らなかったため、サーキットでのスポーツ走行で、コーナー手前で前走車がハザードを点灯したので、ラインを譲ってくれたと誤認し、危うく衝突しそうになったことがある。(栃木県・60歳代)
と、ハザードランプの意味に迷ってあわや事故!という経験があった方の声も寄せられました。
ハザードランプは、正式名称を「非常点滅表示灯」といい、その名の通り、故障などの緊急時や路上駐車する必要があるときなど、後続ドライバーに危険が存在することを知らせるのが本来の使用方法。「サンキューハザード」は目的外の使用となり、周囲のドライバーに誤解を与える危険性もあります。「サンキューハザードはマナー」と考える方がいる一方で、地域や状況によっては意思の相違で重大な事故を引き起こす危険性も……。
「ハザードランプ」の使用法について、今一度考えてみませんか?
- ※この記事はJAF Mate Online編集部が制作したものです。JAFの見解とは異なる場合があります。
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