寒さで劣化したバッテリーのイメージキービジュアル
文=萩原文博

冬のクルマ放置は危険? バッテリーとタイヤの守り方

冬のクルマ放置は危険? プロが教えるバッテリーとタイヤ対策

気温が下がる冬は、クルマにとって気温の高い夏同様に過酷な季節です。金属、ゴム、オイルといった部品は寒さで物理的に変化し、本来の性能を発揮できなくなります。たとえばバッテリーは化学反応が鈍くなり性能が低下し、エンジンオイルは固くなって潤滑しにくくなります。また、ゴム製部品は硬化し、柔軟性が失われるため本来の機能を発揮できなくなることもあります。

天候などの影響によって「1週間クルマを動かせなかった」といった状況は、故障のリスクが上昇する要因になります。

目次

データで見る「冬のトラブル発生状況」

JAFの年末年始(2025/12/27~2026/1/5)の出動データでは、バッテリー関連が全体の50%以上を占めています。

JAFロードサービス主な出勤理由 TOP5
(2025年 年末年始「四輪・二輪合計」一般道路)

JAFロードサービス主な出勤理由グラフ

救援要請の半数以上(53.54%)がバッテリー起因です。
冬の「長期間放置」や「短距離走行」が深刻なトラブルを招きます。

バッテリー関係のトラブルが第1位と第3位にランクインしており、合計で半数以上となっています。今回は特に冬にクルマに乗らなかったことで発生しやすいトラブルとその対策を紹介します。

冬に負けないための「3つの重点チェック」

1. 【最重要】バッテリーの「冬バテ」を防ぐ

冬バッテリーの劣化イメージ

冬はバッテリー液の化学反応が鈍り、性能が低下しやすくなります。アイドリング時に暖房やデフロスター(曇り取り)などで多くの電力を使用するため、バッテリーが最も上がりやすい時期です。

●即効対策 : 週に1回は数十kmのドライブを。

●プロの知恵 : 冬の間は「自動アイドリングストップ」をキャンセルに。再始動時のバッテリーへの負荷を減らすのが長持ちの秘訣です。

●交換目安 : 使用期間が2〜3年を超えていたら、早めの点検・交換を検討しましょう。

2. タイヤの「空気圧低下」を見逃さない

雪道走行でのタイヤ空気圧の劣化イメージ

空気は冷えると収縮するため、気温が10℃下がるとタイヤのタイヤの空気圧は約7~10kPa低下する と言われています。

●リスク : 空気圧が低いと、燃費の悪化やタイヤの偏摩耗、最悪の場合は高速走行中のバーストを招きます。

●対策 : 2週間に1回はガソリンスタンドで空気圧チェックを。最近は運転席のメーターパネルやセンターディスプレイなどでタイヤの空気圧チェックができるクルマも増えていますので、確認しましょう。

●冬の落とし穴 : 氷雪の影響で「バルブコア」から空気が漏れやすくなります。キャップが確実に閉まっているかも確認してください。

3. オイルとブレーキの「寒さ対策」

エンジンオイルの点検イメージ

●エンジンオイル : オイルが寒さで粘度が高くなると、始動時の負荷が増え、エンジンの寿命を縮めることもあります。冬本番前に、低温に強い新品オイルへ交換しておくと安心です。最近はカーメーカー指定のオイル粘度で1年中使用できるものになっています。

●ブレーキの固着 : ワイヤー式のパーキングブレーキは作動部の水分が凍って解除できなくなる例 があります。古いクルマで長期間駐車する場合は、平地であればギア(AT車の場合はP、MT車であればシフト位置をRまたは1速に)に入れて輪止めをするなど、ブレーキを掛けない工夫も有効です。

●フロントガラスの凍結 : 朝の凍結は心の余裕を奪い、事故を誘発します。「雪の朝に後悔しない! 出発5分前の絶望を防ぐ『前夜の仕込み』とプロの時短術 」を参考に、事前の凍結対策を推奨します。

モータージャーナリスト菰田潔氏から。冬のクルマのケアの鉄則

12Vバッテリーを使うガソリン車やディーゼル車などの内燃機関では今回解説したようなケアが必要になります。HEV、BEVの場合も機械の制御やライトなど補機類は12Vバッテリーを使っているので、動力源のバッテリーに電気があっても12Vのバッテリーが上がってしまうと走行できなくなります。最新型では12Vバッテリーの電圧が下がると動力源のバッテリーから自動的に電気を補給するクルマも増えていますから、ご自分のクルマがどんなタイプかも確認するといいでしょう。

タイヤは気温や走行条件などの温度変化により空気圧が変わりますが、放っておいても自然に空気が漏れていきます。2週間に1回の空気圧チェックをすると小さな穴からゆっくり漏れるスローパンクチャーも発見でき、出先で慌てないで済むかもしれません。これも各タイヤに空気圧計が装備されていると走行中でも車内でチェックできるようになりました。新技術を盛り込んだ新型車はそれなりのメリットがあります。

一年を通じて、最も寒さが厳しくなるのが大寒の時期です。このタイミングに合わせて今季最強寒波が到来し、しばらく日本列島に居座ることが予想されています。日本海側を中心に、「大雪」、「猛吹雪」が長い期間続く可能性があると言われています。特に降雪地に出かける方は、スタッドレスタイヤの装着はもちろん、万が一に備えて、チェーンなども携帯しましょう。また毛布や非常食、水そして燃料もしっかりと補充しておきたいところです。日本海側だけでなく、太平洋側でも気温が氷点下になる場所も増えるので、フロントガラスの凍結に備えて、解氷スプレーやスクレイパーなども用意しておくと、朝スムーズに出発することができるでしょう。冬のドライブは事前準備と備えがいつも以上に大切になります。

今すぐできる「冬の愛車守り」リスト

冬のトラブルは、日頃のちょっとした意識で防げます。愛車をベストコンディションに保ち、安全なウィンタードライブを楽しみましょう!

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