小野真弓さんキービジュアル
取材・文=平辻哲也(ENCOUNT)/ 撮影=鈴木大喜/ ヘアメイク=栗林洋子

小野真弓、年間2万㎞を走る真っ赤なフォルクスワーゲン・T-Crossとのカーライフ

愛犬と愛車がきっかけで木更津移住を決断「クルマがあれば」

愛車はフォルクスワーゲン一筋。現在はSUVのT-Crossに乗り、年間2万km超を走る小野真弓さん。都心から千葉・木更津へと生活拠点を移し、愛犬たちとのびのびとした暮らしを始めたのは、“犬が喜ぶ姿をもっと見たかったから”だと言います。今では地域に根差し、保護猫・保護犬活動にも奔走する毎日。俳優として、トリマーとして、そしてひとりの動物愛護者として走り続ける小野さんに、日々のドライブと暮らしについてじっくりと語ってもらいました。

目次

27歳で免許取得直後に愛車を即購入
手放したクルマに街なかで再会!?

フォルクスワーゲンの運転席から振り返る小野さん

愛車にもたれる小野真弓さん

愛車のT・CROSSを紹介する小野さん

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――免許を取ったのはいつ頃ですか?

27歳のときです。その頃、仕事で結構タクシーに乗っていたんです。私も運転してみたいなっていう憧れがずっとあって、現場に行くと自分のクルマで颯爽と来る役者さんがすごくかっこよく見えて。「私もああなりたい」って。「まずは免許を取らないと何も始まらない」と思って、取りました。

――教習所は順調でしたか?

すっごいスムーズでした。ストレートで、最短で取りました。免許はオートマ限定ですけど、教習所の方に優秀って言われました(笑)。

――最初のクルマはいつ購入しましたか?

免許を取る前から「乗りたい!」って気持ちが強くて。免許が取れる目処が立った時点で、もうディーラーにクルマを見に行ってたんです。フォルクスワーゲンのニュービートル カブリオレ ヴィンテージ。見た目がとにかくかわいくて、限定車で、オープンカーで、シートが赤で……。見に行った日は写真だけしかなくて、現物は見られなかったんですけど、「これがいい!」って決めてました。それで、免許を取ったその日、午前中に免許証を受け取って、その足でディーラーに行って「試乗させてください」ってお願いして、午後には「これ買います」って言いました(笑)。

――ニュービートルのどんなところに惹かれたんですか?

まず、見た目ですね。形もかわいいし、ワインレッドと黒のツートンで、すっごくかっこよかったんです。まだ自分にはちょっと大人っぽいかなって思うくらい。でも、なんだろう……運転に自信もなかったから、背伸びしたい気持ちもあって。限定車で特別感もあって、「これにしよう」って。

――乗り始めたときの思い出は?

いやぁ、かわいそうでした、私のクルマ(笑)。とにかく最初は必死でした。気を付けて運転するけど、段差に乗り上げて、下をこすってへこませちゃったり。でも人を傷つけたり、人のものを壊したりは一切なかったので、それは不幸中の幸いでした。今思えば、すごくいい勉強をさせてもらったけれど、ニュービートルはもっと大事に乗ってあげたかったなっていう気持ちもあります。

――乗り始めの頃はそういうことも仕方ないですね。

手放したあと、街で「これ、もしかして……?」って思うクルマがいて、明らかに私がつけたへこみがあったんですよ。「これは絶対前に私が乗っていたクルマだ!」って思って、しばらく後ろからついて行きました(笑)。声はかけなかったけど、傷がなかったら再会できなかったかもしれないから、なんか……うれしかったですね。

――どこをへこませたんですか?

サイドの後ろの方? 右側の真ん中あたりだったかな。どうしてへこんだのか覚えてないんですけど、それを直さずに乗っててくれたみたいで、「ああ、ありがとう」って思いました(笑)。

――オープンカーとしてはどう使ってましたか?

都心に住んでたので、ちょっと恥ずかしくて、なかなかルーフは開けなかったですね。郊外に行ったときは開けたりしました。でも、すごく便利だったのは荷物の出し入れのとき。全部開けられるから、上からポンって大きい荷物も入れられるんですよ。都心の狭い駐車場でも、ドア開けずに上から入れられるから、めっちゃ便利でした。

クルマの中は「自分だけの空間」
タスクから解放される必要不可欠な時間

こちらを見る小野さん

――2台目はフォルクスワーゲンのゴルフ TSI ハイライン ブルーモーションテクノロジーでしたね。

明るい赤のクルマでした。でもすぐお別れしちゃって…。木更津に引っ越して、横浜の動物のトリマー学校に通ってたんです。仕事は東京だし、毎日のように長距離を運転してて、走行距離がぐんぐん延びました。

――そのクルマにも事件が?

