運転中の疲れを引きずらないために知っておきたい栄養素とサプリメント
疲労対策に役立つサプリメントの選び方と食事のポイントを管理栄養士が解説
長時間の運転や渋滞が続くと、疲れて集中力が続かなかったり、体がだるく感じたりすることはありませんか? こうした疲労は判断力や注意力、反応速度の低下につながるおそれがあり、安全運転のためには十分な休憩や睡眠を確保することが大切です。
そのうえで、必要に応じてサプリメントなどで不足がちな栄養素を補給すると、コンディションの維持に役立つ場合があります。
今回は管理栄養士・渡部早紗さんが、運転中・運転前後の疲れ対策に関わる栄養素やサプリメントの選び方、疲れにくい食事のポイントを解説します。
運転中に起こりやすい「疲れ」とは?
運転中の疲れは、大きく「肉体的疲労」と「精神的疲労」の2種類に分けられます。
肉体的疲労としては、長時間同じ姿勢で座り続けることで筋肉が緊張したり、血流が滞りやすくなったりすることで起こります。精神的な疲労としては、渋滞や慣れない道での運転による緊張状態が原因として挙げられます。
疲労が蓄積すると、判断力や集中力、反応速度の低下につながることがあります。安全運転のためには、疲れを感じる前に休憩を取り、疲労をため込まないことが大切です。
まず避けたい、疲れを悪化させる飲食・生活習慣
疲労対策では、サプリメントを取り入れる前に、疲れやすくなる生活習慣を見直すことも重要です。
朝食を抜いたり、空腹のまま運転したりすると、脳のエネルギー不足から集中力が低下しやすくなります。また、パンだけ、おにぎりだけといった糖質中心の食事や甘い飲み物の飲み過ぎは、血糖値が急に上がってだるさを感じやすくなることがあります。ほかにも、水分不足は血流悪化につながります。
食事以外にも、睡眠不足での運転や、休憩を取らない長時間運転は疲労を悪化させる原因になります。サプリメントだけに頼るのではなく、毎日の生活習慣や運転時の環境を整えることが疲労対策の基本です。
運転疲れが気になる人に役立つ注目の成分7選
疲労回復のサプリメントは、筋肉の回復をサポートするものや、エネルギー代謝に関わるもの、体のコンディションを整えるものなどさまざまです。
ここでは、運転中のコンディション維持のために取り入れたい代表的な成分を紹介します。
アミノ酸
必須アミノ酸と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リシン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジンは、肉体的な疲労対策に役立つ栄養素です。
必須アミノ酸の中でもBCAA(分岐鎖アミノ酸: バリン、ロイシン、イソロイシン)は、筋肉のエネルギー源として働きます。
長時間運転で体のだるさや筋肉の疲れを感じやすい人は、運転前にアミノ酸を含む食品やサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。
ビタミンB群
ビタミンB1やB2、B6、ナイアシン、パントテン酸は、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるために欠かせない栄養素です。エネルギー代謝を支えることで、疲労対策にも関わっています。
不足するとエネルギーを効率よく作り出せず、だるさにつながることがあります。食事が偏りがちな人は意識して補いましょう。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持つ栄養素で、疲労の原因となる活性酸素を抑える働きが期待されます。喫煙する人は体内でのビタミンC消費量が増えるため、意識的に摂取することが必要です。
また、ビタミンCは熱に弱く、調理や保存の過程で減少しやすいため、サプリメントを活用すると効率的に補えます。
ビタミンD
ビタミンDは骨の健康だけでなく、筋肉や神経の働きにも関わる栄養素です。脳と体の間で情報を伝える働きや、筋肉を動かす機能を支えています。
即効性を期待するというよりも、日頃から十分な状態を維持することで、疲れにくい体づくりを支える栄養素といえます。
