ドライバーのお悩み解決! 菰田潔の運転レッスン

「久しぶりの運転、できるかなぁ…」。走り出す前の基本を確認しよう!

菰田 潔(モータージャーナリスト)
2022.03.15

撮影=柴田直行

2022.03.15

撮影=柴田直行

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ビギナーも、ベテランも、安全な運転は基本から。
「セーフティ」「エコロジー」「エコノミー」を満たす運転=「スムースドライビング」について、ドライビングインストラクターの菰田潔さんがお伝えします。生徒はビギナードライバーの土屋怜果さん。今回は正しいドライビングポジションの取り方、ハンドルの握り方、ミラー調整の確認から始めましょう。

正しい運転姿勢

知ってナットク! 運転中の「正しい姿勢」

正しい運転姿勢には、体の負担を軽減したり事故に遭った際の被害を低減するためなど、一つひとつに理由があります。①から⑤の順に姿勢を整えてから、シートベルトを正しく着用しましょう。慣れないうちは多少窮屈に感じるかもしれませんが、体をしっかり安定させていることで確実な運転操作が可能に。また結果として、運転の疲れが軽減されたり、腰痛を防ぐ効果も期待できます。

ドライビングポジションの取り方

正しい運転姿勢

1. シートに深く腰掛ける
お尻の後ろに隙間(すきま)ができないよう、深く腰掛けましょう。腰の位置が動かず、緊急時にしっかりと急ブレーキが踏めるようになると同時に、腰痛を防ぐ効果も期待できます。

生徒が運転席に座った状態

2. 座面の高さを調整
快適な範囲で、目の位置をなるべく高めに。死角が減り、多くの情報を得ることができます。天井と頭の間に、少なくとも握り拳1個以上の間隔をとりましょう。

運転席に座った生徒

3.シートの前後を調整
左足をフットレストに乗せ、強く踏ん張ってもひざが曲がっている状態にしましょう。カーブでも体が安定し、衝突時の足のけが防止にも有効です。

フットレストに足を乗せた生徒

4. リクライニングを調整
背中をシートバックに押し付け、ハンドルの頂点(12時の位置)を片手ずつ持ったときに肩がシートから離れず、肘が少し曲がった状態になるよう調整。ハンドルの位置が調整できるクルマはそれもあわせて使いましょう。体がシートに密着し、安定した運転操作が可能になります。

ハンドル頂点を持った生徒

5.ヘッドレストを調整
追突されたときに頸椎(けいつい)を守るため、ヘッドレストの上端を頭頂部と同じ高さに調整しましょう。運転中はヘッドレストから頭を数㎝離すと、揺れの影響を受けません。

ヘッドレストを調整した生徒

ベテランドライバーはここに注意!

NG:シートバックを大きく倒した姿勢

シートバックを倒した姿勢

大きく倒したシートにもたれ、腕を伸ばした運転姿勢。疲れやすく、緊急時に急ブレーキをしっかりと踏むことができません。

NG:ハンドルにしがみついた姿勢

ハンドルにしがみついた姿勢

前かがみになり、前方をのぞき込むような運転姿勢。体がシートバックに付いていないので運転が安定せず、通常運転でも適切な操作ができません。

安全は走行前から。
ハンドルの持ち方、
ミラーの角度を再確認!

ハンドルの持ち方

親指の付け根の膨らみの手のひらに近いところで、リム(輪)の9時と3時の位置を前に押すように持ちましょう。親指はスポークに掛け、他の指は軽くリムの裏へ。上半身がシートバックに押し付けられることで、カーブでも体が安定し、長距離運転でも疲れにくくなります。「ハンドルは10時10分の位置を持つ」と教わった方もいるかもしれませんが、エアバッグが開いた際に腕を負傷する危険があるため、私は9時と3時を推奨しています。

ハンドルを正しく握った生徒

ベテランドライバーはここに注意!

NG:内掛けハンドル

内掛けハンドルの生徒

手をハンドルの中に入れる「内掛けハンドル」。緊急時の対応が遅れるだけでなく、エアバッグが開いた際に腕を複雑骨折するなど大きなリスクがあります。

NG:ちょこちょこハンドル

ハンドルを細かく動かす様子

ハンドルにしがみつくように前かがみになり、1回に切る量が少ないハンドル操作。体の位置が不安定になり、ハンドルをどのくらい切ったかがわからなくなり混乱してしまいます。

ルームミラー

上下の枠を持ち、左右に動かしながら調整すると、上下も合わせやすくなります。正しいドライビングポジションのときに、左右中央が自然に見える位置にしましょう。自車が車線の真ん中を走っているか、また後続車がどのくらいの位置にいるかをチェックすることができます。

後ろの様子が映ったルームミラー

ドアミラー

左右は自車の側面が少し映るように、上下は路面を約2/3映すように調整。隣の車線の車がどのくらいの位置を走行しているかを把握することができます。

側面が映ったドアミラー

JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなどの情報を提供しています。ぜひご覧ください。

菰田 潔

こもだ・きよし/モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。

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