日本の絶景ドライブルート

仁田峠循環道路(長崎県)。雲仙岳の中腹をぐるっと回る、一方通行の山岳道路

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2023.10.27

写真1 第二展望所から雲仙普賢岳を望む。(撮影場所は地図1参照)。

2023.10.27

写真1 第二展望所から雲仙普賢岳を望む。(撮影場所は地図1参照)。

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

島原半島の屋根にあたる雲仙岳の周辺を巡る、一方通行の山岳道路が珍しい仁田(にた)峠循環道路を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

島原半島の屋根にあたる部分を周回

長崎県雲仙市と南島原市にまたがる、雲仙天草国立公園にある延長8.2㎞の観光道路。2009年に無料化された展望道路で、走りながらどこからでも島原の眺めを楽しむことができる。春には峠にツツジが咲き、夏の緑、秋の紅葉、冬の霧氷と四季を通じてドライブが楽しめるのも魅力だ。ただし、春や秋の観光シーズンなどは展望台の駐車場が狭いために渋滞することもある。

平成新山を望む第二展望所

写真2 平成新山を望む第二展望所。駐車スペースが限られるため、観光シーズンは注意。(撮影場所は地図2参照)

道幅がタイトなため一方通行。全国的にも珍しい

全線舗装はされているが道は細く、タイトコーナーが連続するために、全国的にも珍しい一方通行になっている。対向車と出くわすことがない安心感はあるが、だからといってスピードを上げず、ゆっくり走って眺めを楽しむのがいい。島原市街地や島原湾から有明海まで一望する雄大な展望は感激ものだ。そして対岸の熊本市や遥か阿蘇の山並みが迫力のパノラマで楽しめる。

第二展望所から東を眺める

写真3 第二展望所から東を眺めると、島原湾越しに阿蘇山が見えることも。(撮影場所は地図3参照)

この道での最大の展望スポットは第二展望所で、下には島原湾があり、北には雲仙普賢岳の大噴火によって生成された大迫力の巨大溶岩ドーム(平成新山)がそびえ立つ。その先にある仁田峠は標高1,080mで普賢岳の5合目になる。雲仙温泉街を見下ろし目の前に普賢岳が見られる。この駐車場はかなり広く、ロープウェイで標高1,333mの妙見岳へ気楽に登ることができる。この付近は5月にはミヤマキリシマが一面に咲く。


ドライブルート 仁田峠循環道路(長崎県)

仁田峠循環自動車道路とも呼ばれる仁田峠循環道路は、道路幅の狭さなどもあって、反時計回りの一方通行になっているのも特徴。夜間は閉鎖される。平成新山や有明海など、沿道の風景も美しい。島原道路・長野ICからは約30km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

仕様:A4判・136ページ 定価:2,200円(税込み)
発行:JAFメディアワークス

地元の知る人ぞ知る国宝級の絶景景観を眺めながら泊まれる全国のキャンプ地を、エリア別に130か所以上紹介します。

「絶景」を著名カメラマン・キャンパー・インフルエンサーによる質の高い写真で彩りながら、絶景を天空・湖畔・岩壁・草原・山・離島・ビル群(夜景)などさまざまな見立てと、キャンプ地の魅力を季節・時間帯・視点等でまったく違う装いを見せる写真も同時に掲載しました。各キャンプ場の設備データに加え、300カットを超すボリューム感と「いつか行きたい」と思わせる質の高い写真で構成。写真集やエリア・キャンプ情報誌として書棚に飾りたい1冊です。

お買い求めは、全国の書店、ネット通販サイトをご利用ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles