写真1 浄土平の北から眺めた景色。植物が生い茂ることのない、荒涼とした雰囲気は特徴的。(撮影エリアは地図1を参照)

磐梯吾妻スカイライン(福島県)。雲の上を走る、国内トップクラスの山岳道路

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。今回は、紅葉を眺めながらドライブしていると、突如荒涼とした光景に変わる……。目まぐるしく光景が変わる磐梯吾妻(ばんだいあづま)スカイラインを走ります。

目次

日本離れしたスケール感のパノラマルート

磐梯吾妻スカイラインは、土湯峠と高湯温泉を結ぶ。雲の上を走るような日本離れしたスケールの絶景ドライブが楽しめるのが特徴である。日本でもトップクラスの山岳道路ではないだろうか。かつて有料道路だった名残で整備状態もよく、景色の変化に富んだ道路なので、ワインディングを楽しむというよりもゆっくりと自然の絶景を味わってみたい。

南側の入り口は土湯峠になる。ここの標高は1,240m、道はここからさらに上りはじめる。国見台や湖見峠あたりからは磐梯山や1888年の磐梯山噴火によってできた裏磐梯の湖がよく見える。やがてヘアピンコーナーの外側にある天風境(てんぷうきょう)のパーキングへ。この付近が南側の紅葉の中心となるだろう。山の斜面をまるで赤い壁のような紅葉が広がり、青い空と美しいコントラストを描き出している。

天風境付近

写真2 天風境付近。1959年に作家・井上靖が定めた「吾妻八景」のひとつでもある。(撮影エリアは地図2を参照)

さらに走ると、これまで走ってきた道や磐梯山を後ろに見ながらぐんぐんと標高が上がり、周囲が針葉樹林に変わる。ここがルートの最高地点で、標高は1,622m。この森を抜けると浄土平のレストハウスに着く。この先は風景が一変する。日本ではここでしか見ることができない荒涼とした風景が広がり、そこからは有毒ガスが吹き出している。少しずつ下りながらこの荒れ果てた世界に入っていく気持ちは、何ともいえない緊張感がある。

天狗ですら美しさに魅了されたとされる光景が広がる

天狗の庭付近

写真3 紅葉の時期には、天狗に会えるかもしれない?(撮影エリアは地図3を参照)

ここを越えて、右に遠く福島を見ながら紅葉の名所である「天狗の庭」に向かう。この付近は10月になると樹海が鮮やかな赤で彩られる。あまりの美しさに天狗が舞い降りて遊んだという言い伝えからその名が付いた景勝地だ。走りながら目の前に広がる紅葉の森が迫ってくるのは圧巻である。そして深い谷の不動沢を越えて高湯温泉へ下る。高湯温泉は吾妻山から湧き出る硫黄泉で、乳白色のお湯で知られている。


ドライブルート 磐梯吾妻スカイライン(福島県)

福島県福島市の高湯温泉と土湯峠とを結ぶ磐梯吾妻スカイラインは、延長約29km。日本初の山岳道路としても知られ、周囲の景観も広葉樹林や荒涼とした平原など目まぐるしく変わり、訪れる人を飽きさせない。夜間は通行止め。例年11月中旬から翌年4月まで冬季閉鎖となる。アクセスは、東北道・福島西ICから約29km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

仕様:A4判・136ページ 定価:2,200円(税込み)
発行:JAFメディアワークス

地元の知る人ぞ知る国宝級の絶景景観を眺めながら泊まれる全国のキャンプ地を、エリア別に130か所以上紹介します。

「絶景」を著名カメラマン・キャンパー・インフルエンサーによる質の高い写真で彩りながら、絶景を天空・湖畔・岩壁・草原・山・離島・ビル群(夜景)などさまざまな見立てと、キャンプ地の魅力を季節・時間帯・視点等でまったく違う装いを見せる写真も同時に掲載しました。各キャンプ場の設備データに加え、300カットを超すボリューム感と「いつか行きたい」と思わせる質の高い写真で構成。写真集やエリア・キャンプ情報誌として書棚に飾りたい1冊です。

お買い求めは、全国の書店、ネット通販サイトをご利用ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
日本の絶景ドライブルートの記事を地域別に探す
あなたのSNSでこの記事をシェア!