筧 美和子、スーパー銭湯のための免許取得とサウナドライブライフ
メキシコ、ケニア、ロサンゼルス…世界旅行の秘話もファッション誌『JJ』の専属モデル出身で、映画、ドラマで幅広く活躍する俳優の筧 美和子さん。ヒロインを務めた映画『静かなるドン2』も公開中。YouTubeチャンネル「筧 美和子 / miracora uchu.」ではドライブしながらのざっくばらんなトークも人気になっています。オートマ限定免許は、夜のスーパー銭湯通いをするために取ったとか。交友関係、海外旅行での貴重な経験も語ってくれました。
親友の新川優愛さんと
ドライビングスクールへ
――クルマ好きはいつ頃から始まったんですか。
なんとなく憧れはあったのですが、免許を取ったのはちょっと遅め、4年前です。26歳のときに結構苦戦してオートマ限定の免許を取ったんですけど、運転すると、一人の空間で集中して脳がスッキリする感じがあって、リフレッシュできる時間にもなっていて、どんどんクルマ移動が楽しくなってきています。クルマ好きというより運転している時間が好きなのかもしれません。だから、あまり車種には詳しくないんです。
――免許は俳優の新川優愛さんと一緒に取ったそうですね。
同じドライビングスクールにほぼ同じタイミングで入ったんですけど、優愛ちゃんのほうが何か月か前に取りました。私はサボったり、試験に落ちたりして、優愛ちゃんにお尻を叩かれながら、ギリギリセーフで取れたという感じでした。
――どの辺で苦労されましたか。
ドライビングスクールは一般的な自動車教習所と違い、運転免許試験場での一発試験に向けて技能を学ぶんです。だから筆記は自分で勉強しないといけないので、仕事の合間を縫って練習したり、筆記を勉強しました。技能も筆記も運転免許試験場に受けに行くんですけど、結構厳しかったんです。
恥ずかしいんですけど、試験に落ちたりもしました。筆記試験は、問題の言い回しを読み解くのが難しかったです。よく注意して読めば、当たり前のことが書いてあるんですけど、深読みしすぎちゃって。実技はテンパって、障害物への臨機応変な対応ができなかったり……。
――YouTubeチャンネルを拝見すると、安全運転を心がけていらっしゃいますね。ただ地図を読むのは得意ではないのですかね。
徒歩の時でも地図はちょっと苦手です(笑)。でも、乗っていると、だんだん道を覚えてきたりして、決まったところを往復しているうちに運転にも慣れてきたなっていう感じがします。
――クルマは普段から乗られているんですか?
この間、1か月近く地方で撮影してたんですけど、その時もクルマと離れたことがすごい寂しくて、帰って早く運転したいと思いました。
ドラマなどの撮影が入っているときはマネージャーさんが運転してくれますが、休日は買い物や体のメンテナンスを入れることが多くて。一日でスポーツジムだったり、美容室だったりと、いろんなところに行くので、クルマが動きやすいです。お酒も好きなので、飲みに出かける時は一回クルマを置きに帰って、出かけたりします。
「深夜のスーパー銭湯通い」のため
運転免許取得を決意!
――ドライブ、いわゆる遠出はいかがですか。
遠出は本当にたまにですが、先日は山梨に行きました。友人とAirbnb(民泊サービス)で、一棟貸しのサウナ付きの別荘を借りて、バーベキューをしたり。山梨だと1時間半ぐらいでサクッと行けて、現地の山道も安心でした。サウナに入ってから、みんなでお酒を飲んで、翌日サウナに入って帰るんです。
あとは、ちょっと遠くのスーパー銭湯に行きます。チャラン・ポ・ランタンのももちゃんとも仲がよく、免許を取った時期も近かったので、夜遅くに出かけて、行き帰りでどっちかが運転して、スーパー銭湯でお風呂・サウナに入って帰るんです。免許を取ったのも、夜にスーパー銭湯に行きたい、というのがきっかけでした。
――動機がユニークですね。スーパー銭湯では、どんなふうに過ごされますか。
だいたいお風呂とサウナに入って、2時間ぐらいですかね。そこから、ご飯に行くこともあります。
――今乗ってらっしゃるクルマはどこがお気に入りですか。
元々はトヨタのランドクルーザー60(1980~90年製造)とか、ビンテージの今でいうSUVのような形に憧れがあったんです。ビジュアルがかっこいいなと思って、見に行ったりもしました。でも、初心者でビンテージ車を扱うのは大変かもしれないなぁと思いました。
試乗させてもらったら、私にはまだ難しいかもと思って。そこから現行車で探し始めました。クルマ探しも、優愛ちゃんに付き合ってもらって、2軒目のお店で「これにしたい」と思いました。デザインにレトロ感もあって気に入っています。正直、一生このクルマでいいと思えるほどです。
――ビンテージ車に憧れがあるということですが、理由はどういった部分でしょうか。
