子供の車内閉じ込めによる熱中症に注意!|クルマのトラブル、JAFにおまかせ!

春から初夏も熱中症に注意! 子供を車内に残したままクルマを離れるのは危険!?

#06 子供の車内閉じ込めと熱中症への対策

子供を車内に残したままキーを閉じ込んでしまい、JAFに救援を要請するケースは結構多い。JAFが行った実験では春先から初夏にかけての過ごしやすい気温でも、日なたに駐車した車内の温度はわずか10分程度で30℃を超え、車内の子供が熱中症になる危険性が高いため注意が必要です。

目次

教えてくれたのはこの隊員!

JAF大阪支部ロードサービス隊堺基地 慶山隊員の顔写真

JAF大阪支部
ロードサービス隊堺基地
慶山大樹(けいやま・だいき)隊員


【趣味・特技】 ゴルフ
【好きな言葉】 鴨がネギ背負ってやってくる
【好きな食べ物】 アスパラベーコン
【休日の過ごし方】 11月に生まれた娘のご機嫌取りをしていると終わります。

過ごしやすい春先や初夏でも車内での熱中症に注意!?

―――子供が車内に閉じ込められるケースはどのくらいある?

気温が上がると注意したいのが車内での熱中症です。外気温が高い夏場はもちろんですが、過ごしやすい気温の春先から初夏にかけても、車内で熱中症になる危険性が高まるので十分注意が必要です。特に乳児や幼児を乗せている場合は、子供を車内に残したままキーを閉じ込んでしまわないよう気を付けてください。

2023年8月1日~8月31日の1か月間にJAFロードサービスが出動した「キー閉じ込み」の救援のうち、「子供やペットが車内に残されたままだった」ケースは、全国で71件(子供:35件、ペット:36件)ありました。私も年に数回は救援することがあります。原因は電子キーの誤作動などさまざまですが、「子供が誤ってキーのロックボタンを押してしまった」というケースもありますので、キーはしっかりと携帯するようにしてください。

―――子供の車内閉じ込みはどんなケースが多いですか?

子供の車内閉じ込みのトラブルは、保育園の駐車場やガソリンスタンドのほか、スーパーや飲食店の駐車場など、日常的に子供をクルマに乗せて外出する場所で発生しています。自宅の駐車場は意外に少なく、ほぼ外出先で発生している印象です。閉じ込められる子供の年齢は2歳くらいまでが多いと思います。閉じ込められたお子さんは、不安や不快から泣いてしまうことも多く、さらに具合が悪くなったりするので要注意です。

子供の車内閉じ込めのトラブルが起きるのは、お母さんと子供が2人でいるときに多く、お母さんが子供をチャイルドシートに座らせてから運転席に乗り込もうとした際に、何らかの原因でロックされてしまったり、前述のように子供が誤ってキーのロックボタンを押してしまうこともあります。

人命にかかわるため迅速な作業が求められます!

―――ロック解除の作業時間はどのくらいですか?

JAFロードサービス隊員は、さまざまなキー閉じ込みに対応できるよう日々研修や訓練を重ねています。一般的な国産車であれば10~15分程度でロックを解除できますが、最近では鍵穴が隠されている車種も多く、作業が難しいケースも増えています。

子供が閉じ込められている現場は、人命にかかわることもあるため非常に緊迫しています。消防のレスキュー隊も見守るなかでの作業が多いため、我々も緊張します。鍵開けの作業が難航し車内の子供の体調が良くなかったので、レスキュー隊と相談して窓ガラスを割って救出したことが過去に1回だけありましたが、毎回緊張する作業です。夏場のガソリンスタンドでは、少しでも温度が下がるようにクルマの上から水をかけながら作業をしたこともありました。

キーロック解除の作業を行うJAFロードサービス隊員

関西地区のJAFが独自に実施した鍵開けの技術を競う大会「Key-1(キーワン)グランプリ」に出場している慶山隊員でも、子供が車内に閉じ込められている状況は毎回緊張するとのこと

高速道路上で救援を待つ間も熱中症には要注意!?

―――大人でも熱中症に注意すべきケースはありますか?

キー閉じ込みの救援要請ではありませんが、「高速道路で走行中にクルマが止まってしまった」という救援要請を受けて現場に行くと、救援要請をされた方がクルマの横で路上に倒れていたり、ぐったりとした状態になっていることもありました。初夏から夏場は、大人でも直射日光の当たる屋外にいると熱中症になることがありますので注意が必要です。

高速道路の本線上では手持ちの飲料水がない場合は水分補給が難しいため、高速道路を走る場合はペットボトルなどの飲料水を用意しておきましょう。車両トラブルの際には車外で待機することも多いため、日差しを避けられる帽子や日傘なども用意しておくといいでしょう。

子供の車内閉じ込みや熱中症の防止対策は?

まずキーの閉じ込みを防ぐために、キーを常に携帯することを心がけてください。電子キーは誤作動することもあるため、車内にキーを置いた状態でクルマを離れるのはやめましょう。また、電池残量にも注意して、早めの交換をおすすめします。

熱中症対策としては、フロントガラスなどにサンシェードを設置するなど車内温度が上がらないように工夫しましょう。駐車する場所もなるべく日陰に停めるなどの対策も有効です。

サンシェードを装着している慶山隊員

日差しが強い場所に駐車する場合は、サンシェードを活用するなど、なるべく車内温度が上がらないような工夫をしよう

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