桜島展望道路(鹿児島県)。活火山の桜島を間近に見る山岳ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け活火山の桜島を間近に見る桜島展望道路(鹿児島県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
岩肌むき出しの活火山を望む
鹿児島のシンボルともいえる桜島は錦江湾(きんこうわん)に浮かぶ半島だが、かつては名前のとおり島だった。しかし大正時代の大噴火により大隅半島と陸続きになった。この桜島は標高1,117mの北岳を最高峰に1,060mの中岳、1,040mの南岳など複数の山から成り、御岳(おんたけ)と総称する。現在も火山活動を続けているために、風向きによっては鹿児島市内に火山灰が降ることも。
写真2 湯之平展望所は一般の人が上がれる最高地点だ
このような桜島御岳の麓を走り、迫力ある御岳の姿と岩肌を間近に見られるのがこのルート。鹿児島からはフェリーで行くことになるが、桜島フェリーは24時間運航しているので気軽に乗れる。道路は全面舗装されているが火山灰が道路に積もっていることもあるので運転には注意が必要だ。
錦江湾を望む絶景に酔いしれる
写真3 錦江湾や市街地を望む夕景が人気。パノラマビューで半島を一望できる
日頃見慣れない溶岩地帯という風景の中をドライブして中腹に向かって走っていくと、目の前に御岳の雄大な姿が飛び込んでくる。そして道はこの御岳に向かって真っすぐに上っていく。そのままさらに走ると、標高373mで北岳の4合目に位置する湯之平(ゆのひら)展望所に着く。2階建ての展望台に上がると、噴煙を上げる南岳の荒々しい山肌が目の前に広がる。またここからは錦江湾と鹿児島市街地や遠く霧島連山、南に開聞岳まで一望できる。
桜島展望道路(鹿児島県)データ
鹿児島県鹿児島市から桜島までは桜島フェリーを利用し、15分ほどの船旅を楽しむことができる。料金は人と車両で別となり、クルマは全長で料金が異なるためウェブサイトで事前に確認が必要だ。桜島港フェリーターミナルから、県道224号を利用し南へ走り、湯之平(ゆのひら)展望所への標識がある交差点を左折すると桜島展望道路へアクセスできる。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
桜島展望道路近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
桜島展望道路がある鹿児島県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape