真夏のお盆渋滞はバッテリーにとっても過酷!? 夏場のバッテリー上がりに注意!
#08 夏場のバッテリー上がり対策バッテリーなどの電気系統は、寒さが厳しい冬場にトラブルが多くなると思われるかもしれませんが、バッテリー上がりは年間を通して最も救援要請が多いトラブルになっています。また、夏場はエアコンの使用頻度が高くなるため、バッテリーへの負荷も高まり注意が必要です。今回は夏場のバッテリー上がりを防ぐ方法についてJAF隊員に聞いてみました。
教えてくれたのはこの隊員!
福岡支部ロードサービス隊
諸岡拓也(もろおか・たくや)隊員
【趣味・特技】 ゴルフ、FF14
【好きな言葉】 無駄なことはない
【好きな食べ物】 麵類全般
【休日の過ごし方】 ピクニック
夏場は電力消費量が増えてバッテリー上がりが発生しやすい!
―――バッテリー上がりは夏場でも多く発生している?
「バッテリーは寒さに弱い」と思われるかもしれませんが、実は夏場でもバッテリー上がりは多く発生しています。もっと言うと一年を通して最も救援要請の多いトラブルです。2024年度のJAFロードサービス出動理由では、一般道路・高速道路、四輪・二輪をすべて合計したなかで、バッテリー上がりが約42%と、出動理由の半数近くを占めています。
また、お盆の時期はクルマで出かける人が増えるため、JAFへの救援要請も増加します。そのなかでも最も多い出動理由は「バッテリー上がり」で、2024年のお盆時期は27,483件ありました(2024年8⽉10⽇~19日までの集計)。
―――エアコンの使用頻度が増える夏場はバッテリーには辛い?
夏場はエアコンの使用頻度が高まり、発電機(オルタネーター)の発電量よりも電力消費量が上回り、バッテリー上がりが起きやすい状況になります。そのため、お盆の帰省渋滞時などほとんど動かない状態では発電機の発電が間に合わずバッテリーの残量がどんどん減っていきます。最近のクルマは走行中にバッテリー上がりが発生することはほとんどありませんが、年式の古いクルマに乗られている場合は注意が必要です。
夜間に行われる花火大会などに出かける場合も、エアコンやライトなど電装品の使用量が増えますのでバッテリーの負担が大きくなります。渋滞などで停車している時間が長くなる場合はエアコンの設定温度を上げたり、風量を弱くするといった消費電力を抑える工夫をおすすめします。
ドライブレコーダーやアイドリングストップなどは注意が必要!?
夏場はエアコンの使用頻度が高まり電力消費量が増える傾向にあります。アイドリングストップ機能装着車は、アイドリングストップをオフにしておくのもバッテリー上がりを防ぐひとつの方法です(諸岡隊員)
―――電力消費の多い装備品を使用する際の注意点は?
アイドリングストップ機能を搭載している車種は、信号待ちなどでエンジンが停止する時間が増えるため、バッテリーの蓄電量が下がりやすくエンジンが停止してしまうこともあります。エアコンを頻繁に使用する夏場などは、アイドリングストップ機能をオフにしておくのも効果的な方法です。
また、バッテリーメーカーによると、ドライブレコーダーを装着している場合は注意が必要とのことです。一部の機種に搭載されている駐車時の防犯機能はかなり電力を消費するため、エンジンを始動せずにルームランプをつけたり、電装品を使用していると短時間でもバッテリーが上がってしまうことがあるそうです。さらに、夏場は外気温だけではなく、エンジンルーム内も高温になります。そのためバッテリー液が蒸発しやすく、バッテリー本体も熱膨張しやすい状態になるなど、バッテリーへの負荷が高まることも、トラブルが発生する要因になっているとのことです。
知らなきゃ損! コンピューターの無料診断も実施している
JAFではバッテリー上がりの救援時に限らず、お客様からの要望があれば無料で車載コンピューターの診断も行っています(諸岡隊員)
―――JAFでは無料でコンピューターの診断も行っている?
バッテリー上がりの救援要請の場合、現場で基本的な点検を行い、エンジン始動が可能であれば始動します。その際お客様からの要望があればOBDスキャンツール(故障診断装置)を使用した無料診断も行っています(一部対応できない場合もあります)。
約数分の診断でコンピューターにエラーが出ていないか確認でき、何か問題があれば整備工場などでの点検をおすすめしています。
バッテリー上がりを未然に防ぐ方法はありますか?
バッテリーは消耗品で、一般的に2~3年くらいが寿命だといわれています。エンジンのかかりが悪いなどの症状があれば、整備工場でのバッテリー点検をおすすめします。
バッテリー上がりを防ぐには、季節を問わず定期的に走行することです。ただし、短時間、短距離の走行はかえってバッテリーに負荷がかかります。また、エアコンの設定温度を下げ過ぎず、オートモードに切り替えることもバッテリーへの負荷を和らげます。もちろんルームランプの消し忘れなどケアレスミスにはご注意を!
バッテリーは消耗品です。2~3年くらいが寿命といわれていますので、定期的に点検をしておきましょう。また、ルームランプやライトの消し忘れにもご注意を(諸岡隊員)