JAFによる救援件数が最も多いバッテリー上がり! 気温が低い冬場や春先は要注意!
#04 バッテリー上がりの防止法JAFの出動理由のなかで、年間を通して最も多いのが「バッテリー上がり」です。バッテリー上がりの原因はさまざまですが、気温が低くバッテリーの性能が低下する冬場や春先はトラブルが発生しやすくなるので要注意です。今回は、バッテリー上がりについて、その傾向や対策をJAFロードサービス隊員に聞きました。
気温が低い冬や春先はバッテリー上がりの救援要請が増加!
教えてくれたのはこの隊員!
JAF愛知支部
名古屋ロードサービス隊名古屋西基地
早川晃平(はやかわ・こうへい)隊員
【趣味・特技】 サッカー観戦、いつでもどこでも寝られること
【好きな言葉】 継続は力なり
【好きな食べ物】 味噌煮込みうどん
【休日の過ごし方】 子供と散歩に行く
―――バッテリー上がりの年間救援件数はどのくらいですか?
2023年度のJAFロードサービスの出動件数は、一般道と高速道路を合わせて約226万8000件になります(四輪・二輪合計)。その出動理由で最も多いのがバッテリー上がりで、全体の約41%を占めています。2024年11月の統計では、一般道と高速道路合計の出動件数は約19万7000件で、そのうち約6万7000件がバッテリー上がりとなっています。ライトの消し忘れなど、ドライバーのうっかりミスは非常に多い状況です。
―――バッテリー上がりが起きやすい時期はありますか?
バッテリー上がりは夏場でも救援要請が多くありますが、やはり気温が低下する冬場はトラブルが多くなる傾向にあります。バッテリーにとっての適温は25℃くらいと言われていますが、外気温が下がるとバッテリー液の温度も下がって化学変化が鈍くなり、性能が低下しやすくなります。また、気温が低い冬場や春先はライト類の使用やエアコン、デフロスターなど電装品の使用頻度が増える傾向にあるため、特に注意が必要です。
ショッピングモールの立体駐車場からの救援要請が増えています!
―――バッテリー上がりの原因や最近の傾向などはありますか?
バッテリー上がりの原因としては、ライトやルームランプの消し忘れといったうっかりミスが多くなっています。最近ではショッピングモールの立体駐車場からの救援要請も増えています。ショッピングモールの立体駐車場は昼間でも薄暗い場合が多く、荷物の積み降ろしの際に点けたルームランプを消し忘れてしまい、バッテリーが上がってしまうようです。ショッピングモールはさまざまな店舗や施設が入っていて、滞在時間が長くなりやすいのも要因かもしれません。
また、年末年始やゴールデンウイーク、お盆などは長期旅行に出かける人も多いため、空港の駐車場などでバッテリー上がりの救援が多くなります。原因は、忘れ物がないかを確認するために点けたルームランプの消し忘れが多いようです。
ガソリンがもったいないという理由で、エンジンをかけずアクセサリーモード(通電状態)でテレビなどを見ていてバッテリーが上がってしまうというケースもありました。最近のクルマは電気の使用量が多いので、バッテリーの性能が低下していると数時間でバッテリーが上がってしまうこともあるので注意してください。
バッテリー上がりの原因としては、ルームランプの消し忘れなどのうっかりミスが多いとのこと。駐車場などで荷物の積み降ろしをする際は消し忘れにご注意!
バッテリー上がりと勘違いしてしまうトラブルってどんなもの?
―――バッテリー上がりと勘違いするケースがあるって本当ですか?
バッテリー上がりの救援要請で現場に行ってみると、違う原因でエンジンがかからないということも結構あります。エンジンがかからないので「バッテリー上がり」だと思われるようです。たとえば最近増えているプッシュスタート式のクルマでは、ブレーキペダルを踏み込まないとエンジンが始動しない仕組みになっています。踏み込みが甘いとエンジンがかからない場合がありますので注意してください。
また、オルタネーター(発電機)の故障でバッテリーに蓄電ができず、走行中に止まってしまうケースもあります。発電機が故障すると、メーターパネル内にバッテリーの形状をした警告灯が点灯するため、バッテリーのトラブルだと勘違いすることが多いようです。この警告灯が点いたら、慌てず速やかに安全な場所にクルマを止めてJAFへ救援要請してください。
さらに、電子キーに内蔵されている電池が消耗している場合も、エンジンが始動しなくなることがあります。エンジンがかからない要因はさまざまありますが、異常があればJAFへ救援要請をお願いします。
―――バッテリーの寿命や交換の目安はどのくらいですか?
バッテリー交換の目安は一般的に2~3年と言われていますが、実際の寿命は使用状況によって変わります。そのため、前回はいつバッテリー交換をしたか覚えておき、2年以上経過しているようならこまめに点検を行ってください。
購入して1週間くらいの新車でもバッテリー上がりで救援を行ったケースもあります。購入して間もないと、どこにルームランプがあるのか把握できていないため、点いていても気づかない、新車にありがちなミスにも注意してください。
JAFロードサービスカーは、交換用の新品バッテリーを積んでいます。サイズや規格が合えば交換も可能です(バッテリー本体の料金が別途必要になります)
バッテリー上がりを防ぐための注意点は?
バッテリーは消耗品です。2年以上使用している場合、こまめに点検を行い性能が低下しているようなら早めに交換しておきましょう。エンジンを始動する際にルームランプやメーターなどの照明が一瞬暗くなるような感じであれば、バッテリーが弱っている可能性がありますので、整備工場などで点検してもらいましょう。
また、平日はクルマに乗らず、週末も近所への買い物など短い距離しか乗らないことが多い場合は、バッテリーが上がりやすい傾向にありますので注意してください。
交換して2年以上が経過しているバッテリーなら、性能が低下していないか定期的に点検しましょう。エンジン始動時などに違和感があったら早めの点検・交換を!