中海堤防道路(島根県)。まるで湖の中を通っているかのような不思議な道
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、島根県と鳥取県の間にある中海(なかうみ)を仕切る堤防にある中海堤防道路を走ります。湖面と道路の高さに差がなく、まるで湖の中を道が走っているかのような錯覚に陥る、異世界につながるかのような道路です。
湖面と道路の高さの差がほとんどないのが中海堤防道路の特徴だ
中海は島根県と鳥取県の境界にある汽水湖で、東西に横たわる島根半島と北西から南東に細長く延びる弓ヶ浜によって日本海と区切られている。この中海のまん中を走るのが中海堤防道路で、正式名称は島根県道338号 美保関八束(みほのせきやつか)松江線。中海に浮かぶ大根島(だいこんしま)や江島(えしま)を結んで大海崎(おおみさき)から東へ向かうが、途中で東の境港へ抜けることもでき、松江から境港を直線的に結ぶルートにもなる。
直線の堤防道路が大根島へと向かう。大根島は約19万年前に噴火でできた火山島で、最も高い場所でも標高は42mと、火山島としては日本一低い。
南の大海崎と北の美保関側にパーキングがあり、この湖をゆっくり眺めることができる。おすすめは江島から北の区間で、橋と違う低い視線で湖を見ながらドライブできる。日本では数少ない眺めだろう。
湖面と道路の高さの差がほとんどないのが中海堤防道路の特徴だ。
CMなどで知られる「ベタ踏み坂」も近くにある
江島の中海堤防道路から東に折れるとほどなくしてあるのが、テレビCMで有名になった「ベタ踏み坂」と呼ばれる江島大橋だ。江島側から見るとその急勾配がよくわかる。ルートから少し外れるが、どれほどの勾配なのかは実際にドライブして確かめていただきたい。
ドライブルート 中海堤防道路(島根県)
中海堤防道路は、中海に浮かぶ大根島と江島を結びながらぐるっと弧を描く堤防の上に設けられた。波が立たない湖のためか堤防は低く、湖面と道路の高さの差が少ないため、浮き橋のような道となっている。松江市街からは県道260号経由で約12km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape