南阿波サンライン(徳島県)。黒潮が洗う海岸線を眼下に望むスカイライン
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
黒潮が洗う海岸線を眼下に望むスカイライン、南阿波サンライン(徳島県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
太平洋を眼下に森林浴を楽しめるドライブルート
徳島県の南にあり、海部郡美波町(かいふぐんみなみちょう)と海部郡牟岐町(むぎちょう)を結ぶスカイラインが南阿波(みなみあわ)サンラインである。昭和49年に観光有料道路としてオープンし、昭和63年に無料化された。現在では、県道147号日和佐牟岐(ひわさむぎ)線と名称を変えて生活道となっている。約17kmの風光明媚(ふうこうめいび)な太平洋を望むドライブコースで、室戸阿南(むろとあなん)海岸国定公園に指定されている。
写真2 第二展望台近辺にはヤシの木が植林され、南国気分も味わえる
海岸沿いを走るスカイラインであるが、波打ち際を走らないのが特徴の一つだ。断崖のかなり高い場所を走るため、太平洋を上から見下ろすことができて眺めが良い。道路は海に面した山あいのため曲がりくねった道で、大きなアップダウンもない。途中に4か所の展望台があり、それぞれ美しい海岸線と雄大な太平洋の景観を満喫できる。時折クルマから見える景色を楽しみながら、ゆっくりと走るのがいいだろう。
夜には満天の星空が迎えてくれるのが魅力
写真3 展望台からの景色は、夜も楽しめることで地元の人気スポットだ
JR日和佐駅方面から進む場合、国道55号を左折して4kmほど走ると南阿波サンライン第一展望台がある。ここから絶壁の海食崖が荒々しい千羽海崖(せんばかいがい)を眺めることができる。南阿波サンライン第二展望台の手前に海岸へ下りていく道があるので明丸海岸へ下りることもできる。この周辺は光害が少なく空気が澄んでいるため星が美しく見られるということで天文ファンにも人気がある。
南阿波サンライン(徳島県)データ
日和佐駅から国道55号を南下すると、南阿波サンラインの標識を目印にアクセスできる。道中は展望台などの休憩スポットがあるが、道の駅など飲食店舗はない。125ccを超えるバイクは、20時から翌朝5時までは通行禁止になっている。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
南阿波サンライン近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。南阿波サンラインが走る徳島県の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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