日本の絶景ドライブルート

ミルクロード(熊本県)。美景絶景を求めて草原の中を駆けぬける

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2023.11.06

写真1 外輪山の稜線に沿うようにミルクロードは走る。(撮影場所は地図1参照)

2023.11.06

写真1 外輪山の稜線に沿うようにミルクロードは走る。(撮影場所は地図1参照)

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

熊本県の阿蘇の北東部、外輪山の草原に延びるミルクロードを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

右へ左へとどこまでも続く、日本離れした道と風景

阿蘇山の北にある外輪山には緑の草原が広がっていて、緩やかな起伏で日本とは思えない牧草地が遠くどこまでも続いている。ここを走るのがミルクロードで、遠くに地平線を眺めながら走る気分は他ではなかなか味わうことはできないだろう。道は小さなアップダウンを繰り返し、右へ左へ曲がりながら進むので、常に目の前の景色が変化してドライブしていて飽きることはない。

俯瞰したミルクロード

写真2 外輪山付近の壮大な景色。その迫力に、目を奪われる。(撮影場所は地図2参照)

秋から冬にかけては早朝の雲海も名物

ミルクロードの西側の起点は国道57号の道の駅「大津(おおづ)」付近だが、展望が良くなるのは外輪山に上ってからになる。県道339号の外輪山に出たらすぐにかぶと岩展望所がある。そこからすぐ下の内牧温泉やその周辺の水田地帯、阿蘇山からくじゅう連山まで展望できる。特にくじゅうから昇る朝日が美しい。秋から冬にかけては早朝の雲海も名物となっている。

ミルクロードの夕景

写真3 旅のラストを飾る、ミルクロードの夕景。燃えるような太陽が空と道を彩る。(撮影場所は地図3参照)

旅のクライマックスは阿蘇北外輪山の最高峰、大観峰

そして国道212号を越えると阿蘇を見る最も有名なビューポイント、標高936mの大観峰(だいかんぼう)がある。ここがミルクロードのハイライトになるだろう。週末には観光バスも来て駐車場が車であふれる。阿蘇北外輪山の最高峰で、ここからの阿蘇五岳は釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)のように見える。

その後ミルクロードはやまなみハイウェイにぶつかるが、ここで終わりではない。その先もミルクロードは続くが、道幅も狭くなり交通量は減り観光客がその先に行くことは少ない。


ドライブルート ミルクロード(熊本県)

全国各地に複数ある「ミルクロード」。熊本にあるミルクロードの正式名称は、熊本県道339号北外輪山大津線。阿蘇市から菊池郡大津町に至る一般県道で、世界最大級のカルデラである阿蘇山の雄大な風景をひとり占めできる道のひとつでもある。阿蘇にはいくつもの絶景ルートがあるが、外輪山北東部の尾根を辿るミルクロードが最も広大な景観を堪能できる。周辺に牧場が多く点在していることからその名が付けられたと言われており、文字どおり草原地帯を貫いて走る気分は爽快そのもの。沿道には絶景ポイントとして知られる大観峰があり、阿蘇五岳や火口原を一望する。道の駅阿蘇からは約15km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

仕様:A4判・136ページ 定価:2,200円(税込み)
発行:JAFメディアワークス

地元の知る人ぞ知る国宝級の絶景景観を眺めながら泊まれる全国のキャンプ地を、エリア別に130か所以上紹介します。

「絶景」を著名カメラマン・キャンパー・インフルエンサーによる質の高い写真で彩りながら、絶景を天空・湖畔・岩壁・草原・山・離島・ビル群(夜景)などさまざまな見立てと、キャンプ地の魅力を季節・時間帯・視点等でまったく違う装いを見せる写真も同時に掲載しました。各キャンプ場の設備データに加え、300カットを超すボリューム感と「いつか行きたい」と思わせる質の高い写真で構成。写真集やエリア・キャンプ情報誌として書棚に飾りたい1冊です。

お買い求めは、全国の書店、ネット通販サイトをご利用ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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