国道150号久能海岸(静岡県)。潮風を感じる一直線のシーサイドロード
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
潮風を感じるシーサイドロード、国道150号久能海岸(静岡県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
駿河湾と富士山の両方を堪能できる道
静岡市にある日本平(にほんだいら)は新日本観光地100選、国の名勝地、県立自然公園に指定された標高307mの丘陵地で、富士山を眺める地としても知られる。この南にある海岸が久能(くのう)海岸で、駿河湾に沿って国道150号が走っていて約10kmにわたるドライブが楽しめる。
写真2 海岸線には砂浜が多く、消波ブロックが積まれている場所も多い
途中にある久能山山頂には、徳川家康公が埋葬されている「久能山東照宮」がある。本殿、石の間、拝殿は国宝に指定されている。
写真3 ヤシの木が植えられている場所では南国気分を味わえる
この久能海岸沿いは「いちご海岸通り」とも呼ばれ、斜面に沿っていちごの苗を植えて育てる「石垣いちご」の産地として知られ、毎年1月から5月頃までいちご狩りが楽しめる。道路から斜面を見ると数え切れないほどのビニールハウスが立ち並んでいるのがわかる。
写真4 道沿いにはいちごを栽培するビニールハウスが多く見られる
数々の歴史と天女伝説の残る三保松原
写真5 天気が良ければ海の向こうには伊豆半島が見える
道はほぼ直線でアップダウンもないため、とても走りやすい。海のすぐそばを通っていることから眺めが良く、駿河湾を見ながら潮風を受けて走る気分は最高だ。天気のいい日は伊豆半島がくっきり見える。また、東には日本三大松原のひとつに選ばれている三保松原(みほのまつばら)があり、ここには天女伝説で知られる羽衣(はごろも)の松がある。これも近いので寄ってみるとよい。
国道150号久能海岸(静岡県)データ
国道150号久能海岸へのアクセスは、静岡県清水区側から向かう場合は、国道149号から国道150号に入る。海岸沿いへ向かう道はバイパス側になるため、旧道の国道150号へは入らないように注意が必要だ。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
国道150号久能海岸近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。国道150号が走る久能海岸の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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