映画、写真の影響が強いかもしれないです。クルマ以外でも古着だったり、ビンテージものが好きなんです。音楽も歌謡曲、60年代の曲が好きだったり。その辺はつながっている感じがしますね。
――YouTubeでは、道を譲ってくれる人が好きとおっしゃっていました。
免許を取りたてのときは特に、そういうやさしさに感動していました。ハザードではなく、(感謝の気持ちを伝える)ハートマークランプがあったら、いいのに、と今も思っています(笑)。
――ドライブ中は音楽、ラジオをかけますか。
基本、音楽が多いのですが、芸人さんのラジオが好きなんで、radikoやポッドキャストを流したり、リアルタイムでも聴いたりもします。よく聴くのは、紅しょうがさん、マユリカさんのポッドキャストや、おぎやはぎさんのラジオ。リアルタイムで聴いている番組は、TOKYO FMの「スカイロケットカンパニー」(月~木曜午後5~8時)。夕方走っている時はよく聴いています。運転するようになって、よりラジオが好きになりました。普段はじっくりラジオを聴く時間はないので、運転中の楽しみにもなっています。
――音楽はいかがですか。
邦楽、洋楽、歌謡曲なんでも聴きます。シャッフルにしてランダムで流れるようにしています。どこで、いい曲に出会うかわからないので、アンテナを広げています。ご飯を食べているときにお店で流れてきたら、「この曲は何ですか」と聞いたり、古着屋さんでは、Shazam(シャザム、曲名検索アプリ)で調べたり、音楽好きの友人からオススメを聞いたり、周りの音楽好きがSNSで紹介している曲もチェックしています。
メキシコ、ケニア、ロンドン…世界中を旅して
「次のロサンゼルスでは国際免許証を」
――筧さんはドライブだけでなく、海外旅行に出かけるなどアクティブですね。先日も、メキシコ旅行に出かけた写真がSNSで話題になりました。
メキシコは誘ってもらって行ってみました。正直、今までノーマークだったので、「メキシコ?」と思ったりしましたが、楽しかったです。世界遺産になっているソチミルコの街ではカラフルな小船に乗って、運河をクルージングしました。運河にはたくさんの船が行き交っていて、お酒やおつまみを買ったりできるんです。中には楽団もいて、演奏をお願いすると、私たちの船に乗り込んできて演奏してくれるんです。クルージングでは宿泊施設や水族館みたいな施設に立ち寄ったり、すごく面白かったです。
――昨年末にはアフリカ・ケニアにも行かれたそうですね。
私もまさか自分が行くとは思ってなかったです。これも、世界中を旅している友人にどこかのタイミングで会おうと思っていたんですが、偶然そのタイミングで、彼女の次の行き先がケニアだったんです。町並みは日本とまったく違いましたし、サファリにも行きました。今まで自分が見てきた環境と違いすぎて、そこがすごく面白かったです。野生動物のビッグ5、ライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローも見ることができました。
サファリは2泊3日だったのですが、朝から暗くなるまでクルマでずっとサファリを走って、ライオンがバッファローを捕食する瞬間にも奇跡的に立ち会うことができました。キリンは多分、200頭は見たと思います。あまりにもたくさんいるので、最後の方は「またキリンか」と言ったりしていました。キリンには悪いですけども(笑)。見たことないような素晴らしい景色もたくさんあったし、貴重な体験でしたね。
――旅の行く先はどう決めていますか。
人から聞いて面白そうだったら行ってみる。特に誰かが誘ってくれたときは、できるだけ乗っかろうと思っています。それで後悔したことはないんです。行くまでは、ちょっと苦になったりしますが、実際に行くと楽しい。メキシコもケニアもそんなノリでした。
――ニューヨークへの一人旅を計画したのに、ESTA(電子渡航認証システム)を取り忘れたことも。
あー、あの時は本当に落ち込みました。マルタ島、ロンドンには一人旅をしたことがあったのですが、アメリカ本土は行ったことがなかったので、次はニューヨークと思っていたんです。ブロードウェイのチケットなども手配して、旅の準備は万全だと思っていたんです。行けなくなってしまうとは……。
――一人旅は怖くないですか。
まったく怖くないと言ったらうそになるんですけど、なんとかなるかなと思って。でも、結構いろいろ心の準備をして、しっかり用心もしています。今まで運良く、そんな怖い思いしたこともほぼありません。
――せっかくですから、海外で運転できるといいですよね。
