和歌山県道40号樫野串本線で紀伊大島へ。青い空に白い橋、本州最南端ドライブを楽しむ
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け黒潮が流れる太平洋に架かったループ橋で、紀伊大島へ。青い空に白い橋がひときわ映える和歌山県道40号樫野串本(かしのくしもと)線の魅力を、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
本州最南端の地にある島へ、ループ橋を渡って
紀伊半島の南にある潮岬(しおのみさき)は本州最南端の地。目の前には緩やかな弧をえがいて太平洋が広がり、手の届くところに黒潮が流れている。そんな潮岬の東にある紀伊大島は、串本と橋で結ばれている。この橋がくしもと大橋で、青い海に映える白いアーチ式の橋とループ橋があり、潮岬周辺の観光名所となっている。ループ橋が386m、アーチ橋が290mあり、青い空に白い橋がひときわ目立つ。
写真2 町を眺めて走る直線、海上にせり出すループ。(撮影場所は地図2参照)
串本から進むと、まずは真っ直ぐな道が現れるが、これは橋ではなく堤防の上の道だ。串元市街を眺めながら走る、海の上を渡るような直線は気持ちがいい。そして海上にせり出したループ橋を上ると苗我島になり、ここから紀伊大島へはアーチ式の橋で渡る。橋を渡り終えたところには駐車場があり、ここの展望台からは太平洋をはじめ、今走ってきたくしもと大橋や串本の町が展望できる。
写真3 苗我島を越えるとアーチ橋を渡り、いよいよ紀伊大島だ。(撮影場所は地図3参照)
紀伊大島を横断し、潮岬で締めくくる
紀伊大島は周囲28kmとかなり大きな島で、海がきれいなため、スキューバダイビングのポイントも多い。また釣り客にも人気がある。ドライブなら、くしもと大橋から県道40号で島を横断して走ってみるのもおもしろいだろう。島の東端には明治3年に建造された日本最古の石造りの灯台「樫野埼灯台」や、トルコとの友好関係の証となるトルコ記念館 がある。帰りには本州最南端の潮岬には必ず立ち寄ってみたい。望楼の芝と呼ばれる芝生が広がり、その向こうには太平洋がどこまでも続いている。潮岬灯台の展望台からの眺めもすばらしく、地球が丸く見える。
ドライブルート 和歌山県道40号樫野串本線 紀伊大島
和歌山県道40号は、紀伊大島の串本町樫野から島の尾根沿いを通り、くしもと大橋を経て同町串本をつなぐ約12km の道のり。串本町へは紀勢自動車道・すさみ南ICから車で約23km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape