宗谷の白い道(北海道)。ホタテの貝殻が敷き詰められた唯一無二の丘陵ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
宗谷岬にほど近い、ホタテの貝殻を敷き詰めた宗谷の白い道(北海道)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
最北端の高山植物や周氷河地形が残る!
日本最北端の地として知られる宗谷岬(そうやみさき)はだれでも一度は行ってみたいと思う人気の観光スポット。岬の突端には「日本最北端の地の碑」があり、ここに立つと目の前には宗谷湾の絶景が広がりその向こうにはサハリンの島影が望める。こんな宗谷岬の南には日本最北の宗谷丘陵があり、この上を走るのが約3㎞にわたりホタテの貝殻を砕いて敷き詰めた「白い道」だ。
写真2 両側は私有地の牧草地帯のため入れないが、放牧されている牛もいる(撮影エリアは地図2を参照)
宗谷丘陵は稜線が丸みを帯びたなだらかな丘陵地帯で北海道遺産にも指定されている。周氷河地形と呼ばれる独特な景観で、広大な草原には日本最大級の風力発電施設「宗谷岬ウインドファーム」の白い風車が並ぶ姿を見ることができる。開放感いっぱいの牧草地にはたくさんの牛が放牧され、そのゆったりとした風景に癒やされる。
写真3 「稚内フットパス」と呼ばれるウォーキングコースでもあるため、自転車や歩行者も多い(撮影エリアは地図3を参照)
広大な牧草地と白い一本道のコントラストが壮観だ
ここを走る白い道はテレビCMなどで使われたり、青い空と海、緑の牧草というコントラストが美しいとSNSなどでも話題となっている。この白い道は宗谷丘陵フットパスコースの一部で、スタート地点は宗谷丘陵の中にあるのでちょっとわかりにくい。道はホタテの白い貝殻でできているので舗装路ではない。どちらかというと砂利道に近い。ゆっくり走って眺めを楽しもう。この道のいいところは何もない丘の上からの眺めと雪のように白い道だ。
宗谷の白い道(北海道)データ
北海道稚内市から、国道238号線を北上し、旧宗谷村の街から約3kmの観光路。ほぼ直線となっており、車幅は1.5車線ほどの幅しかない。白い道を含め、宗谷岬から白い道を含めた距離は約11kmあり、ウォーキングコースとしても利用されている。車で通行する場合、歩行者の安全に十分留意しよう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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