片手ハンドルは驚きの12.3%! 6万人超のハンドルの持ち方、一斉大調査
あなたは「10時2時」? 「9時3時」? それともまさか…片手ハンドル?今回は「ハンドルを持つ手の位置」について一斉大調査!
あなたは愛車に乗る際、どのようにハンドルを持って操作していますか? JAF Mate Onlineの「運転レッスン」の講師、菰田潔さんはハンドルを時計に見立てた場合、左手で9時、右手で3時の位置を持つ操作方法を推奨していますが、自動車学校などでかつて「10時2時(10時10分)と習った方や、中には独自の持ち方で運転する方も……。今回の「JAF Mate 総研」では、JAF会員のアンケートから統計を取り、ハンドルの持ち方について調査しました。
「両手10時2時」派が46.2%と最多!
「両手8時5時」派、「両手12時6時」派の意見は…
「あなたは運転する際、ハンドルをどのように持つことが多いですか?」のアンケートに回答したのは、6万240名のJAF会員。ハンドルの持ち方は「両手10時2時」が46.2%と最多で、次いで「両手9時3時」が27.5%。一方、持つ位置はさまざまですが「片手でハンドルを持つ」と回答した方は12.3%にのぼりました。
「両手10時2時」派の意見は「自動車教習所でそう習ったから」という意見が多数。「一番しっくりくる」「なんとなく」という声も多く、基本の持ち方と考えている方が多く見受けられました。
- 小生が運転免許を取得したときから、教わった通りに50年以上やっている。そのほうが疲れないし、今の車はステアリングにいろいろな付帯装置がついていて、他の位置では持ちにくい。(茨城県・80歳代・男性)
- 9時3時がベストとは思っているのですが、長年の習慣です。昔の教本が10時2時だったように記憶をしていて、その習慣が身について、無意識で握っている。(岩手県・70歳代・男性)
- 意識したことはないので理由まではわからず……。正直、何となくそうなっているので癖と言った方がいいかもしれません。(石川県・70歳代・男性)
次に多かったのは全体の3割弱、27.5%を占めた「両手9時3時」派。
- ハンドルのスポークに親指を引っ掛けて他の指はハンドルを握るようにしている。私の車はスポークがT形なので9時と3時になる。(茨城県・50歳代・女性)
- 両手で持つことは必須だと思います。そして、この位置で持つことで計器類を見る妨げになりにくく、ハンドルに付いているスイッチ類も押しやすいです。(神奈川県・70歳代・男性)
という意見のほか、
- 教習所では10時10分と習ったが、リンゴ農家に嫁いでから重い荷物を持つ作業が多く肩こりがあり、その位置より9時3時のほうが楽にハンドル操作できると気が付いた。(長野県・60歳代・女性)
と「楽だから」という声も多数。「両手9時3時派」は親指をスポークにかけることで体が安定し、疲れにくくなるというメリットもあるようです。「9時3時」派は年齢層が上がるにつれ増加傾向にあり、60歳代の28.4%、70歳代の34.2%、80歳代以上の38.1%がこの持ち方でした。
かつての教習所では「10時10分(10時2時)」と学んだ方も多いようですが、もう少し下を持つ9時3時だと、エアバッグが開いた際に腕を負傷するリスクも軽減されます。慣れないうちはストレスを感じるかもしれませんが、メリットの多い9時3時をぜひ試してみてください。
中には、一般的な「両手10時2時」「両手9時3時」派からは想像もつかない(?)持ち方をするドライバーも。
- 両手6時12時。テレスコピック(ステアリングの前後調整機能)がない軽自動車なので、一番近い部分を握って、反対側にも手を添えておきたいから。(北海道・50歳代・男性)
- 両手6時12時。右手12時で左手は添えるだけですが、左右に回すときの調整がしやすい。(広島県・40歳代・女性)
- 両手8時2時。長時間の運転で、右肘を窓枠に掛けているので、右手は2時くらい。左手は、身体に少し付くような感じで垂れ下がり気味なので8時くらい。ダラダラと単調な道を運転しているときはこんな感じです。(静岡県・50歳代・男性)
- 両手8時5時。肩に力を入れて運転すると長時間のドライブはできないし、できるだけリラックスして運転したいから。(東京都・60歳代・男性)
- 両手8時5時。日焼けしにくいから。(熊本県・20歳代・女性)
など、さまざまな意見が寄せられました。
片手ハンドルは全体の12.3%!
若い人ほど多い傾向に…
ハンドルの持ち方について「片手12時」「片手2時」など、主に片手でハンドルを操作すると回答した方は全体の12.3%。年代とほぼ相関関係にあり、24歳以下のドライバーは24.8%が主に片手でハンドルを操作。年齢が上がるにつれ両手でハンドルを操作するという意見が多くなりました。
高齢のドライバーからは、
- 昔のハンドルは細くて大きく、パワーステアリングではなかったため、力を入れて一生懸命に回したりしなければならないハンドルが多かった。パワステなんて便利な装置は高級車にしか付いておらず、力いっぱい回す必要があったから片手での運転なんてありえませんでした。現在は軽自動車にもパワステが当たり前についている、いい世の中になったものです。(広島県・70歳代・男性)
としみじみとした意見もありましたが、若年層の中には、
- 片手7時か6時。パワステ全盛の時代、両手が必要な場面は少ないし、持ち替えでかえって遅れたりギクシャクするような気がする。(20歳代・性別未回答)
- 片手12時。両手で持っていると疲れるため、交互に持ち替えて運転する。(三重県・20歳代・男性)
といった意見のほか、
- 片手9時。かっこよさを追求している。(愛知県・20歳代・女性)
- 片手4時。日に焼けたくないし、腕を上げるより、下で支える方が楽だから。(愛知県・20歳代・男性)
といった声も。
なかには、
- 左手は彼女と手をつなぐためにあけておく。(和歌山県・20歳代・男性)
という方もいましたが、こちらへのアンサーとして
- 昔付き合っていた彼が運転しながら手をつなぐタイプでした。当時の私は免許取り立てで運転に慣れていなかったのもあり、恐怖心がつのるばかり。「普通に運転してくれ!」と心の中で思っていました。(東京都・40歳代・女性)
という意見が。運転中に手をつなぐのは、助手席の恋人も不安に思うばかりか、とっさのときに対応が遅れる大変危険な行為です。絶対にやめましょう。
利き手などの関係からか、少数ながらもすべての時間の位置で「ここを持って運転する」という回答がありました。
片手運転をする方の中には体調や障害等が理由の場合もありますが、一般に長時間片手でハンドルを操作する運転は「恐怖! 『片手12時ハンドル』に潜む危険とは? 安全な運転姿勢はこちら!」でも解説している通り、多くのデメリットがあります。
- 学生時代、友人数人との旅行でレンタカーを自分が運転していたときです。右手でタバコを持ち、左手のみの片手ハンドルで運転していたとき、突然タイヤがパンクして車体が左右に振られ、対向車線にはみ出しそうになりました。助手席の友人が「ブレーキ!」と叫んだので、ブレーキを踏むと道路わきの草むらに落ちてしまい……。幸い車も無事、同乗者にもけがはありませんでしたが、両手でハンドルを持つことの重要さを思い知りました。(神奈川県・60歳代・男性)
という危機一髪の経験談も。両手でハンドルを持ち、適切な運転姿勢で安全な運転を心がけましょう。
気になるけど、言い出しづらい…?
ハンドル操作あれこれ
ドライバーの経験や考え方によって、運転操作はそれぞれ。家族間でも運転についての考え方は違う場合も多いようで、
- ペーパードライバーだった妻が久しぶりに運転をしたら、手を持ち替えることなくずっと同じ位置でハンドルを握ったまま固まったように運転していたのを見て怖かったです。(神奈川県・40歳代・男性)
- 教習所で習った通りの10時2時でハンドルを持つ妻の様子を見ると、肩がこわばって力強く握っているように見えるので「もっとリラックスしたほうが疲れなくていいのに」と思っている。(大阪府・40歳代・男性)
という夫側の意見がある一方、妻側からも、
- 夫がときどき手を離したり、片手運転するとやっぱり怖いです。(宮城県・70歳代・女性)
- AT車なのに、夫がマニュアル車時代の癖で、右手でハンドル、左手でずっとシフトレバーを握っているのが気になる。(北海道・50歳代・女性)
など、夫の運転のクセにモヤモヤしたものを感じている方も。
また絶対NG! なハンドル目撃談として
- 前の会社の上司がたこ焼きを食べながら、足でハンドルを支えて運転していたのを見たときには驚愕しました。(埼玉県・40歳代・男性)
- 大学時代のアルバイト先の社長が、昼食をとる時間がなかったときに弁当のコーナー部分でハンドルを押さえ、運転しながら食べていた。(京都府・60歳代・男性)
という恐怖体験も寄せられました。
また、過去の失敗からハンドル操作について見つめなおした方も多いようで、
- 学生だった30年前、内掛けハンドルで交差点を曲がっていた。ある日交差点を曲がったら、急に自転車が飛び出してきてそのハンドル操作では対応できなかった。幸いスピードが出ていなかったからブレーキで止まれてよかったけれど、これ以降、内掛けハンドルは絶対にしないようにしている。(千葉県・50歳代・男性)
- 8年前、大型トラックドライバーになってから、本当の安全運転とは何かを真剣に考え始めた。その前までは、「安全運転」というと、何か特別な運転だとか、交通安全週間だけ気にしなければならないというイメージだったが、安全運転は何も特別な運転方法ではなく、ただただ「当たり前」の操作をすることという結論に至った。その始まりが両手ハンドルだった。そして、一時停止では停止線の手前で確実に止まる、方向指示器は必ず出すなど、ごく「当たり前」の運転をするだけということを学んで実行してきた。そして「譲り合い」ではなく、「譲ることが楽しみ」「(周辺車両への)喜ばせゲーム」という運転をしている。(東京都・60歳代・男性)
運転で一番大切なのは安全です。ハンドルを持つ位置や回し方には、安全に直結する理由があるんです。理想のハンドリング方法は疲れにくく、なおかつ一番カッコいい! 今一度、適正なハンドルの持ち方を確認し、安全なカーライフを心がけましょう!
ハンドル操作についての記事はこちら
あなたの知りたいテーマを大募集!
交通事情から日常の小さなことまで。JAF会員へのアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにして好評をいただいている「JAF Mate総研」では、あなたの知りたいテーマを大募集。「キープレフト、していますか?」「人気のSA・PAは?」「全国で一番食べられているラーメンは何味?」など、何でもOK。あなたが日本全国のJAF会員に聞いてみたいテーマを、JAFMate総研が調査します! 下の応募リンクより、「①あなたの知りたいテーマ ②テーマに沿った質問と回答選択肢」をお送りください。採用された方にはクオ・カード(5,000円分)をプレゼント! ぜひご応募ください(同じテーマ案が複数あった場合は抽選となります)。