毎回、「国際免許を取っておけば」と思うんですが忘れちゃうんですよね。ケニアは道が粗すぎるし、交通ルールも難しいので絶対に運転できないって感じでした(笑)。サファリはランクルが大量に走っていました。道がすごく荒いので、クルマに乗っていると体がどんどん振られて、何度か死も覚悟しました。でも、そういう荒い山道をしっかり走ることができるのは、タイヤと本体の間にバネがあるんですかね。すごくよくできていると思いました。気が付いたら、その揺れで眠れるようにもなって……。
――筧さんはたくましい!(笑)
ロサンゼルスは車がないと不便だと聞いているので、その時は国際免許を取っていきたいと思っています。ニューヨークのリベンジもしたいです。ただ、最近はケニア、メキシコと結構ハードなところが続いたので、今度はハワイでのんびりとかがいいな~思っています。クルマで広い道を走ってみたいですね。
クルマがあれば
好きな場所にも自由に
――今の愛車は一生もの、ということでしたが、乗ってみたいクルマはありますか。
やっぱり、ジープとかSUVは憧れがありますね。それこそランクルも諦めてないです。最近、ビンテージ風の外装で、中身は最新設備という「リノカ」というものを知っての、それだったら私にも気楽に乗れるのかなと思って気になっています。
――ドライブで行ってみたい場所はありますか。
またお風呂の話になりますが、静岡にある「サウナしきじ」には行ってみたいです。水の質が違うと聞いていますし、東京からの距離もそんなにないので、運転できないこともないな、と。
――お父さんもクルマ好きですか?
父はバイクのほうが好きです。たまに後ろに乗せてもらっていますが、バイクは難しそうですね。私東京生まれで、頻繁に家族で乗る機会はなかったんです。
――家族でのドライブ旅行はいかがですか。
私は両親、姉と弟の5人家族ですが、実家はてんぷら屋さんで、昔は家族全員がそろう時間がなかなか多くなかったので大人になった今、もっと家族と出かけたいなと思っています。最近家族の中だとよく運転係になってますね。家族でのドライブ旅行も、「近いうちに行きたいよね」と話しています。
――最後に、筧さんにとって、クルマとはどんな存在ですか? お話を伺うと、サウナ、クルマ、お酒がお好きな3点セットのようですが……。
そうですね(笑)。クルマがあることで、好きな場所にも自由に行きやすくなりました。行動範囲を広げてくれる存在ですし、リラックスできて一人にもなれる空間だと思います。
筧 美和子さんがドライブで聴きたい5曲
- オリヴィア・ディーン「Dive」…最近すごいハマっていて運転中も家でも、よく聴いてます。ゆるやかだけどちょっと気分が高まって、気持ちがいいです。歌詞の和訳を見たら、この恋にダイブするみたい意味で、かわいいんです。
- 矢野顕子「ひとりぼっちはやめた」…スタジオジブリの映画『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年)の主題歌です。矢野顕子さんの曲はすごく心地がいい歌声です。
- フェニックス「If I Ever Feel Better」…フェニックスはフランスのインディーズバンド。2001年に発表された代表曲ですが、これも独特のリズムでこの曲を聴くとウキウキします。今、一番よく聴いているかも。
- 竹内まりや「SEPTEMBER」…ちょうど今の時期に聴きたい曲ですね。朝でも昼でも夜でも。爽やかな気分になります。一人で運転している時には歌ってみたり(笑)。
- never young beach「明るい未来」…運転中以外も聴きます。もうルーティンのように1日の初めに聴くと、すごい元気がもらえるんです。運転中に「Siri 明るい未来かけて」と言って。栄養補給するように聴いちゃってます。
(クリックすると、音楽配信サービスSpotifyで楽曲の一部を試聴できます。)
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筧 美和子
かけい・みわこ 1994年3月6日生まれ、東京都出身。2013年フジテレビ系「テラスハウス」に出演し注目を浴びる。14年より5年間、ファッション誌『JJ』の専属モデルを務める。現在は女優として映画、ドラマなど幅広く活躍中。近年の出演作ではドラマ「最高の離婚Special 2014」(14年、フジテレビ)、NHK連続テレビ小説「まれ」(15年)、映画『スマホを落としただけなのに』(18年)、『犬猿』(18年)、『幕が下りたら会いましょう』(21年)、『孤狼の血 LEVEL2』(21年)、『オカルトの森へようこそTHE MOVIE』(22年)、「忍者に結婚は難しい」(23年)、「やわ男とカタ子」(23年/テレビ東京)映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』(24年)、『静かなるドン2』(24年)など。2025年には初主演を務める『オオムタアツシの青春』の公開が控えている。