ありました……。大きな台風が来た後に乗ったら、ナビがずっと海の上を走ってる表示になってて、「おかしいな?」って。ガソリンを入れるときにふと屋根を見たら、アンテナの部分に穴が開いてて、アンテナが根こそぎ取れてたんです。

――その時は何㎞くらい走ってました?

年間4万kmくらい走ってました。

――もはや運送業の人みたいな勢いですね(笑)。そして今のクルマが3台目となるT-Cross TSIの初代ですね。

発売されたばかりの頃にカタログ見て、「これだ!」って。小さいけどSUVで、大きく見えるデザイン。見た目がかっこよくて一目惚れでした。後ろもフラットになるので、汚れた動物たちを乗せるにもすごく使いやすいんです。

――現在はどれくらい走ってますか?

4年たって、8万kmいかないくらいかな? 年間2万km弱のペースですね。コロナの時期はあまり乗らなかったんですけど、それでも結構走っています。

――運転がお好きなんですね。これまでで一番遠くに行ったのは?

能登半島地震の被災地ですね。被災したペットのケアで、シャンプーなどの手伝いに行ったことがあって。布団を積んで、友人と交代で運転して休憩しながら行きました。帰りは白目を剥きそうなくらい疲れてました(笑)。

――今は運転にも慣れましたか?

今はわかりやすく「ドン」ってぶつけたことはないですね。枝で傷つくことはありますけど、大丈夫です。

――JAFにも入ってらっしゃる?

父がずっと入ってて、「絶対入ったほうがいい」って言われて。最初はよくわからずまねして入ったんですけど、10年くらい経っています。助けてもらったのは1回だけ。代車を使用していたときに、ルームライトがつきっぱなしでバッテリーが上がっちゃって。その時に助けてもらいました。

JAFの特典もめっちゃ使ってます。映画館とか、道の駅とか、サービスエリアでも割引ありますよね。カード見せると「5%オフ」とか、ちょっと得意気に出してます(笑)。

――クルマを運転しているときは、どのように過ごすことが多いですか?

運転中は、たまにラジオをつけたりもするんですけど、基本的には“無”なんです。若い頃はずっと音楽をかけて、カラオケみたいに大声で歌ってました。でも最近は、あえて何も流さずに、運転そのものに集中していることが多いです。というのも、普段、運転していない時間って、気が付けばずっとスマホをいじっていたり、情報を追っていたりするじゃないですか。

けれど、クルマでは運転に集中できるし、不思議と頭の片隅で仕事のことやセリフのことがふっと浮かんできたりして。で、気が付いたらそのセリフを口に出して言ってみたり。ちゃんと集中してセリフを覚えるより、運転しながらふっと思い出してつぶやくほうが、頭にスッと入ってくる感覚があるんです。もちろん運転にはちゃんと集中してるんですけど、その“片手間”の感覚が意外と良くて。

――小野さんにとって、クルマはどんな空間ですか?

私にとっては、クルマは完全にパーソナルスペース、自分だけの空間です。家だと「あれやらなきゃ」「これもしなきゃ」ってタスクが頭に浮かぶけど、クルマの中は限られたスペースだから、そういうものから解放されて、自分のことに集中できる。誰にも見られていないから、大声で歌っても気にならないし(笑)。

愛犬の姿を見て木更津への移住を決意
「絆を実感できるのがとても楽しい」

クッションを抱えてほほ笑む小野さん

ソファにもたれる小野真弓さん

ビル屋上でほほ笑む小野さん

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――現在は木更津にお住まいですが、移住のきっかけは?

コロナ禍前の2019年、犬を2匹飼っていて、東京で一緒に暮らしていたんですが、郊外に遊びに連れて行くとすごく楽しそうにしていたんです。その姿を見て、「あ、こんな場所に住めたらいいな」と思ったのが最初のきっかけでした。

東京では犬と散歩していても、人に迷惑をかけないようにすごく気を使うんです。誰かに嫌がられたらどうしようとか。もちろんマナーとして周囲を気遣うのは当然なんだけど、窮屈に感じる瞬間があって。

郊外だと、そういうことに対してもう少しおおらかというか。犬たちも生き生きしていて、それがすごくうれしかったんです。なので、「ちょっと遠くても、通勤するスタイルにしてみよう」と思って、クルマがあれば可能だからと木更津に移住しました。アクアラインを使えば東京にも十分通える距離なので。

――木更津の暮らしの魅力とは?

土地が広くて、人もおおらかで、昔ながらの景色が残っているところがたくさんあります。山間にある集落にはおじいちゃんおばあちゃんが農業しながら暮らしていて、直売所で野菜を安く売ってくれたり、余った野菜を近所の方が分けてくれたり。そういう温かい人とのふれあいが魅力です。私も地域の活動に参加させてもらっていて、人と人との絆を実感できるのがとても楽しいです。

――お庭や畑づくりもされていますか。

小さな畑スペースが2つあって、季節の花やハーブ、手のかからない植物を中心に育てています。モッコウバラが好きで、強くてかわいくてよく育ちます。

――現在、飼っている動物の数は?

