サービスエリアでツボ押しをする男性
監修=田中友也 / 文=釼持陽子 / イラスト=沼田光太郎

運転疲れを5分でケア! 症状別ツボ押し6選

長距離ドライブ休憩のコツ3 鍼灸師が教える、SA・PAで手軽にできるセルフケア
田中友也

長時間の運転では、目の疲れやかすみ、首や肩のこり、だるさ、眠気など、さまざまな不調が起こりがち。特に夏は、暑さや発汗によって疲労感や集中力の低下を感じやすくなります。そこで鍼灸師の田中友也さんに、SA・PAでの休憩中に手軽にできる6つのツボ押しを教えてもらいました。運転前の不調予防や、帰宅後の疲労ケアにも役立てましょう。

目の使いすぎや長時間の同じ姿勢、夏の暑さが“運転疲れ”の原因に

長時間の運転では、周囲の状況を確認するために目を使い続けるうえ、同じ姿勢でハンドルを握る時間も長くなります。そのため、目の疲れやかすみ、首や肩のこり、背中の張りなどが起こりやすくなります。

東洋医学では、目の使いすぎは体を養う「血(けつ)」を消耗し、同じ姿勢が続くと「気(き)」や血の巡りが滞ると考えます。さらに夏は、暑さや発汗によって体のエネルギー(気)やうるおい(水・すい)が失われ、だるさや集中力の低下、イライラにつながることもあります。

そんな運転疲れのセルフケアに役立つのが「ツボ押し」です。道具を使わず、SA・PAでの休憩中に短時間で実践できます。飲食やトイレだけで休憩を終わらせず、ツボ押しで心身をリフレッシュしてから、安全に運転を再開しましょう。

ここで紹介する秒数や回数は目安です。無理に強く押さず、自分が心地よいと感じる強さや回数で行ってください。運転前の不調予防や、帰宅後の疲労ケアにもおすすめです。

※ツボ押しは必ずSA・PAなどに駐車して行い、運転中は行わないでください。

1. 目の疲れ・トラブルに効くツボ「太陽(たいよう)」

多くのドライバーが感じる眼精疲労。目の疲れ、かすみ目、ショボショボ感、痛みなどに効果的なツボが、こめかみにある「太陽」です。ツボをじんわり押すと、重い目がスッキリして視界もクリアに!

目の疲れ・トラブルに効くツボ「太陽(たいよう)」

【ツボの位置】こめかみより下にある、ややくぼんでいる部分。

【押し方】ツボに人差し指・中指・薬指を置いて、目頭の方向に向かってじんわり押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。3本の指でツボ周辺をグルグルもみほぐす方法もおすすめ。

2. 首こりに効くツボ「天柱(てんちゅう)」

運転で同じ姿勢が続くと、首がこりやすくなります。目の筋肉と首の筋肉は連動しているため、目の酷使で首こりが悪化しやすいのも特徴。首の後ろ側にある「天柱」は、硬くなった首のこりを和らげるツボです。

首こりに効くツボ「天柱(てんちゅう)」

【ツボの位置】首の後ろにある中央のくぼんだ部分の両側で、やや凹んでいる部分。

【押し方】両手で頭を包むように支え、少しうつむいて両手の親指でツボを押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。天柱を含めた首の後ろ側の筋肉を、天柱から肩あたりまで指で押しほぐす方法でもOK。

3. 肩こりに効くツボ「肩井(けんせい)」

ハンドルを握った姿勢が続くため、首と同じく肩も血流が滞りやすい部分です。肩がこったときに、自然と手を当ててもんでしまう場所が、肩こりに効く「肩井」。ツボを押したり、休憩中に肩を回したりしてこりをほぐしましょう。

肩こりに効くツボ「肩井(けんせい)」

【ツボの位置】首の付け根と肩先のちょうど中間あたり。押すと、硬さと痛みを感じる部分。

【押し方】反対側の手を肩にのせ、人差し指・中指・薬指の腹で、真下に向かってイタ気持ちいいと感じる程度に押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。

