最高速度210km/h! S20型エンジン搭載「フェアレディZ432」が示した国産スポーツカーの実力
高性能なZ432、扱いやすい240Z。初代Zは日本人に「走る楽しさ」を広めた象徴だった初代フェアレディZは、国産スポーツカーの新時代を切り開いた名車。1971年には堅牢で信頼性が高いL24型エンジンを搭載した240Zが加わり、初代Zとともに走りを楽しむという新しいライフスタイルを日本社会に広げた。
【1969年10月18日】
走りが楽しい初代「フェアレディZ」(S30型)発表!
大型ウイングドアや印象的なリアコンビネーションランプ、黒塗りのパネルフィニッシュの採用などで、力強く安定感のあるリアスタイルを実現。写真はZ432(1969年)
日産の初代フェアレディZ(S30型)は、高速道路網の整備とモータースポーツの隆盛を背景に、「高性能車への強い要望」に応えるべく開発された本格スポーツカーである。
国内販売のグレード展開は、Z、Z-L、Z432の3種類。Zはベースモデルで4速MT、上級仕様のZ-Lは5速MTを搭載し、AMラジオ付きカーステレオや助手席フットレストなど装備を充実させていた。
搭載エンジンは、ZとZ-Lが2L直列6気筒OHCのL20型(130PS)。Z432はレーシングカーのR380で培われた技術を投入したユニットを市街地向けに改良した2L直列6気筒DOHC4バルブのS20型(160PS)を積んだ。S20型は当時の国産車として突出した高回転・高出力エンジンであり、Z432は最高速度210km/hを誇るハイパフォーマンスモデルだった。
サスペンションは前後ともストラット式独立懸架を採用し、操縦性・安定性・乗り心地を高いレベルで両立。前輪ディスクブレーキやコラプシブルステアリング、3点式シートベルトなど安全装備も充実し、量産スポーツカーとして世界水準を目指した設計がうかがえる。
翌1971年には、北米市場で先行販売していた「フェアレディ240Z」の国内発売がスタート。240Zに搭載されたL型系エンジン(L24型)は堅牢な構造で耐久性が高く、静粛性にも優れていた。さらに整備性に優れ、排気量アップや吸排気チューニングなど改造の余地が広いことから、240Zは多くの自動車ファンから人気を集める。
初代フェアレディZおよび240Zは、スタイルと性能、安全性を兼ね備えた国産スポーツカーとして、「本格スポーツカーを所有し、走りを楽しむ」という新しいライフスタイルを日本社会に広げたモデルなのである。
【PS30型 日産フェアレディZ432】
●全長×全幅×全高:4115×1630×1290mm ●ホイールベース:2305mm ●車両重量:
1040
kg
●搭載エンジン:S20型(1989cc 水冷直列6気筒DOHC)
室内は黒一色で統一され、スポーツムードと豪華さを両立。大型タコメーターを中心にした計器配置、厚いパッドで覆われたインストルメント、集中配置されたスイッチ類など、安全性と操作性を重視した設計が特徴だった(写真は1971年式の240Z)