冬の朝にエンジンがかからない!? JAFロードサービス隊員が教えるバッテリー上がりの原因と予防法
#15 冬のバッテリートラブルと対処時の注意点寒い冬の朝、クルマで出かけようと乗り込んでエンジンをかけようとしても、ウンともスンとも言わず、エンジンがかからない……。こんなバッテリー上がりを経験した人も多いのではないでしょうか? 気温が下がる冬場は電池類にも厳しい季節。今回は冬場のバッテリー上がりについてJAFロードサービス隊員に聞いてみました。
教えてくれたのはこの隊員!
香川支部ロードサービス隊 高松西基地
宮岡拓夢(みやおか・たくむ)隊員
【趣味・特技】 ライブ参戦(ちゃんみな、HANA)
【好きな言葉】 Pain is beauty
【好きな食べ物】 味噌ラーメン
【休日の過ごし方】 子どもと一緒に遊ぶ
冬場というよりは、秋くらいから増えるので早めに点検を!
──バッテリー上がりは年間を通じ最も多い救援要請!
バッテリー上がり(過放電バッテリー)はJAFのロードサービス出動理由のなかで最も多く、2024年度は全体の約42%を占めるトラブルです(一般道路と高速道路、四輪・二輪の合計)。バッテリー上がりの救援要請は、夏場・冬場ともに多い傾向にあります。件数自体に大きな差はないものの、電池類は低温の影響を受けやすいため、冬場はより一層の注意が必要です。
2024年度の年末年始(2024年12月28日~2025年1月6日まで/一般道路のみ、四輪・二輪の合計)の救援要請では、バッテリー上がりが最も多く、34,319件で全体の約42%を占めています。ちなみに2024年度のお盆時期(2024年8月10日~19日まで/一般道路のみ、四輪・二輪の合計)のバッテリー上がりの救援要請数は、21,000件で全体の約30%でした。ただ、夏・冬というよりは、秋から冬(11月~3月くらい)にかけてバッテリー上がりが起こりやすくなりますので、冬前の点検をおすすめします。
──週に1回くらい近場での買い物に使うような場合は要注意!?
比較的年式の新しいクルマでもバッテリー上がりは起こります。特に短距離での使用が多い場合には注意が必要です(宮岡隊員)
香川県は面積が日本で一番小さな県なので1回の移動距離が短くなるケースも多く、さらにクルマを動かすのは週末に近くのスーパーへの往復だけという方もいらっしゃいます。そのような使用状況が続くと、エンジン始動時に使用する電気量がバッテリーに充電される電気量よりも多くなり、バッテリー上がりが起きやすくなってしまいます。使用状況によってはクルマの年式が新しくてもバッテリー上がりが発生しますので、納車されて 1 年未満の新車でも季節ごとの点検が効果的な予防法です。
──原因の定番「ルームランプの消し忘れ」にご注意!
JAFではお客様の承認を得てOBDⅡでの点検を実施しています。点検により警告灯の点灯理由などもわかるので、お客様に安心していただけることも多いですね(宮岡隊員)
バッテリー上がりは、クルマの使用状況だけではなくルームランプの消し忘れなどのケアレスミスが原因で起こることも多くあります。ワンボックスタイプのミニバンなどは、後部座席に乗っていたお子さまが後部座席側のルームランプをつけてそのまま消し忘れたり、運転席から見えないバックドアのランプがついていてバッテリーが上がってしまうこともあります。
また、最近のクルマは電子制御化が進んでいるため、バッテリーが上がるといろいろな警告灯がつくことがあります。JAF ではお客様の許可をいただいてOBDⅡ(故障診断機)を用いて点検を行い、より正確な原因をお伝えするようにしています。バッテリー上がりが原因とわかってホッとされるお客様も多いですね。
冬はバッテリー上がりではなく「プラグかぶり」も多くなる!
──バッテリー上がりと思いきや、全然違う原因もある?
OBDⅡによる点検である程度まで不具合箇所が絞り込めるため、エンジン不始動の原因がプラグかぶりと推測することもできる
急に気温が下がり寒くなると、点火プラグが気化しきれなかったガソリンで濡れてエンジンがかからなくなる「プラグかぶり」のトラブルが多くなります。「バッテリー上がりでエンジンがかからない」という救援要請で点検してみると、バッテリーには異常がなく、プラグかぶりが原因というケースもあります。寒さによって気化しきれなかったガソリンが霜のようにプラグまわりに付着して、正常に火花が飛ばないことが主な原因です。
また、最近はスマートキーが多くなっていますが、スマートキーの電池が切れている場合もエンジンがかからないため、バッテリー上がりと勘違いされることが多いですね。
バッテリーが上がってしまった場合の注意点
最近のクルマは電気系統が非常に複雑化しています。電装品の作動だけでなく、さまざまなセンサー制御にも関わっているため、バッテリー上がりが発生すると、応急始動時に特殊な手順が求められる車種も増えてきています。
たとえば、マイナス端子のアース接続場所が指定されている場合や、ポータブルバッテリーの接続が禁止されている場合など、対応方法は車種によってさまざまです。そのため、万一に備え、ご自身のクルマの取扱説明書を事前に確認しておくことをおすすめします。
JAFでは新品バッテリーの販売も行っています。サイズや仕様が合うバッテリーがあれば、救援作業の際に新品に交換可能です(宮岡隊員)