日本の絶景ドライブルート

鳥海ブルーライン(秋田県・山形県)。海岸線から標高1,000m超まで一気に駆けあがる

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2023.09.13

写真1 沿線では、日本海まで見渡す眺めが楽しめる(地図1)。

2023.09.13

写真1 沿線では、日本海まで見渡す眺めが楽しめる(地図1)。

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。今回は、秋田県と山形県にそびえる鳥海山の8合目へ向けて、海岸線から一気に登る鳥海ブルーラインを走ります。

鳥海山の残雪や新緑、紅葉が楽しめるドライブルート

美しい稜線をもつため「秋田富士」「出羽富士」とも呼ばれる鳥海(ちょうかい)山。その5合目へ向かう観光山岳道路が鳥海ブルーラインだ。

5合目の鉾立付近

写真2 5合目の鉾立付近。空に向かって上っていくかのような道路が続く(地図2)。

秋田県にかほ市象潟(きさかた)町小滝から鳥海山5合目・鉾立(ほこだて)を経由し、山形県遊佐町吹浦に至る道路だ。見どころは、実は鳥海山ではなく眼下に広がる日本海の展望だ。象潟は松島と並ぶ景勝地として知られ、松尾芭蕉が訪れた最北の地としても有名。現在は田んぼのなかに小山が点在する風景だが、かつては田んぼは海で、入り江に島々が浮かぶ地形だった。

山形側から、夕日が日本海に沈む姿を望む

写真3 山形側から、夕日が日本海に沈む姿を望む。ここだから見られる雄大な光景だ(地図3)。

鳥海ブルーラインは以前、有料道路だったため、路面がよく整備されていて安全かつ快適に走ることができる。そして海抜0mの海岸から一気に1,000mを超える高さまで上る豪快さはたまらない。

鳥海山の影が日本海に届く“ 影鳥海”が見られることも

山形県側は4合目に大平展望台があり、このあたりからの展望は庄内海岸から酒田方面がみごと。秋田県側は5合目の鉾立展望台(写真4)やビジターセンターから日本海の雄大な眺めを楽しめる。特に日本海に沈む夕陽は格別。また山頂が海岸から15kmしか離れてないため、朝日を浴びた鳥海山が日本海に三角形のシルエットを映す「影鳥海」と呼ばれる現象があるが、なかなか見ることはできないようだ。


ドライブルート 鳥海ブルーライン(秋田県・山形県)

秋田県と山形県にまたがる鳥海山の中腹まで上る鳥海ブルーラインは、延長約34km。例年11月中旬から翌年4月までは冬季閉鎖となる。日本海東北道・象潟ICから秋田側の起点までは約3km。日本海東北道・遊佐比子ICから山形側の起点までは、約9km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

仕様:A4判・136ページ 定価:2,200円(税込み)
発行:JAFメディアワークス

地元の知る人ぞ知る国宝級の絶景景観を眺めながら泊まれる全国のキャンプ地を、エリア別に130か所以上紹介します。

「絶景」を著名カメラマン・キャンパー・インフルエンサーによる質の高い写真で彩りながら、絶景を天空・湖畔・岩壁・草原・山・離島・ビル群(夜景)などさまざまな見立てと、キャンプ地の魅力を季節・時間帯・視点等でまったく違う装いを見せる写真も同時に掲載しました。各キャンプ場の設備データに加え、300カットを超すボリューム感と「いつか行きたい」と思わせる質の高い写真で構成。写真集やエリア・キャンプ情報誌として書棚に飾りたい1冊です。

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須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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