自分の家族として犬2匹、猫4匹がいます。それに加えて、保護して里親を探している子たちが今は9匹(成猫5匹、子猫4匹)います。今は子猫の出産シーズンでもあって、うちで生まれた子もいます。

もちろん大変ですけど、保護した子たちの毛並みが奇麗になったり、性格が穏やかになっていく姿を見るのは本当にうれしい。新しい家族が見つかって、幸せになった後もSNSなどで見守ることができると、胸がいっぱいになります。

――坂上忍さんの動物保護施設「さかがみ家」での役割について教えてください。

さかがみ家の立ち上げから関わらせてもらっていて、私はトリマーの資格があるので犬猫のお手入れを担当しています。具体的には、シャンプー、耳掃除、爪切り、猫のグルーミングなどです。基本的にはボランティアとして活動していますが、さかがみ家は「自力運営」を目指していて、社員を雇ってきちんと報酬を出すというスタイルなんです。私も勤務する際は日給をきちんと頂いています。

――俳優・タレント業との両立については?

ボランティア活動は、あくまでも生活や仕事があってこそのものなので、そのバランスはすごく大事にしています。ただ、仕事をしていない時間はすべて動物活動に注いでいるような感じです。最近は、友人にも「真弓、猫の話しかしないよね」って言われるくらい(笑)。でもそれで地域の人たちとつながりができたり、動物が結んでくれるご縁がたくさんあるので、本当にありがたいなと思っています。

――愛車T-Crossは、今後も乗り続ける予定ですか?

車検も通したばかりでとても気に入っているので、できるだけ長く乗りたいです。ただ、通勤で距離が延びていて、すぐ10万kmを超えそうなんです。20万kmはいけると思うんですけど、仕事で東京まで通っているので、万が一のトラブルが心配で……。電車の遅延の遅刻は許されても、自家用車での渋滞の遅刻は許されないっていう風潮、ありますよね(笑)。遅刻して人に迷惑をかけるのも嫌なので、常にきちんとメンテナンスして、安全第一で大切に乗っています。

ビル屋上を歩く小野さん

小野真弓さんがドライブで聴きたい5曲

  • 「命をあげよう」(ミュージカル『ミス・サイゴン』より)…ベトナム戦争が舞台の重たいストーリーの中で、アメリカ兵との子を身ごもった女性が、自分の子供に未来を託すように歌う、とても感情のこもった曲です。
  • 「Sun and Moon」(同じく『ミス・サイゴン』より)…ロマンチックなデュエットソングで、愛するふたりの静かで切ない時間を描いています。これも運転しながら歌ってることありますね。
  • ビル・エヴァンス「When I Fall In Love」(『Portrait in Jazz』収録)…車に1枚だけ積んであるCDで、ピアノジャズ。帰り道や疲れているときに流すと、急に車内が大人のバーみたいな雰囲気になるんです。
  • 小野真弓「ガムの唄」…私が20代の頃に出した曲で、最近になって配信が始まってびっくりしました。ガムを噛んで気分転換して、鼻歌歌いながら楽しく生きていこう、という軽やかでポップな曲です。
  • 小野真弓「シーソー」…2004年リリースの曲で、尾崎亜美さんにプロデュースしていただきました。声が届かないもどかしさや、恋心をシーソーに例えた歌詞が特徴です。今でもときどき口ずさんでしまいます。

(クリックすると、音楽配信サービスSpotifyで楽曲の一部を試聴できます。)

JAF会員限定 小野真弓さん直筆サインプレゼント

サインを持つ小野さん

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・プレゼント内容:小野真弓さん特製サイン色紙
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募締切:2025年7月18日

  • オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

小野真弓

おの・まゆみ 俳優、タレント。1981年3月12日生まれ、千葉県出身。O型。身長160cm。1999年に『はぐれ刑事純情派第12シリーズ』(テレビ朝日系)で俳優デビュー。2002~05年に放送された「アコム」のテレビCMで注目される。25年には『ホットスポット』(日本テレビ系)にも出演した。多趣味で、読書や映画・舞台鑑賞に加えて、ガーデニング、旅行、ドライブなども楽しむ。特技はDIYと料理。トリマーライセンス、PADIオープン ウォーター(スキューバダイビング)などのほか、温泉ソムリエ、ペット看護士、ペットセラピスト、動物介護士、動物介護ホーム施設責任者、JKC愛犬飼育管理士、普通自動車免許といった多岐にわたる資格を持っている。

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