ガソリン価格高騰の中、まずタイヤの空気圧をチェックすべき理由とは?
JAFユーザーテストで検証タイヤは、車の重要なパーツのひとつ。2021年10月に実施したJAFユーザーテストでは、そんなタイヤの空気圧低下が燃費に及ぼす影響について検証した。
- ※JAF Mate2022年2・3月号に掲載したユーザーテストを再構成しています。
テスト1: タイヤの空気圧不足による燃費を検証
上の写真のように、ホイールローダーと人力でガソリン車とEVの周囲をドアハンドル付近の高さまで雪で覆い、フロントガラス下にあるエアダクト周辺も外気が入らないよう雪で埋めた。
車体後方も雪で埋め(下写真参照)、ガソリン車はマフラーが完全に見えない状態に。ガソリン車はエンジンON(十分に暖機済み)、EVはパワーONで、60分間テストを実施した。
空気圧: 適正
空気圧: 30%減
空気圧: 60%減
テスト車は同一車種を3 台用意し、同じ銘柄・サイズのタイヤを装着。3 台のテスト車のタイヤ空気圧は適正値、適正値から30%減、60%減とした。
各テスト車にはドライバーが1 名乗車してテストコースを走行。ドライバーは40分ごとに車を交代し、すべてのテスト車を運転して平均燃費を計測した。
また、テスト中はアクセルやブレーキポイントを決めて、各ドライバーの運転特性による影響が極力出ないよう配慮した。
テスト1結果(平均燃費)
タイヤの空気圧が低下するにつれ燃費の悪化をもたらすことがわかった。仮に年間15,000㎞走行し、適正空気圧の燃費が13㎞/Lだったとすると、空気圧30%減の車は56L、60%減の車は162L余計に燃料を消費することになる。
燃料価格が1 Lあたり165円とすると、30%減では9,240円、60%減は26,730円もの燃料費が余計にかかることになる。
- ※本記事での燃料価格は2021年10月時点の価格を参考にしています
テスト2: タイヤの空気圧の違いで、どこまで進むのかを惰性走行で検証
テスト1と同様に、タイヤの空気圧を適正、適正から30%減、適正から60%減に設定。テスト車のシフトポジションをN(ニュートラル)にして惰性で坂道を下った際、どこまで進むことができるかを検証した。
結果の数値は各車3回計測した結果の平均。
テスト2結果(惰性で坂道を進む距離)
タイヤの空気圧を適正にした場合と比べ、30%減の車は6.6m、60%減の車は27.9m手前で停止した。空気圧低下によってタイヤ変形が大きくなり、転がり抵抗が高まったこと(下記事参照)で、このような結果になったと考えられる。
タイヤの空気圧低下が招く、燃費変化のメカニズムは?
タイヤの空気圧が、燃費に影響することをご存じだろうか。日本自動車タイヤ協会によると、タイヤの空気圧は1か月に5%ずつ低下し、乗用車の4台に1台は空気圧が不足したまま、走行しているという。
そこで、タイヤの空気圧と燃費の関係性と影響する原因について検証。今回は空気圧を適正、
30%減、60%減で比較した。
テスト1の結果、空気圧が低下するにつれて、燃費が悪化することが判明した。
燃費の悪化を1Lあたりの燃料費で比較すると、燃料費が165円、適正空気圧時の燃費が13㎞/L、年間走行距離が1万5000㎞の場合、30%減で173円/L(8円増)、60%減で188円/L(23円増)相当の燃料を給油しているともいえる。
燃料費の高騰が続く今、これだけの差は大きく感じられるだろう。
また、テスト2の結果から、なぜ空気圧の低下が燃費の悪化につながったのかがわかる。これは、タイヤの転がり抵抗が高まったことによるもの。
具体的には、タイヤの接地面が変形する時に、タイヤが回転する運動エネルギーが熱に変換されることが主な要因だ。
空気圧低下によって変形量が大きくなると、抵抗はさらに増える。ちなみに、タイヤの空気が抜けた自転車のペダルが重くなるのも、これと同じ理由である。
なお、空気圧を比較したタイヤの写真のように、適正から30%減った程度では、タイヤの見た目に大きな違いは見られず、ドライバーもハンドルの重さに大きな違いはなかったと述べていたことから、人間の感覚だけでタイヤの空気圧低下を判断することは難しいと思われる。
空気圧は必ずエアゲージを使用して計測し、不足していたらガソリンスタンドにも設置されている空気充塡機で補充する。タイヤの空気は自然に抜けていくので、少なくとも月に一度は点検したい
タイヤの適正空気圧は車や装着しているタイヤサイズごとに決まっており、取扱説明書や運転席のドアを開けたところに示されている。マイカーの適正な空気圧を確認しておきたい
結果: 空気圧低下は燃費低下につながる。適正空気圧を確認し、月に一度は空気圧のチェックを!
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