日本の絶景ドライブルート

室戸スカイライン(高知県)。空に飛び出し海に落ちてゆく、ジェットコースターのような絶景ドライブウェイ

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2024.02.20

写真1 終盤には急落のヘアピンカーブが連続する(撮影エリアは地図1を参照)

2024.02.20

写真1 終盤には急落のヘアピンカーブが連続する(撮影エリアは地図1を参照)

空に飛び出し海に落ちてゆく、ジェットコースターのような絶景ドライブウェイ、室戸スカイラインをドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

室戸岬へ行くならぜひ走ってみたい、短いワインディングロード

室戸岬は室戸半島の先端にある太平洋に突き出るような形の岬で、室戸阿南海岸(むろとあなんかいがん)国定公園に指定されている国の名勝だ。この室戸岬の山頂部を走るドライブコースが室戸スカイライン(高知県道203号室戸公園線)。約9kmの短い道だが多彩なカーブがあるワインディングロードで、交通量が少なく走りやすい。室戸岬へ行くならちょっと走ってみたいルートだ。

写真2 室戸岬灯台は岬の先端に位置する、小さな白亜の灯台だ(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 室戸岬灯台は岬の先端に位置する、小さな白亜の灯台だ(撮影エリアは地図2を参照)

入り口は国道55号の室戸市役所近くにある。ここから室戸岬へ向かって走るわけだが、できればこの北の入り口から走り始めたほうが、感動が大きいかもしれない。しばらくは森の中を進み時々海が見えるが、やがて室戸スカイライン山頂展望台(津呂山高岡園地)に着く。ここは室戸岬展望台、室戸岬灯台と並ぶ、有名な絶景スポットとして親しまれている。標高は258mあり、360度の景色が眺められるパノラマ展望台になっている。周りの太平洋を見ると、室戸岬が海に突き出ているのがよく分かる。

写真3 海に飛び込むようなヘアピンカーブ(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 海に飛び込むようなヘアピンカーブ(撮影エリアは地図3を参照)

旅のハイライトは3連続のヘアピンカーブ

南へ少し走ると四国八十八ヶ所霊場の第24番札所最御崎寺(ほつみさきじ)と室戸岬灯台の駐車場に着く。ここに車を止めれば歩いて室戸岬灯台へ行くことができる。そしてこの先がこの道のハイライトで、急激な標高差を3つのヘアピンカーブで一気に下りていく。まるで、空に飛び出し海へ落ちてゆくような感覚の下りで、つづら折りの道路の向こうには麓の町並みや太平洋の大海原を眺めることができる。


室戸スカイライン(高知県)データ

太平洋に突き出した高知県室戸岬の、尾根筋を通る片側1車線のドライブウェイ、高知県道203号室戸公園線。空へ向かってのびる豪快な線形は、ワインディングと風景を同時に味わえて最高に贅沢だ。全長は約9kmで山側は展望が開けないが、岬側の3kmは圧巻。四国を訪れたなら絶対に訪れておきたい名道だ。室戸岬に近づいた道の終盤は大海原へと飛び出すようなヘアピンカーブが連続し、独特の浮遊感を味わうこともできる。北側の入り口は食遊鯨の郷(道の駅キラメッセ室戸 レストラン)方面より国道55号を南下し、室戸市役所付近の「室戸市浮津」の交差点を右折、300mほどの場所にある「室戸市室津」の交差点を左折する。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles