実は行楽ライダーより多い!? 通勤・通学・業務ライダーに多発するバイクトラブルとは?
#23 バイクに多いトラブルと防止策とは?JAFロードサービスによるバイクの救援要請は、年間9万6000件超。その出動理由で最も多いのはクルマと同様に「バッテリー上がり」だった。さらに、高速道路では燃料切れ(ガス欠)が最多トラブルに。JAFロードサービス隊員への取材から、通勤・通学・業務ライダーに多いトラブルや日常点検のポイントを紹介する。
教えてくれたのはこの隊員!
大阪支部ロードサービス隊 城南基地
野原弘規(のはら・こうき)隊員
【趣味・特技】 ロードサービス
【好きな言葉】 正範語録(せいはんごろく)
【好きな食べ物】 焼き魚
【休日の過ごし方】 子育てで一日が終わります……
冬場はやや減るものの年間を通じて出動件数に大差なし!
バイクの救援要請で最も多いのは、クルマと同様にバッテリー上がりですが、高速道路では燃料切れにも注意してください(野原隊員)
──バイクの救援要請もバッテリー上がりがトップ?
2025年度の二輪車(バイク)の救援件数は年間9万6032件ありました(一般道が9万3732件、高速道路が2,300件)。
春や秋の行楽シーズンは、バイクに乗る人が増えるので、救援要請が増える印象があります。ただ、バイクは通勤や通学、配送などの業務でも使用されている場合も多く、年間を通じて月に8,000件前後の救援要請があります。
トラブルの内容はほぼクルマと同様で、出動理由のトップは「バッテリー上がり」で2万8747件、2位は「タイヤのパンク、バースト、空気圧不足」で1万3411件となっています。ただし、高速道路に限って見ると、「燃料切れ(ガス欠)」が420件と圧倒的に多くなります。
──救援要請が多くなる時間帯や天候はありますか?
特に都市部では通勤や通学、配送などで使用されるケースが多いので、朝や夕方の救援要請が多くなっています。
また、趣味でバイクに乗られる人は、雨が降ったら乗らないケースが多いですが、通勤・通学や仕事で使用される人は雨の日でも乗られるので、都市部ではそういう人のバイクのトラブルが増える傾向にあります。
趣味で乗る人より通勤・通学や仕事で乗る人のトラブルが多い!?
通勤や通学、仕事などで毎日バイクを使用している場合は、後輪の摩耗具合をこまめに点検してください。特に車検のない250cc未満のバイクは点検する機会がないため、摩耗していることに気づかないこともありますのでご注意ください(野原隊員)
──使用目的でバイクの状態が違うって本当ですか?
バイクは普段の使用目的や使用頻度によって、トラブルにより救援要請をされる頻度がかなり違ってきます。通勤・通学や仕事で毎日使用されている人のほうが、救援要請が多くなっています。
年に数回、行楽シーズンに乗られる人にとってバイクは嗜好品(しこうひん)で、丁寧に管理されている人が多いですね。一度の走行距離が長いこともあり、事前の点検や準備をしっかり行うケースが多いため、比較的トラブルは少ない印象です。
逆にほぼ毎日バイクに乗られる人は「道具」という感覚が強く、メンテナンスを後回しにしてしまう人も見受けられます。
──車検のない250cc未満のバイクはパンクに注意!
パンク、バースト、空気圧不足といったタイヤのトラブルは、一般道、高速道路ともに2番目に救援要請が多くなっています。
パンクの場合は、異物を踏んでのパンクのほか、駆動輪(後輪)の摩耗によって擦り切れてエアーが漏れるケースが多くあります。特に250cc未満のバイクは車検での定期点検がなく、タイヤの摩耗が限界を超えていることに気づかないことが多いので、日常点検での確認が重要です。
──そのほかに注意すべきバイクのトラブルは?
バイクでもクルマと同様にキーの閉じ込みのトラブルが発生しています。特にメットイン機能(ヘルメットをシート下に格納できる機能)のあるスクータータイプは、ヘルメットや上着などと一緒にキーを入れてしまうケースも多いので注意してください。
また、近年は盗難防止のため鍵穴部分を隠すためのシャッターキーを装備するバイクも増えています。シャッターを開けるための専用ツールが必要になりますが、その専用ツールを紛失したり、携帯し忘れたりすると、エンジンを始動できなくなるため注意してください。
高速道路では燃料切れ(ガス欠)に注意してください。現場ではバイクの排気量や交通状況、バイクに残っている残量などから判断して適切な補充量をおすすめしています。JAF会員でもガソリン代は別途いただくことになりますので、燃料切れにならないよう早めの給油を心がけてください。
JAF独自の二輪アタッチメントで迅速かつ安全な作業が可能に!
JAFはレッカー車でバイクのけん引ができる日本初の「二輪アタッチメント」を2022年に独自開発し、全国に順次導入しています。私は二輪アタッチメントが導入されてから現在まで、100件近くバイクのけん引を実施しています。
この二輪アタッチメントの導入により、バイクの救援作業が迅速かつ安全に行えるようになり、お客様に喜ばれることが多くなりました。また、独自のけん引方法を採用しているため、救援要請されたお客様も興味津々。作業の一部始終を見られるので緊張もしますが、より安全かつ丁寧に、そして迅速に作業ができるよう日々心がけています。
二輪アタッチメントが導入されたことで、お客様をお待たせする時間も短縮でき、バイクの救援作業が迅速かつ安全に行えるようになりました(野原隊員)