豪雨時に危険な場所はアンダーパス! 水深が浅いと思っても進入しないのが鉄則!
#09 豪雨によるトラブル防止策近年、狭い範囲で短時間に大量の雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨(局地的大雨)が全国各地で頻繁に発生している。豪雨時は激しい雨で周囲が見えなくなり事故や落輪などが起きやすく、クルマが浸水して動けなくなるトラブルも発生している。今回は、そんな豪雨によるトラブルを防ぐ方法をJAFロードサービス隊員に聞いてみた。
教えてくれたのはこの隊員!
広島支部ロードサービス隊 広島基地
高田 晃(たかた・あきら)隊員
【趣味・特技】 スポーツ観戦、温泉巡り
【好きな言葉】 ファイトなきものは去れ、努力は一生
【好きな食べ物】 お好み焼き
【休日の過ごし方】 読書
豪雨による災害は6月~9月頃に集中している!
──豪雨によるJAFへの救援要請はどのくらい?
中国エリアでは、やはり2018年6月末~7月上旬にかけて発生した西日本豪雨による被害が記憶に残っています。2018年の西日本豪雨災害では、広島市内をはじめ中国エリア全体が甚大な被害を受けました。その際は全国からJAF特別支援隊が派遣され、特別支援隊だけで485件の救援作業を行いました。
豪雨が発生しやすいのは、積乱雲が発達しやすい6月~9月くらいまでの時期です。JAF特別支援隊の過去の記録でも、豪雨災害による出動はほぼ6月~9月に集中しています。
豪雨の際は浸水だけでなく事故やパンクにも注意!
──豪雨時の運転で注意すべきポイントは?
豪雨時にやはり注意したいのが、構造的に水が溜まりやすいアンダーパスです。また、地下駐車場や半地下の構造になっている駐車場など、低い場所も浸水しやすいので気を付けてください。
さらに、激しい雨で道路のセンターラインや縁石が見えにくくなるため、接触事故や縁石に接触してパンクなどが起きやすくなります。また、大量の雨水によって側溝に落ち葉が詰まり、見えにくくなった側溝に落輪してしまうケースもあります。
2018年の西日本豪雨以降、中国エリアでは道路の排水機能が向上し、危険箇所を知らせる表示が増えています。また、豪雨に対するドライバーの危機意識も向上しているように思います(高田隊員)
──ここ数年の中国エリアでの浸水によるトラブルの状況は?
ニュースなどで浸水したクルマの映像が流れ怖い思いをしますが、ここ数年は中国エリアで豪雨の発生が少なかったこともあり、浸水によるトラブルは少なくなっています。
中国エリアでは2018年の西日本豪雨以降は、特に浸水しやすいアンダーパスなどに水深や危険度の表示のほか警告灯を付けるなど注意喚起が行われています。また、道路自体の排水機能も向上しているようで、道路が冠水するケースも少なくなっているようです。
さらに、いち早く避難したり冠水しやすい場所を避けるなど、ドライバーに対する情報提供が浸透してきたことも、車両が浸水してしまうトラブルが減っている要因ではないでしょうか。
「浅そうだから大丈夫」という思い込みから廃車になるケースも!
──水深が浅くても走行不能になることがある!?
クルマが浸水してしまうと電気系統がショートして、エンジンが止まってしまいます。「床まで浸からなければ大丈夫」と思っている方も多いのですが、膝下くらいの水深でも撒き上げた水がエアインテーク(エンジンに空気を送り込むための吸気口)からエンジンに入り、エンジンが止まってしまうケースもあります。また、夜間だとクルマのライトが水に反射してさらに水深がわかりにくくなるため、冠水路には入らないようにしてください。
水没してしまったクルマは、ほぼ廃車になります。「このくらいなら大丈夫だろう」と思って冠水路に入ると、廃車など最悪の事態になることも。やはり「入らない」ことが一番のトラブル防止策といえるでしょう。
車種によってエアインテークの形状も位置も異なります。セダンなどボンネットが低めの車種はエアインテークの位置も低い場合があるので水深が浅くても要注意(高田隊員)
冠水路での走行を検証したJAFユーザーテストはこちら!
豪雨によるトラブルを未然に防ぐ方法は?
豪雨のときは周囲が見えにくくなるため、速度を抑えて走行することはもちろん、ヘッドライトをつけるなど他車へのアピールも重要です。また、なるべくクリアな視界を確保するためフロントガラスの油膜を除去しておくのも良い方法です。豪雨はいつどこで発生するかわかりません。天候が怪しいと感じたら気象情報に注意して、早めに避難することを心がけてください。もちろん、冠水路にはむやみに入らないことが重要です!
クルマのトラブル、JAFにおまかせ!の記事一覧
真夏の渋滞はバッテリーにも過酷な状況!?
2025.06.30
雨の夜間走行は特に左側の落輪に注意!
2025.05.30
子供の車内閉じ込めによる熱中症に注意!
2025.04.30ゴールデンウィークの高速道路はパンクに注意!
2025.03.30
JAFによる救援件数が最も多いバッテリー上がり! 気温が低い冬場や春先は要注意!
2025.02.28
電気自動車(EV)のバッテリーが残りわずかな場合は、無理せず安全な場所に止めて救援要請を!
2025.01.30
数cmの積雪で大混乱!? 都市部で雪が降った場合はここに注意!
2024.12.30