「大丈夫だろう」が最も危険! 豪雨で多発するクルマの故障と走行NGの判断基準とは?
#21 豪雨によるトラブルと注意点気象庁によると、1時間あたりの降水量が50mmを超える大雨の年間発生件数は年々増加傾向にあり、より激しい雨ほど増加率が大きくなっているようです。台風シーズン以外でも、全国各地で豪雨による交通トラブルのニュースをよく目にします。もし、運転中に豪雨が発生したら……!? 今回は豪雨時に注意したいトラブルと、その回避方法について、JAFロードサービス隊員に聞いてみました。
教えてくれたのはこの隊員!
熊本支部ロードサービス隊 熊本基地
山田高史(やまだ・たかふみ)隊員
【趣味・特技】 キャンプ
【好きな言葉】 「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」
【好きな食べ物】 ラーメン
【休日の過ごし方】 妻とおいしいものを食べに行く!
豪雨の発生は増加傾向! 走行する地域の危険地帯を知っておこう
豪雨による冠水でクルマが動かなくなるトラブルは毎年発生しています。しかも決まった場所でトラブルが発生していますので、地域のハザードマップなどで冠水の危険ポイントをチェックしておきましょう(山田隊員)
──豪雨によるJAFへの救援要請はどのくらい?
豪雨による道路の冠水などでクルマが動けなくなる救援要請は、毎年発生しています。九州地方は台風の影響や線状降水帯の発生も多く、熊本では2025年8月に河川が氾濫するなどの大規模な豪雨災害が発生しました。2025年8月11日~28日までの救援要請の受付件数は4,192件で、そのうち冠水関連受付件数は1,207件ありました。
──豪雨の際は、どんなトラブルが発生しますか?
豪雨時の代表的なトラブルは、冠水路を走行した際に途中でエンジンが止まってしまい動けなくなるケースです。運よくエンジンが止まらなくても、冠水路に入ると水の抵抗でアンダーカバーやバンパーなどが外れてしまうこともあります。
大雨で冠水しやすい危険箇所は、道路に注意喚起の標示や標識が設置されていたり、地域のハザードマップに記載されていますので、事前に確認しておき冠水している場合は迂回するなど、冠水路を走行しないようにしてください。
また、道路が冠水すると縁石や側溝が見えなくなるため、縁石にタイヤをぶつけてパンクしたり、側溝や用水路などに落輪するトラブルも多くなります。
──豪雨の際の運転で注意すべきポイントは?
激しい雨が続き、側溝などから水があふれ出してきたら要注意です。あっという間に道路と田畑や河川との境目がわからなくなり、水深が浅くても非常に危険な状況になります。特に夜間は、昼間に比べ水位がわかりにくくなるため、さらに危険度が高まります。
また、地下駐車場にクルマを止めていたり、マンションなどに設置されている機械式の立体駐車場の地下部分に止めている場合は、予報などを確認しつつクルマを地上や上層階へ早めに移動しておくことをおすすめします。
水深が浅くても冠水はクルマに大きなダメージを与える!?
タイヤの半分以下の水深でも、冠水路を走行した後はパーキングブレーキが固着するケースもありますので、なるべく早く整備工場などで点検をしてください(山田隊員)
──雨が上がった後に異常がでることもあるって本当?
「水深が浅いから少しくらい大丈夫だろう」という思い込みは非常に危険です。タイヤの半分以下の水位でも途中で急に深くなっていたり、対向車による波で水位が上がりエアダクトからエンジンに水が入ることもあります。前のクルマが通過できたからといって自分も通過できるとは限りませんので、無理せず迂回するようにしてください。
また、冠水路を通過できてもコンピューターや電装系が水に浸かると、雨が上がった数日後にエンジンがかからないなどのトラブルが発生することもあります。特に一般的なワイヤー式のパーキングブレーキのクルマは、リアブレーキ部が水に浸かると、乾いたときにブレーキが固着してしまい、走行できなくなるケースも発生しています。
雨が激しい場合は、早めに安全な場所に止まって予報を確認!
ボンネット内の空気の吸入口から水が入るとエンジンが止まってしまいます。セダン系などボンネットが低いクルマは特に注意してください。水深が浅くても対向車が走行した波を被ってエンジンに水が入ることもありますので、冠水路は走行しないようにしてください(山田隊員)
豪雨のときは数分のうちに状況が変化するため、早めの避難や対応が大切になります。激しい雨で前が見えなかったり道路が冠水したりしている場合は、安全な場所にクルマを止め、豪雨が通り過ぎるのを待つのもトラブルを回避する方法です。
雨が上がると数十分くらいで水が引くことも多いので、ネットやラジオなどの天気予報を確認しながら、安全に走行できる状況になるまで待つことをおすすめします。
現場に着いたときは膝までだった水位が、お客様に説明している間に腰下くらいまで上がったこともありました。逆に、雨が上がると数分~数十分で水が引くこともあります。とにかく、「大丈夫だろう」という安易な思い込みは禁物です。冠水路を走行してエンジンに水が入ってしまうと、廃車となるケースもありますのでご注意を!