国道345号笹川流れ(新潟県)。不思議なカタチの岩に出会う海岸線ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け不思議なカタチの岩に出会う海岸線が続く国道345号笹川流れ(新潟県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
日本海の荒波が生んだ奇跡の景色
新潟県の北部にある村上市の海岸は、日本海の荒波の浸食によりできた奇岩、岩礁や洞窟など、変化に富んだ風景が続く。この海岸線が「笹川流れ」と呼ばれ、国道345号を走りながら不思議な景色を楽しむのが今回のルート。およそ11km続く景観は国指定の名勝および天然記念物となっている。
写真2 いたるところに奇岩があり、荒波の力強さを感じることができる(撮影エリアは地図2を参照)
村上市から北上する場合、鮭の遡上(そじょう)する川として知られている三面川(みおもてがわ)を渡ると、道は海岸に沿って走る。海が近いために潮の香りを感じながら爽快なドライブを続けると、鳥越山付近からだんだんと奇岩が見え始める。
写真3 美しい砂浜も点在している。鷹巣岩や屏風岩周辺は駐車スペースが少ないので注意が必要だ(撮影エリアは地図3を参照)
右に羽越本線の線路、左に日本海という眺めが最後まで続く。JR桑川駅にある「道の駅 笹川流れ」に立ち寄ると、専用の橋「サンセットブリッジ」を渡って浜辺に降りられる。ここから眺める夕日は感動的だ。
道中の海辺の奇岩や絶壁は見ごたえあり
写真4 眼鏡岩と呼ばれているが、穴はひとつしかない。ルート上でも人気のスポットだ(撮影エリアは地図4を参照)
少し北には笹川流れを海から眺める遊覧船も出ている。そしてここからが無数の奇岩、絶壁、洞穴が連続する区間となる。眼鏡岩には小さなパーキングがあり展望台やトイレが利用できる。そこからは雄獅子岩(おおしいわ)や遠くには粟島(あわしま)が見え、澄み切った碧い海が美しい。
写真5 短いトンネルは奇岩の中を抜けてる場所もある(撮影エリアは地図5を参照)
さらに北へ向かって走ると連続するトンネルとその合間には奇岩が続き豪壮な景観が次々と現れる。寒川(かんがわ)から先には奇岩がなく、目の前に広がる日本海を眺めながらのドライブとなる。
笹川流れ(新潟県)データ
日本海沿岸東北自動車道の村上瀬波温泉ICから県道286号で村上市方面へ進むと、国道345号と合流し鶴岡方面へむかう道が「笹川流れ」に至るルートだ。海沿いの道は34kmほどで、最後は国道7号と合流する。道中は鳥越山海水浴場のような遊泳ポイントが多くある。また、奇岩付近には駐車場がない場所もあるので注意が必要だ。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape