牧之原茶畑の道(静岡県)
写真1 原生林だった牧之原台地は、明治2年から開拓が始まり大茶園となった

牧之原茶畑の道(静岡県)。見渡す限りの茶畑が広がる景勝ルート

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

見渡す限りの茶畑が広がる景勝ルート、牧之原茶畑の道(静岡県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

ドライブに行くなら新茶の時期がオススメ

静岡県は全国の約4割を生産する日本有数のお茶の産地で、静岡茶は京都府の宇治茶・埼玉県の狭山茶とともに三大銘茶として知られている。四季を通じて温暖な気候でお茶の生育に適していて、牧之原市・島田市・掛川市などや山間部での栽培も盛んだ。この茶畑の見頃は、新茶の季節である4月下旬から5月にかけてで、どこまでも広がる牧之原の茶畑の中を走るのが今回のルートである。

写真2 牧之原台地は高低差がないため、遠くまで見渡すことができる

写真2 牧之原台地は高低差がないため、遠くまで見渡すことができる

富士山と駿河湾の眺望を両方堪能

茶畑の中でまず目につくのがたくさんの柱の上で回る扇風機のようなものだろう。これは「防霜(ぼうそう)ファン」と呼ばれ、霜の害を防ぐためのもの。地表の温度が下がると霜が降り茶葉が傷むので、高い場所から温かい風を当てて地表の温度を上げるためにある。

写真3 「防霜ファン」が設置され、管理された茶畑。遠くには富士山も見える

写真3 「防霜ファン」が設置され、管理された茶畑。遠くには富士山も見える

しばらく走っていると、周りは一面の茶畑になっている。牧之原は真っ平らな大地で、まるで絨毯のように茶畑が広がっている。そして遮るものがなく、はるか遠くの山並みまで見渡すことができる。そのため空がとても広く感じられ、春の風を受けながら、どこまでも続く直線路で気持ち良いドライブが楽しめる。美しい新芽の向こうには富士山も見える。やがて道が下り始めると茶畑は終わり、駿河湾が目の前に広がる「さがらサンビーチ」に着く。


牧之原茶畑の道(静岡県)データ

牧之原茶畑の道は、東名高速道路の相良牧之原IC付近から始まる。県道235号を南西へ向かうと、道路脇には茶畑が少しずつ増えてくる。サイクリングロードとしても有名なので、自転車には注意が必要だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

牧之原茶畑の道近くの日本遺産は、こちらをチェック!

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
牧之原茶畑の道が走る静岡県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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