BEVの救援要請1位はタイヤのトラブル、2位は補機バッテリー上がり、電欠は3位!
#16 電気自動車のトラブルと予防策大都市圏をはじめ街中で目にすることが多くなってきたBEV(電気自動車)。国産車だけではなく輸入車も含めると、かなり日常的に見かけるようになってきました。充電施設の数も増えて利用しやすくなっていますが、電欠による救援数は減っているのでしょうか? 今回はいまどきのBEVのトラブルについて、JAFロードサービス隊員に教えてもらいました。
教えてくれたのはこの隊員!
香川支部ロードサービス隊 高松基地
藤井直人(ふじい・なおと)隊員
【趣味・特技】 ライブ参戦(B’z)、一眼レフカメラ
【好きな言葉】 We'll be alright
【好きな食べ物】 白米
【休日の過ごし方】 家でのんびり猫と戯れる
BEVの販売台数が増えたことで救援要請の件数も増えている!?
──BEVのJAFへの救援要請は年間どのくらい?
バッテリーの性能向上や充電スポットの増加などで、駆動用の電池が切れる「電欠」による救援要請は少ないのが現状です(藤井隊員)
JAFのロードサービス救援データ(一般道路・高速道路の全国合計)では、BEVの救援件数は、2023年度に8,625件ありました。2024年度の救援件数は約800件増の9,419件となり、BEVの販売台数の伸びと同様に救援件数も引き続き増加傾向にあります。2025年度は4月から12月までの9か月で7,917件となっています。
2024年度のデータでは、BEVの救援要請の内容で最も多いのは「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」で全体の約31%、次に「補機バッテリー上がり」で約20%、3番目が「BEVの駆動用電池切れ」、いわゆる「電欠」で約11%という順になっています。
──BEVの電欠によるトラブルは減っている?
前述のように、救援要請の約半分がタイヤのトラブルと補機バッテリー上がりで、電欠による救援要請は、みなさまが想像されているより少ないかもしれません。これは駆動用バッテリーの性能向上をはじめ、充電スポットの増加、さらに利用者の意識向上などが影響しているのではないでしょうか。
2024年度の電欠による救援件数は全国で1,049件。JAFでは充電機材を搭載したサービスカーを全国17都道府県に配備して対応していましたが、2025年12月より全国47都道府県に配備を拡大しています
。
──補機バッテリーが上がっても走行できなくなる!?
駆動用のバッテリーのほかに、ライトやワイパーなどを動かすための補機バッテリーが装備されています。この補機バッテリーが上がってしまうとシステムの電源が入らずクルマが動かなくなってしまいます(藤井隊員)
BEVは駆動用のバッテリーが充電されていても、補機バッテリーが上がってしまうとシステムが起動できず、結果として走行不能になります。救援要請を受けて現場に行くと、ご自宅で充電器に接続しているのに、補機バッテリーが上がっていて起動しないというケースが結構多くあります。
お客様からは自宅で毎日充電しているのに、なぜ補機バッテリーが上がってしまうのかという質問もありますが、一部の車種を除きBEVはシステムがオフになっているときに駆動用バッテリーに充電しても、補機バッテリーには充電されないようになっています。そもそも補機バッテリーがあることを知らない方もいらっしゃいます。
最も多いのはタイヤのトラブル! BEVでも日常点検は必須
──タイヤはBEVもガソリン車も同じ。点検は必須!
BEVの救援要請で最も多いのがパンクやバーストなどタイヤ関連のトラブルです。残り溝の深さや異物の有無、ひび割れなどは目視でも確認できますので走行前にチェックしておきましょう(藤井隊員)
繰り返しになりますが、BEVで最も多いのはパンクやバーストなどタイヤのトラブルです。装着しているタイヤも特殊なものではなく、ガソリン車などと同様(サイズは車種ごとに異なる)です。使用状況により摩耗しますし、経年劣化もします。もちろん、路上の異物を踏んでパンクすることもあります。BEVは電気関係のトラブルに気を取られがちですが、日常点検でタイヤの状態を確認しておくことが重要です。
とはいえ、駆動用バッテリーの残量には要注意!
BEVの「電欠」によるトラブルは少ないとはいえ、電欠してしまうとクルマが動かなくなり、場所によっては大変危険な状況になることもあります。そのため、走行中はメーター内などに表示される「電池残量」や「航続可能距離」をこまめに確認するようにしてください。とくに山間部や立体駐車場など上り坂を走ることが多い場合は、思った以上に電気の減りが早くなりますので、早めに充電するようにしてください。
トラブルの件数としては少ないものの、やはりBEVは電欠が気になるところです。走行中はこまめに電池残量を確認しつつ、残りが少ない場合は上り坂に注意して早めの充電をお願いします!(藤井隊員)