阿寒横断道路
写真1 途中にある展望スポット双岳台(そうがくだい)からは「阿寒の夫婦岳(めおとだけ)」と呼ばれるふたつの山が眺望できる(撮影エリアは地図1を参照)

阿寒横断道路(北海道)。阿寒湖を目指し、野生動物たちの住む原生林の中を進む

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

阿寒湖を目指し、野生動物たちの住む原生林の中を進む阿寒横断道路(北海道)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

大自然を堪能できる道東観光のメインルート

阿寒(あかん)横断道路は弟子屈町(てしかがちょう)と足寄町(あしょろちょう)を結ぶ道東観光のメインルートで、見どころも多い。その中で今回紹介するのは弟子屈町から阿寒町までのルート。道東観光の中心でもある摩周湖(ましゅうこ)方面から阿寒湖へ走るということで、北海道の大自然の美しさと厳しさを存分に堪能できるワクワクするような道だ。道幅が広く、整備状況も良いので走るのが楽しい。

写真2 北海道らしいアップダウンのある直線道路。吹雪などで視界が限られる際に道路の路側線の位置を示す矢印つきポールの正式名称は「固定式視線誘導柱」といい、矢羽根と呼ばれることが多い(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 北海道らしいアップダウンのある直線道路。吹雪などで視界が限られる際に道路の路側線の位置を示す矢印つきポールの正式名称は「固定式視線誘導柱」といい、矢羽根と呼ばれることが多い(撮影エリアは地図2を参照)

弟子屈からスタートすると、初めに出てくるのが牧場の中を走る直線道路だ。北海道らしい眺めであまりにも気持ちいいが、スピードには要注意。やがて山岳道路のようなコーナーの連続で標高を上げていき、峠を越えると双岳台に着く。道路脇に駐車スペースがあり、雄阿寒岳(おあかんだけ)と雌阿寒岳(めあかんだけ)が眺望できる。さらに進むと双湖台(そうこだい)があり、展望台に上がり原生林を見下ろすと「ペンケトー」と「パンケトー」と呼ばれる青く澄んだ小さな湖が見える。

写真3 道東を代表する観光地の阿寒湖は、淡水湖としては北海道で5番目に大きい(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 道東を代表する観光地の阿寒湖は、淡水湖としては北海道で5番目に大きい(撮影エリアは地図3を参照)

森の中から野生動物が飛び出してくることも

道は原生林の中を快走して阿寒湖へ向かう。阿寒湖付近では道も直線となり、どこまでも続く木々の眺めは北海道らしさ満点だ。森の中には野生動物が多く、ヒグマやエゾシカ、キタキツネなどが飛び出してくることもあるので充分注意したい。阿寒湖では湖畔の駐車場に車を停めて湖や阿寒湖アイヌコタンを散策したり、温泉に入ったりすれば心に残る旅の思い出となるだろう。


阿寒横断道路(北海道)データ

阿寒湖は、雄阿寒岳の火山活動で誕生したカルデラ湖。湖の中には島が4つあり、自然の恵み豊かな森や特別天然記念物の「マリモ」が生息することでも有名だ。この阿寒湖南部を弟子屈から帯広へとつなぐ国道241号のうち、弟子屈と足寄の区間を阿寒横断道路と呼ぶ。阿寒横断道路は、道東の東西をつなぐメインルートなので、道路は道幅・整備状況とも大変良く、気持ち良く走ることができる。道の駅摩周温泉からこのルートの起点(美里3丁目)までは国道241号経由で約2km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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