霧ヶ峰の大草原を進む山岳道路! 長野県・ビーナスライン

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、長野県の白樺湖から霧ヶ峰までの景勝ルートのひとつである、ビーナスラインを走ります。

見渡す限りの山々と高山植物が迎えてくれる観光道路

長野県の茅野(ちの)市街から白樺湖を越えて美ヶ原まで、信州を代表する観光道路であるビーナスラインは全長76.5kmとかなり長い。そのため、それぞれの場所で変化に富んだいろいろな眺めが楽しめる。
展望が最もいいのは白樺湖から霧ヶ峰間で、緑一面の草原の中を走り抜ける道は適度に曲がり、走っても楽しい。そして、途中の霧ヶ峰富士見台からは八ヶ岳、富士山、南アルプス、御嶽山、北アルプスと中部地方の主だった山がすべて見渡せる。

蓼科(たてしな)山と白樺湖もビーナスライン沿いから眺めることができる。

蓼科(たてしな)山と白樺湖もビーナスライン沿いから眺めることができる。

霧ヶ峰は高原の代名詞のようにイメージされる。明るい開放感ある緑の草原を、6月はレンゲツツジが燃えるような朱色で染めていく。それが終わると7月には黄色いニッコウキスゲが草原を覆い尽くすように咲き揃う。
霧ヶ峰から和田峠への途中には八島ヶ原湿原があり、湿原散策が楽しめる。

霧ヶ峰富士見台周辺の登山道を登ると、中部地方の主だった山が見渡せる。

ニッコウキスゲのシーズンは一面にオレンジ色の花が広がっている。

ニッコウキスゲはユリ科の多年草で、中部地方より北の高原などに咲くオレンジ色の花。花は昼に開き1日でしぼむ。ここ霧ヶ峰では毎年7月20日前後に満開を迎える。花は車山から霧ヶ峰までかなりの広範囲に咲く。


ドライブルート ビーナスライン(長野県)

ビーナスラインの名称は1968年に霧ヶ峰有料道路が開通した際に有料道路全線の愛称募集から選ばれた。そんなビーナスラインへは中央自動車道の諏訪ICから国道20号を進み、国道152号へ約20km進むと白樺湖に到着する。白樺湖から県道40号へ進み、約39km先の美ヶ原高原へ向かうルートだ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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