クルマのボディーについた花粉を掃除する人のイラスト
文=釼持陽子 / イラスト=岡田 丈

花粉ブロックの肝はエアコンフィルター交換! 車内をクリーンに保つ花粉除去テク

もう花粉に悩まされない! 花粉症対策で快適ドライブを

花粉症で悩むドライバーにとって、車内への花粉の侵入はできる限り防ぎたいもの。車内の清掃や、洗車の方法、エアコンの使い方など、運転時に花粉を持ち込まないためのポイントを、カー用品専門店「オートバックスセブン」のバイヤー・伊澤さんに教えてもらいました。

目次

年1回のエアコンフィルター交換で花粉をブロック

オートバックス広報

オートバックスセブン
カーライフ商品部 バイヤー

伊澤さん


オートバックスセブン カーライフ

全国的にいよいよ花粉の飛散が本格化してきました。車内に花粉を持ち込まない対策として重要なカギを握るのが、エアコンフィルターです。エアコンを使う際、エアコンフィルターを通して外気が取り込まれます。このとき、目に見えない花粉やホコリは除去され、車内の空気は常にクリーンに保たれます。

そのために欠かせないのが、エアコンフィルターを年1回は新しいものに交換すること。同じフィルターを使い続けると目詰まりして、花粉を除去する効果が半減。車検のときに交換するか、もし交換から1年以上たっているならできるだけ早く取り換えることをおすすめします。

花粉と同じく春先に飛散するPM2.5は、直径2.5㎛(マイクロメートル)以下。それに比べてスギ花粉の大きさは、直径約30㎛でPM2.5より大きいサイズです。エアコンフィルターが詰まることなく正常に機能していれば、ある程度の花粉の侵入は防げるでしょう。

エアコンの内気循環モードは眠くなる危険性も!

内気循環で眠そうなドライバー

暖房をつけるときに、外気から花粉が入らないように内気循環モードにする人も多いでしょう。花粉はシャットアウトできるので安心ですが、運転時には注意が必要です。内気循環モードだと、密閉された車内では二酸化炭素濃度が上がりやすくなり、眠くなったり頭がボーッとしたりして、重大な事故につながる可能性も否定できません。

エアコンを使うときは、車内が適温になるまでは内気循環にして、その後は外気導入モードに切り替えを。そのためにも、エアコンフィルターを新しいものに交換して、万全の状態に準備しておきましょう。

クルマに乗る前は衣類に付いた花粉を除去

「大丈夫だろう」と思って意外と油断しがちなのが、衣類への花粉の付着です。マスクや眼鏡を装着していたとしても、衣類に花粉が付いたままの乗車はNG。密閉度の高い車内では花粉が舞い上がり、運転中に症状が現れる原因となります。

室内を出てからクルマに乗るまでの距離が短く、外に出るのが一瞬だったとしても、衣類に付いた花粉は落としてから乗るのがベスト。花粉がすべり落ちやすい素材のアウターを着て手で払ってから乗る、粘着クリーナーを活用するなどして、なるべく花粉が付いていない体で乗車しましょう。

車内に入った花粉は拭き掃除で取り除く

花粉を持ち込まないよう徹底しても、ドアの開閉などでどうしても少量は入ってしまいます。花粉は軽いので車内を浮遊し、そのあと上から下に落ちてきます。

特に付着しやすいのは、高い位置にあるハンドルやダッシュボード。そのほか、目には見えづらいですがシートやセンターコンソールなどにも落ちてきます。シートは革製よりも布製のほうが静電気が起こりやすく、花粉が付きやすくなります。

これらの部分を中心にウエットクロスなどで拭いて、車内に入った花粉を取り除いてください。花粉が舞い上がらないように、ゆっくりやさしく拭くのがポイントです。

また、空気清浄機や花粉そのものを減らす除去スプレーなどもあります。花粉の少ない快適な車内にするために、グッズを活用するのもおすすめです。

クルマのボディーについた花粉はお湯を使うと落ちやすい

洗車する人

ボディーに付いた花粉をそのまま放置しておくこともよくありません。花粉にはペクチンという成分が含まれています。ペクチンは、水分に反応すると溶けだして粘り気が増すのが特徴で、湿気が少しでもあると花粉が密着して落ちにくくなります。それだけでなく、洗車せずにいると、ボディーの塗装面に浸食してサビやキズの原因にもなってしまうのです。

ボディーに花粉がついたら早めに洗い流すのが基本。とはいえ、すぐに洗車できない人もいるでしょう。そんなときは、お湯を使うのがおすすめです。ペクチンは熱に弱く、60~70℃のお湯で溶けやすくなります。ボディーにダメージを与えずに、すっきりと花粉を落とすことができます。ドアの開閉で車内に侵入させないためにも、できるだけキレイなボディーを維持しましょう。

車内の花粉をゼロにすることは難しいですが、工夫次第でできる限り侵入を防ぐことは可能です。ご紹介した方法で、花粉症シーズンを上手に乗り切りましょう。

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