鉄
鉄は、酸素を全身へ運ぶ赤血球の材料となる栄養素です。体内の鉄が不足し、貧血になると、疲労感につながることがあります。特に女性は月経により鉄不足になりやすいため注意しましょう。
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10は、細胞でエネルギーをつくる働きを助ける成分です。体内でも作られますが、加齢とともにコエンザイムQ10の産生量が減少するといわれています。
そのため、サプリメントを活用することで、効率的に補えます。サプリメントを選ぶ際は、体内で変換する必要がない「還元型コエンザイムQ10」がおすすめです。
ショウガオール
ショウガオールは、ショウガを加熱・乾燥することで生成される成分です。体を内側から温める働きがあるため、寒い季節や車内冷房によるだるさが気になる人におすすめです。
過剰摂取はNG! カフェインとの付き合い方
カフェインには覚醒作用があり、眠気を感じたときや集中力を高めたいときに効果を実感しやすい成分です。そのため、運転前や休憩時にコーヒーやエナジードリンクを飲む人も多いでしょう。
ただし、カフェインで眠気を抑えても、疲労そのものを回復させるわけではありません。さらに、摂取し過ぎると動悸(どうき)や不眠、脱水などにつながることがあります。
短時間の仮眠を取る前にカフェインを摂取すると、目覚める頃に作用して覚醒を助ける「カフェインナップ」という方法も知られています。運転時の集中力を高めたいときに役立つでしょう。
今すぐできる! 即効性を邪魔しない飲食のポイント
疲労対策では、サプリメントだけでなく毎日の食事が重要です。こまめな水分補給を心掛け、空腹や食べ過ぎを避けましょう。
ご飯やパン・肉や魚のおかず・野菜のおかずを組み合わせたバランスのいい食事を基本とすることで、血糖値の急上昇によるだるさを防ぐことができます。脂質が多い料理は消化に時間がかかるので、運転前は消化のいい食事を選ぶことも大切です。
間食にはナッツやチーズ、ゆで卵など、たんぱく質を含む食品がおすすめです。血糖値が急激に上がりにくく、腹持ちがよいため運転中の空腹対策にも役立ちます。
サプリメントの即効性を感じやすい人の共通点とは?
サプリメントの効果の感じ方には個人差があります。もともと特定の栄養素が不足している人は、サプリメントで補うことで体調の変化を感じやすいことがあります。
また、睡眠や食事など生活習慣がある程度整っている人ほど、サプリメントを取り入れた際の変化を実感しやすいといえるでしょう。
即効性を意識するなら知っておきたい注意点
サプリメントを利用する際、持病がある人や薬を服用している人は、医師や薬剤師に相談してから取り入れましょう。
また、サプリメントは一度飲んだだけですぐに疲労が回復するわけではないため、継続的に活用しましょう。特に、ビタミンB群やビタミンCは水溶性ビタミンのため、体内に長く蓄積されません。毎日続けて補いましょう。
疲労を感じた際、サプリメントを飲んですぐに元気になるわけではありません。そのため、運転中に強い眠気や体調不良を感じた場合は無理をせず、運転を中止して休憩を取りましょう。
【まとめ】運転による疲れを解消するには?
運転中の疲れには、肉体的な疲労と精神的な疲労の両方が関わっています。疲れの原因に合った栄養素やサプリメントを取り入れることで、日々のコンディション維持をサポートできる場合があります。
「運転中の疲れをできるだけ引きずりたくない」、「運転後も元気に過ごしたい」という方は、サプリメントを活用してみるのもよいでしょう。
サプリメントはあくまでも不足しがちな栄養素を補うためのものです。十分な睡眠やこまめな休憩、水分補給、バランスの良い食事を心掛け、安全運転につなげましょう。

渡部早紗
わたなべ・はやさ 管理栄養士。総合病院・学校給食の管理栄養士を経て、2021年に独立。現在はフリーランスとして食や栄養に関するコラム執筆・監修。健康商材の広告制作を中心に活動し、言葉による健康情報発信を行う。
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