電子キーでも閉じ込みは起こる!? 電池切れやバッグに入れたままは要注意!
#01 電子キー閉じ込みの防止法JAFロードサービスの出動件数は、年間226万件以上(2023年度)。何と13.9秒に1件の割合で出動しています。そんなに多く発生しているクルマのさまざまなトラブルについて、現役のJAFロードサービス隊員に対処法や防止方法を聞いてみました。今回は電子キーが普及してもなかなか減らない「キー(鍵)の車内閉じ込み」について、隊員が実際に経験した数々の救援エピソードから、トラブルの傾向と対策を紹介していきます。
電子キーが増えても救援要請は年間12万件以上
安全装備や快適装備など、クルマの技術は日々進化しています。キーもその一つ。最近では、キーを携帯していればドアの施錠・解錠やエンジンの始動が行える電子キーが主流となっています。さらに、車内にキーを置いたままクルマを離れると警告音が鳴る機能が付いている車種も増えていますが、キー閉じ込みの救援要請はなかなか減らず、2023年度は年間12万件以上の出動がありました。
キー閉じ込みによる救援内容はさまざまですが、電子キーだからといって油断は禁物です。今回はJAF東京支部の齋木隊員に、電子キー閉じ込みの現状と注意点を教えてもらいました。
教えていただいたのはこの隊員!
JAF東京支部
東東京ロードサービス隊港基地
齋木 隆太(さいき・りゅうた)隊員
【趣味・特技】 釣り
【好きな言葉】 海老で鯛を釣る
【好きな食べ物】 寿司、ラーメン、焼き肉
【休日の過ごし方】 のんびりドライブ、キャンプ
雨の日は要注意! 内蔵電池の消耗によるトラブルも多い
――電子キーでも閉じ込みが発生するのはなぜですか?
電子キーはキー(鍵)側から発せられる電波をクルマ側が検知して作動します。キーが助手席や後部座席など、運転席から少し離れた場所に置かれているとクルマ側が電波をうまく検知できず、「キーが車内にない」と判断し、ドアを閉めたときにロックされてしまう場合があります。また、トランクやバックドアをキーのボタンを押して開け、荷物と一緒にキーを荷室に入れてしまい、そのまま荷室のドアを閉めて閉じ込めてしまうケースもあります。
そのほか、電子キーに内蔵されている電池が消耗していることで、電波を検知できずロックされてしまうこともあります。また、車内にキーを置いたままドライバーが外に出たときに、車内のペットや子供が知らずにドアロックスイッチを押してしまうケースなども発生しています。
――キーの閉じ込みのトラブルには、どんな傾向がありますか?
キーの閉じ込みは、慌てているときに発生しやすい傾向があります。たとえば雨天時などは雨に濡れるのを避けようと、急いで乗り降りをするシーンが多いので注意してください。また、女性はキーをバッグに入れて助手席や後席に置くケースが多いので、電波が正常に検知できず、バッグを持たずクルマから降りたときに閉じ込めてしまうことが意外に多い印象です。
また、内蔵されている電池は2~3年で消耗するため、新車登録から3年が経過したころは電池切れを起こしやすいタイミングです。電子キーの電池は、約2~3年を目安に交換することをおすすめします。
最近では、スマートフォンがクルマのキーの代わりになっている車種や、防犯やデザイン面から鍵穴を隠す(見えなくしている)車種も多く、一概に「キー閉じ込みトラブル」と言っても、実際の救援現場ではさまざまな対応が求められるようになっています。さらに、子供やペットが車内に閉じ込められているケースもありますので、常に迅速に対応できるよう心がけています。
急いでいるとキーを閉じ込めてしまうことが多いため、「慌てず時間に余裕を持った行動も有効なトラブル防止策の一つ」とのこと
――電子キーのトラブル防止方法はありますか?
キー閉じ込みの防止方法は、「キーを常に身に着けておく」ことです。非常にシンプルですが、それが一番有効な防止方法です。また、内蔵の電池については、2~3年程度を目安に交換しましょう。「ボタンを押したときの反応が鈍い」などの違和感があれば、電池交換をおすすめします。電池は経年劣化によっても消耗するため、普段使っていないスペアキーの電池交換も忘れずに。
ロードサービスカーには交換用の電池も用意しています
JAFロードサービスカーには、電子キー(リモコンキーも含む)に使用されている一般的な規格の電池を用意しています。電池切れによるトラブルの際に適合する電池があれば救援現場にて販売も行っています(電池交換の作業も行います)。
キーに使用されている電池の規格などは取扱説明書に記載されています。キーの機能や内蔵(メカニカル)キーの使用方法なども含め、事前に確認しておきましょう。