和歌山県道24号白崎海岸
写真1 紀伊の由良の崎は、万葉集にも詠まれる歴史ある景勝地だった。町にも歌碑が建てられている

和歌山県道24号白崎海岸(和歌山県)。白い岩肌の奇岩と青い太平洋を望むシーサイドライン

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

白い岩肌の奇岩と青い太平洋を望む、シーサイドラインの和歌山県道24号白崎海岸(和歌山県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

「日本のエーゲ海」が魅せる自然の力

白崎海岸は、和歌山県日高郡由良町に位置する美しい海岸で、日本の渚百選にも選ばれている。白亜の巨大な石灰岩の岬と、紺碧(こんぺき)の海のコントラストが特異な景観を見せており「日本のエーゲ海」とも称されている。この石灰岩は約2億5000万年前のサンゴや貝殻が大量に堆積して、長い年月をかけて固まったもので、自然の力で生み出された景観である。

写真2 波に侵食されて独特の穴が空いた立巌岩。その穴から鹿尾菜(ひじき)島が見えるポイントもあるので、探してみるといいだろう

写真2 波に侵食されて独特の穴が空いた立巌岩。その穴から鹿尾菜(ひじき)島が見えるポイントもあるので、探してみるといいだろう

この白崎海岸へは南側から向かうのがお勧めである。海岸沿いを行く県道24号を走り、大碆(おおばい)と呼ばれるウミネコの産卵地を過ぎると青い海の向こうに白い大きな岩が見えてくる。これが立巌岩(たてごいわ)であり、岩の真ん中にはぽっかり穴が開いている。さらに走るとまた新たな巨大な白い岩が見えてくる。ガードレールもなく青い海と白い岩のコントラストが美しい絶景が目の前に広がる。

ドラマチックな夕焼けを望む展望台

写真3 道の駅「白崎海洋公園」は特産品の販売や、施設内での飲食も可能だ。24時間利用可能なトイレも完備する

写真3 道の駅「白崎海洋公園」は特産品の販売や、施設内での飲食も可能だ。24時間利用可能なトイレも完備する

岬には道の駅「白崎海洋公園」がある。クルマで駐車場に入ると施設全体が白い石灰岩に囲まれているため、ちょっと異様な雰囲気を感じる。クルマを止めて徒歩で白い石灰岩の中を歩いてみよう。階段を上り、白い石灰岩に囲まれた道を進むと展望台があり、白い岩が連なる絶景を一望できる。古くから万葉集にも詠まれた景色であり、夕暮れ時にはさらにドラマチックな景観を見せてくれる。


和歌山県道24号白崎海岸(和歌山県)データ

和歌山県道24号白崎海岸へのアクセスは、紀勢自動車道・広川ICから広川マリントンネルを抜け、県道23号へ合流する。白崎方面へ進み、県道24号に接続してから海沿いの半島側に向かうことができる。周囲は鍾乳洞や小島、釣り場など立ち寄りスポットが豊富だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

和歌山県道24号白崎海岸近くの日本遺産は、こちらをチェック!

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
和歌山県道24号白崎海岸が走る和歌山県の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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