4. 全身の疲労感に効くツボ「合谷(ごうこく)」

手の甲にある「合谷」は万能のツボと呼ばれ、さまざまな不調改善に使われます。長時間の運転で全身の疲れやだるさを感じたら、合谷を押してスッキリしましょう。滞った気や血を巡らせて、頭をシャキッとさせる効果もあります。

全身の疲労感に効くツボ「合谷(ごうこく)」

【ツボの位置】親指の骨と人差し指の骨の付け根にあり、V字になったくぼみの部分。

【押し方】反対の手の親指をツボに当て、人差し指側の骨に押し込むように、ズーンと響く強さで押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。

5. 眠気覚ましに効くツボ「百会(ひゃくえ)」

早朝からの運転や食後に、眠くなってしまうことも。そんな眠気をスッキリ覚ましたいときに効果的なのが、頭のてっぺんにある「百会」。ツボを含め、頭全体を指の腹でもみほぐす方法もおすすめ。ボーッとする頭をリフレッシュさせる効果があります。

眠気覚ましに効くツボ「百会(ひゃくえ)」

【ツボの位置】頭のてっぺんで、両耳をつないだラインと体の真ん中が交わる部分。押すとズーンと響くところ。

【押し方】人差し指・中指・薬指の腹でイタ気持ちいい程度に押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。もしくは、指先でトントンと軽くたたく。

6. 精神的なイライラに効くツボ「膻中(だんちゅう)」

渋滞に巻き込まれる、移動が予定通りに進まないなど、運転でイライラしたり気持ちが焦ったりしたら、胸の真ん中にある「膻中」のツボ押しを。深呼吸しながらゆっくりツボを押すとリラックスでき、落ち着いて運転を再開できます。

精神的なイライラに効くツボ「膻中(だんちゅう)」

【ツボの位置】胸元にあり、左右の乳首同士を結んだラインの真ん中。

【押し方】左右の人差し指・中指・薬指を合わせて優しく押す。「5秒押す→離す」×5回を目安に。もしくは、手で上から下へ胸をなでおろすか、トントンと軽くたたく。

気の巡りの改善には柑橘類のドリンク! 休憩中のセルフケアで疲労回復

ドライブ中は、「高速が空いているうちに移動したい」「早く目的地に着いて遊びたい」などの急ぐ気持ちから、SA・PAでクルマから降りずに過ごす人もいます。ですが、同じ姿勢が続いて気・血が滞っているため、そのまま運転を続けると後からドッと疲労感が現れることもあります。

休憩中もクルマから降りずに車内でスマホを見続けていると、さらに目を使いすぎて血を消耗します。できれば、休憩のたびにクルマから降りて、周辺を歩いて体を伸ばしたり、深呼吸をして気や血を巡らせて、こりや疲労感をため込まないようにしましょう。

また、“暑さの邪気”である「暑邪(しょじゃ)」の影響で体のうるおいが不足しているため、休憩中の水分補給はしっかり行うのが鉄則です。コーヒーや緑茶は、体の余分な熱を取り、頭をシャキッとさせる働きがあります。オレンジジュースやレモンスカッシュなどの香りのいい柑橘類のドリンクは、滞った気を巡らせる効果があり、次の運転に向けた気分転換にも役立ちます。

運転で疲れ切ってしまっては、せっかくの旅行やお出かけも楽しめません。「運転には慣れているから大丈夫」というドライバーも多いですが、自覚がないだけで目や首、肩には疲れがたまっています。目的地で元気に楽しく過ごし、帰宅後も疲れを引きずらないために、SA・PAでのツボ押しやセルフケアで疲労をリセットして、安全で快適な夏のドライブを楽しみましょう。

田中友也

たなか・ともや 鍼灸師(しんきゅうし)、国際中医専門員(国際中医師)、国際中医薬膳管理師、日本中医薬研究会会員。兵庫県神戸市の漢方相談薬局「CoCo美漢方(びかんぽう)」で、健康相談に応ずる傍ら、鍼灸師として施術も行う。季節ごとの健康的な過ごし方や、心身の不調を改善する方法を、Xで発信。フォロワーは16万人以上。『心と体を整えるおいしい漢方〜季節の食養生で不調を改善』(扶桑社)など、著書多数。
X(CoCo美漢方 田中 友也)
CoCo美漢方

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