救援件数は少ないけれど油断禁物のトラブルとは?|クルマのトラブル、JAFにおまかせ!

救援件数は少ないが油断禁物! 珍しいけれど気を付けたい危険なトラブルとは?

#14 救援件数は少ないが注意したいトラブル

2024年度のJAFロードサービス出動理由のトップは「バッテリー上がり」。次いで「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」、「落輪・落込」となっている。この3項目で全体の約70%を占めているが、それ以外のトラブルにはどんなものがあるのだろうか? 今回は救援件数は少ないが注意したいトラブルについてJAFロードサービス隊員に聞いた。

目次

教えてくれたのはこの隊員!

北海道支部ロードサービス隊 札幌基地 篭橋周平隊員の顔写真

北海道支部ロードサービス隊 札幌基地
篭橋周平(かごはし・しゅうへい)隊員

【趣味・特技】 クレーンゲーム
【好きな言葉】 大器晩成
【好きな食べ物】 スープカレー
【休日の過ごし方】 愛犬のゴールデンレトリバーと近所の海で遊んでいます!

クルマのトラブルはさまざま。走行不能になるトラブルもある!

レッカー車でけん引作業をしている篭橋隊員

バッテリー上がりとタイヤのトラブルで出動理由の約60%を占めますが、それ以外にもさまざまなトラブルが発生しています。走行不能に陥るトラブルもあるため、油断は禁物です(篭橋隊員)

──バッテリー上がりやパンク以外にどんなトラブルがありますか?

2024年度に最も多かった一般道路での出動理由は「バッテリー上がり」で全体の約35%を占めます。2位は「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」が約20%、3位は「破損・劣化バッテリー」の約9%となっています(四輪・二輪の合計)。そのほか「キー閉じ込み」もよく聞くトラブルかと思います。

しかし、クルマのトラブルは上記以外にもさまざまです。JAFのロードサービス救援データによると一般道路の出動理由は、4位「落輪・落込」、5位「キー閉じ込み」、6位「事故」、7位「燃料切れ」、8位「発電機/充電回路」、9位「ハンドルロック故障・キー作動機構不良」、10位「スターターモーターの故障」となっています。高速道路になると、「オートマチックミッションの故障」や「クラッチ機構の故障」、「オーバーヒート」といったトラブルが発生しています。

──珍しいトラブルの具体的な症状や状況は?

「エンジンがかからない」という救援要請の場合、まずは現場で点検してトラブルの原因を調査します。バッテリー上がりという救援要請で点検してみると、発電機(オルタネータ)が故障していてエンジンがかからないケースもありますし、スターターモーターが故障していることもあります。一概には言えませんが、使用年数が長く走行距離が多いクルマの場合は、部品が経年劣化で消耗していることが多いため、年数や距離に応じた適切な点検を受けてください。

北海道をはじめ降雪地域では融雪剤による錆(さび)に注意!

──北海道特有のトラブルとは?

エンジンルーム内のボルトの錆

北海道に限らず降雪地域では融雪剤により腐食が早くなります。新車登録から10年たたない車両でも錆が発生しています。トラブルに発展する前に定期的な点検をおすすめします(篭橋隊員)

北海道など降雪地域では、融雪剤によって錆が発生し、サスペンションや下回りにトラブルが発生することがあります。深刻な場合はシャフトなどが折れてしまうこともあるため、長年使用しているクルマの場合は注意が必要です。雪道を走行したら小まめに下回りを洗浄したり、防錆剤などを塗布しておくようにしましょう。

そのほか、北海道はバイクのツーリングで訪れる方も多いのですが、故障してけん引や搬送をする場合は、観光地から都市部までけん引する距離が長く時間がかかってしまうケースが多いので、運行前の点検をしっかりと行っておいてください。

北海道では凍結防止のため駐車時にサイドブレーキをかけない習慣も残っています。そのためタイヤ交換の際にクルマが動いてジャッキが外れるトラブルも発生しています。タイヤ交換は自分で行わず、整備工場やタイヤショップで行うか、JAFにご依頼願います。

──JAFで実施しているOBD点検でわかることは?

OBD点検ツールによる確認作業の様子

最近のクルマはコンピューターによる制御が進んでいるため、JAFでもOBDによる点検を実施しています。OBDを接続すればどこに異常が出ているかをある程度絞り込めます

最近のクルマはコンピューター制御が進み、トラブルの原因を特定するのが難しくなってきています。そのためJAFではお客様の了解を得てOBD(車載式故障診断装置)による点検も積極的に実施しています。これにより、救援要請を受けるさまざまなトラブルに対し、故障箇所の特定や推測が迅速に行えるようになりました。

我々隊員も、救援現場でトラブルの原因をお客様に明確にご説明できるので重宝しています。お客様も原因がわからずけん引されるよりも、原因がわかるだけで少し安心していただけるので、可能な限り点検をして説明するようにしています。

トラブルを防ぐために重要なことは?

トラブルに至る前には、何らかの前兆があることが多いです。たとえばハンドルを切ったときに音がする、コツコツとした抵抗がある、あるいはハンドルが普段より重い気がする。また、警告灯がついたり消えたり……。こうした異常や違和感を感じたら、そのまま乗り続けず、お気軽にJAFへご連絡ください。トラブルが起こってしまってからでは、時間も修理費用もかかってしまいます。何かちょっと違和感があれば、不安なまま走行せず、ぜひJAFにおまかせください!

エンジンオイルの点検を行っている篭橋隊員

トラブルを防ぐには、「普段と何か違う」という違和感や変化に注意することです。走行に不安や違和感を覚えたらトラブルに発展する前にJAFにおまかせください(篭橋隊員)

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