写真1 富士山と駿河湾の青い風景の中、ぽっかりと砂嘴が浮かぶ(撮影エリアは地図1を参照)

静岡県道17号から大瀬崎へ(静岡県)。富士山を間近に望む、ダイナミックなシーサイドロード

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

静岡県道17号から大瀬崎(おせざき)へ。富士山を間近に望む、ダイナミックなシーサイドロードをドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

伊豆半島の北西端に延びる砂嘴(さし)、大瀬崎

沼津市の南にある大瀬崎は、駿河湾に約1km突き出た半島だ。海岸沿いの海流によって運ばれた岩や土砂が積もり積もってできた砂嘴という地形になっている。ちょうど伊豆半島の北西端になり、楽器の琵琶に形が似ていることから琵琶島と呼ばれることもある。今回紹介するのは、内浦三津(うちうらみと)方面から大瀬崎を経由した戸田(へだ)までのルートで、県道17号沼津土肥(とい)線になる。

写真2 冠雪した富士山がダイナミックに味わえるワインディングロード(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 冠雪した富士山がダイナミックに味わえるワインディングロード(撮影エリアは地図2を参照)

このルートの最大の魅力は、走りながら常に富士山を眺められることだろう。スタート地点の三津港では、内浦湾の出口から富士山が裾野まできれいに見える。ここから大瀬崎までは海を眺めながら走るため、駿河湾越しに富士山が見え隠れするドライブが楽しめる。道路は海岸線に沿って、ずっと曲がりくねっている。

写真3 富士山の雄姿を眺めつつ水辺をのんびりと散策する(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 富士山の雄姿を眺めつつ水辺をのんびりと散策する(撮影エリアは地図3を参照)

伊豆七不思議のひとつ、海の影響を受けない神池

大瀬崎は道路脇のパーキングからも眺めることができるが、海水浴場の駐車場に車を止めて徒歩で散策することも可能だ。国の天然記念物に指定されているビャクシン樹林やこれに囲まれた神池と呼ばれる最長部の直径が100mほどの淡水池がある。海の影響を受けない池として、伊豆七不思議のひとつになっている。そして岬の先端には伊豆大瀬埼灯台が建てられている。


静岡県道17号大瀬崎(静岡県)データ

静岡県道17号の沼津~戸田間は西側に駿河湾を望む、高台を走るワインディングロードだ。途中には駿河湾越しに富士山を望む名勝の地として古くから知られる大瀬崎、井田(いた)集落や煌(きら)めきの丘、夕日の名所としても知られる出逢い岬など、人気スポットが点在している。駿河湾越しの富士山ビューを楽しみたいという場合は、土肥から沼津に向かって北上するのもいい。行きと帰りではまた違う景色が味わえる。伊豆中央道・伊豆長岡ICから県道17号・三津三差路(地図A付近)までは県道130号経由で約2.9km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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