雨の夜間走行は特に左側の落輪に注意!|クルマのトラブル、JAFにおまかせ!

雨の夜間は視界が悪く要注意!? 特に農道や山道を走る場合は左側の状況に気を付けて!

#07 側溝などへの落輪の防止策

JAFではタイヤを側溝や路肩に落としてしまった状態のことを「落輪」と呼んでいます。一方で、歩道の縁石や中央分離帯などに乗り上げて動けない状態は「乗り上げ」と呼んでいます。こうしたトラブルは、実はバッテリー上がり、パンクに次いで救援件数が多いトラブルなのです。今回は落輪を防ぐ方法についてJAF隊員に聞いてみました。

目次

教えてくれたのはこの隊員!

福岡支部ロードサービス隊 波賀直之(はが・なおゆき)隊員の顔写真

福岡支部ロードサービス隊
波賀直之(はが・なおゆき)隊員

【趣味・特技】 バスケ
【好きな言葉】 あきらめたらそこで試合終了ですよ……?
【好きな食べ物】 はちみつレモン
【休日の過ごし方】 娘のミニバスケットボール応援

山道や農道では路肩、都市部では縁石、特に左側に注意!

落輪の引き上げ作業を行う波賀隊員

落輪の状況はさまざまです。現場の状況を確認してみないとわからないことも多いですが、可能な限りお客様のクルマを破損しないよう慎重に作業を行っています(波賀隊員)

―――落輪・落込の救援要請はどのくらい発生していますか?

2023年度のJAFの統計では、JAFロードサービス隊の出動理由は「バッテリー上がり」が1位で全体の約41%、2位が「タイヤのパンク」で約20%となっています。「落輪・落込」は約6%で3位、四輪・二輪の合計では139,570件発生しています。

高速道路は路肩までしっかり舗装されている場合が多く、多くの側溝もふさがれているため、落輪・落込の救援要請はほぼ一般道路で発生しています。ちなみにJAFではタイヤを側溝や路肩に落としてしまった状態のことを「落輪」と呼んでいます。また、歩道の縁石や中央分離帯などに乗り上げて動けない状態は「乗り上げ」と呼んでいます。

―――落輪・落込が発生する場所や状況などの傾向はありますか?

落輪トラブルは、地域によっても発生件数が変わってきます。福岡市内は都市部のため比較的少なめですが、田んぼや畑などの用水路がある農村地域だと件数が多いです。農道などでは、やはり作業用の軽トラックなどの落輪が多くなっています。また、北九州は道幅が狭く急な山道が多いエリアなので、スリップによる落輪トラブルも発生しています。

季節や時期による影響はあまりありませんが、雨が降ると視界が悪くなるため落輪トラブルが増加します。特に夜間はさらに視界が悪くなるため、普段あまり走らない道を走行する場合は注意してください。

落輪の状況によって作業の難易度がまったく違ってきます

―――落輪の救援はどんな作業を行うのですか?

エアジャッキを点検している波賀隊員

落輪現場では安全かつ丁寧にクルマを引き上げるため、さまざまなツールを使用する。写真のエアジャッキもそのひとつ。狭い隙間でも確実に作業ができる便利なツール

一口に「落輪」と言っても、状況によって作業の難易度が異なります。落輪した場所までレッカー車が入って行けない場合や、片側が壁になっていてレッカー車を止められない場合など、現場の状況はさまざまです。また、現場で作業をする際、その土地の所有者による許可が必要な場合もあり、作業の難易度や所要時間はケースバイケースになります。

道なき道が続く山の中での落輪は、現場にたどり着くのも大変です。また実際に行ってみたらレッカー車が入れないこともあるので、その時はジムニーなどの小型車両に乗り換えて救援に向かうこともあります。

引き上げ作業は、エアジャッキなどを使用して隙間を作り、そこに金属ラダーや角材などを差し込んでウインチでゆっくり引き上げていきます。落輪した衝撃などでタイヤがパンクしていなければ、自走できるケースもあります。しかし下回りやフレームが損傷している場合があるので、必ず整備工場などで点検を受けていただくようにお客様に説明しています。

カーナビの案内も安心してばかりはいられない?

―――実際にあった印象的な落輪の救援要請はありますか?

過去の救援で一番衝撃的だったのは、用水路にクルマが横転していた事例です。しかも用水路の幅とクルマの高さがほぼピッタリ。何とか引き上げましたが、その後、車両は廃車になってしまったそうです。

また、これは別の隊員の経験ですが、山の中で落輪されたお客様が下山してから救援を要請し隊員とともに現場に向かったものの、クルマの場所がわからなくなってしまい、一晩中クルマを探したというケースもあったそうです。クルマから離れる場合は場所を忘れないようにご注意ください。

また、カーナビの案内通りに来てみたら、かなり狭い道を案内されて落輪してしまうケースもあります。初詣の時期に、カーナビに狭い道を案内されたクルマが何台も同じ場所で落輪していたこともありました。皆さん「カーナビがこの道を案内したので……」と話されていましたが、道路の状態には注意して走行しましょう。

落輪や乗り上げを防止するために気を付けることは?

狭い道ですれ違うとき、右ハンドルの場合は左側が見にくくなるため、左前輪が落輪するケースが多いので注意してください。冬場は凍結した路面でスリップして、そのまま落輪するケースもあるので、ゆっくり走ることをおすすめします。

また市街地のコインパーキングでは、出庫時に輪留め(フラップ板)に乗り上げてしまうトラブルも発生していますので、出庫する前にフラップ板が下がっているか確認しましょう。

ジムニーのウインチを操作する波賀隊員

右ハンドルの場合で、狭い道で対向車とすれ違うときは「特に道路の左側に注意してください」と波賀隊員

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