写真1 長く伸びた岬の先端には日本最古の佐多岬灯台がある(撮影エリアは地図1を参照)

佐多岬公園線(鹿児島県)。森を抜け海岸線を走る、南国ムード漂う本土最南端の岬への道

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

鹿児島県の東側にある大隅半島の南端にある、南国ムードあふれる佐多岬公園線を走ります。森を抜け海岸線を走る、南国ムード漂う本土最南端の岬への道。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

南国ムード漂う本土最南端の佐多岬(さたみさき)

佐多岬は鹿児島県南部にある岬で、本土最南端ともいわれている。北海道の宗谷岬から本土縦断をする際ゴールとなる地点で、旅行やドライブをする人にとっては、ちょっと特別な岬でもある。北緯31度線上、沖の大輪島に日本最古の灯台の一つである佐多岬灯台がある。一帯には亜熱帯地方の植物が自生するなど南国のムードが漂っており、本土最南端の魅力が味わえる。

写真2 森の中を抜け海岸線を走る、佐多岬公園線(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 森の中を抜け海岸線を走る、佐多岬公園線(撮影エリアは地図2を参照)

この岬へ向かうルートが佐多岬公園線で、以前は佐多岬ロードパークと呼ばれる有料道路だった。後に無料開放され、鹿児島県道68号から佐多岬公園駐車場までの約8kmのルートができた。道は整備された片側1車線で、南国特有の森の中や海岸線などを走って佐多岬公園駐車場に着く。終点の駐車場の少し手前に北緯31度線展望広場があり、北緯31度のモニュメントが建っている。

写真3 佐多岬公園駐車場手前の展望広場にある北緯31度のモニュメント(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 佐多岬公園駐車場手前の展望広場にある北緯31度のモニュメント(撮影エリアは地図3を参照)

旅のクライマックスは夕暮れ時の佐多岬

佐多岬や灯台は終点の駐車場にある展望広場からも見ることができるが、もっと近くで見たい場合は徒歩で行くことになる。駐車場横にあるトンネルから進み、御崎(みさき)神社の森を抜けると、15分ほどで佐多岬公園展望台(2018年完成)にたどり着く。この屋上から佐多岬灯台や開聞岳など、360度のパノラマビューが楽しめる。夕暮れ時には白亜の灯台も岬の周辺も一面が赤く染まり、息をのむほどの美しい光景に出会える。


佐多岬公園線(鹿児島県)データ

鹿児島県道566号、正式名称・南大隅町道佐多岬公園線(別名・佐多岬ロードパーク)。鹿児島県南大隅町佐多馬籠大泊から九州本土最南端となる佐多岬までを結ぶ南国ムードあふれる道路で、佐多岬まではこの道路を使わなければたどり着けない。道路はおおむね片側1車線が整備されているが、途中にある岩崎トンネル付近は幅員が狭くセンターラインもないので、対向車を待機する必要がある。道の駅根占(ねじめ)からは国道269号と県道68号経由で約25km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
日本の絶景ドライブルートの記事を地域別に探す
あなたのSNSでこの記事をシェア!