雪の回廊は春ならではの楽しみ
蔵王エコーライン
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、高さ10mに迫る迫力の雪の回廊を眺めながら、蔵王(ざおう)エコーラインをドライブします。
蔵王連峰を東西に走るこの道は紅葉の名所として知られているが、その他にも数多くの絶景を楽しむことができる。山形県側は高原地帯で春の新緑や秋の紅葉が美しいが冬の樹氷でも有名だ。宮城県側には不動滝、地蔵滝、不帰(かえらず)の滝など滝が多く、駒草平は太平洋まで見わたせる眺望がある。そして最高所の刈田(かった)峠から蔵王ハイラインを利用して刈田岳山頂まで行けば、五色岳の火口湖である御釜の神秘的な姿を見られる。
白い雪と青い空のコントラストが目を引く、蔵王エコーライン
もう一つ春の蔵王の見どころが冬期閉鎖から再開通する頃に見られる雪の回廊。除雪作業の終わった道の両側には雪の壁が残る。これが雪の多い年には9mにもなり、この中を走ることができる。時期は冬期閉鎖が解除される4月下旬~5月中旬頃までで、暖かくなると雪は少しずつ解け、壁の高さは少しずつ低くなっていく。
季節が進むにつれて、次第に雪は少なくなっていく。蔵王エコーラインの新緑はもうすぐだ。
また蔵王は温泉でも有名。蔵王温泉大露天風呂や3つの外湯があり、日帰り温泉があるので気軽に立ち寄るのもいい。
データ
通行止め等によって、迂回ルートを案内することがあります。
蔵王エコーラインは、蔵王連峰を東西に横断しながら宮城県と山形県をつなぐ全長約26kmの山岳道路。雪の回廊だけでなく、夏は新緑、9月下旬から10月下旬にかけては紅葉とともにドライブが楽しめる。毎年11月初旬~4月下旬までは冬期通行止めになるので注意。アクセスは、仙台市から国道48号、県道31号、国道286号などを経由して約41km、山形市からは国道13号、県道12号などを経由して約23km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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