日本の絶景ドライブルート

北太平洋シーサイドライン(北海道)。 厚岸町から浜中町の区間は海岸段丘を走る、日本離れした道が続く

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2023.09.20

写真1 北太平洋シーサイドラインの涙岬付近(地図1)。

2023.09.20

写真1 北太平洋シーサイドラインの涙岬付近(地図1)。

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。今回は、全長300kmを超す北太平洋シーサイドラインのうち、厚岸町から浜中町の区間を走ります。崖になっている海岸沿いを走る、ダイナミックな道路です。

海岸を見下ろす丘の上を走る、変化に富んだ道

北太平洋シーサイドラインは十勝地方の広尾町から根室市のノサップ岬まで全長約321kmの海岸ルートの総称。シーサイドラインと言っても波打ち際を走るような道ではない。海岸沿いを走る変化に富んだ道で交通量も少なく、常に海を横に見ながら走る。

ここで紹介したいのは、北太平洋シーサイドラインのうち、道東の厚岸(あっけし)町から浜中町までの道道123号とそれに続く根室市初田牛(はったうし)までの道道142号である。

浜中町の琵琶瀬展望台付近

写真2 浜中町の琵琶瀬展望台付近(地図2)。

厚岸から琵琶瀬の展望台まで、日本離れした光景のなかを走る

北海道道123号の厚岸から琵琶瀬の展望台までは海岸線とはいえ切り立った高い崖の上に道がある。海を見下ろしながら走る日本離れした眺めは、外国の海岸線を走っているようだ。琵琶瀬にある展望台(地図4)はこの道の最大の見どころでもある。ここから眺める霧多布(きりたっぷ)湿原はまるで箱庭のように町まで続く。太平洋に浮かぶ船のように見える霧多布岬までも一望できる。

浜中町恵茶人(えさしと)付近。海岸段丘を望みながら道が延びている。

写真3 浜中町恵茶人(えさしと)付近。海岸段丘を望みながら道が延びている(地図3)。

道道142号に入るとさらに交通量が少なくなり、牧場地帯や湿原など変化に富んだドライブとなる。海を眺めながら走っているとやがて2019年に廃止になったJR根室本線の初田牛駅跡に着く。おすすめのルートはここで終わりだが、ここから東へ進めば根室本線に沿って落石岬から根室方面へ行くことができる。北へ向かえば国道44号に出る。


ドライブルート 北太平洋シーサイドライン(厚岸町~浜中町の区間)

全長約321kmの北太平洋シーサイドラインのうち、今回紹介するルートは約60km。森の中や草原、牧草地と、太平洋を横に従えながら沿道の風景がところどころで変わる。厚岸町側へは釧路外環状道路の釧路別保ICから約38km、初田牛駅跡へは根室市から約30km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

仕様:A4判・136ページ 定価:2,200円(税込み)
発行:JAFメディアワークス

地元の知る人ぞ知る国宝級の絶景景観を眺めながら泊まれる全国のキャンプ地を、エリア別に130か所以上紹介します。

「絶景」を著名カメラマン・キャンパー・インフルエンサーによる質の高い写真で彩りながら、絶景を天空・湖畔・岩壁・草原・山・離島・ビル群(夜景)などさまざまな見立てと、キャンプ地の魅力を季節・時間帯・視点等でまったく違う装いを見せる写真も同時に掲載しました。各キャンプ場の設備データに加え、300カットを超すボリューム感と「いつか行きたい」と思わせる質の高い写真で構成。写真集やエリア・キャンプ情報誌として書棚に飾りたい1冊です。

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須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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