インタビューMy Garage

持田香織、ゴルフ一筋の愛車生活。水没もエンジントラブルも乗り越えた思い出の日々

免許を取ったその日に首都高へ……。車と突き進んだ半生を回想

2024.05.17

取材・文=平辻哲也(ENCOUNT)/撮影=鈴木大喜/ヘアメイク=茅根裕己(Cirque)

2024.05.17

取材・文=平辻哲也(ENCOUNT)/撮影=鈴木大喜/ヘアメイク=茅根裕己(Cirque)

Every Little Thingのボーカリスト、持田香織さんはフォルクスワーゲン・ゴルフ一筋26年。免許を取得した20歳のときに、1992年製のゴルフ II カブリオ クラシックラインを、3年前には、ムーンストーングレーのボディーカラーがかわいらしいゴルフの新車・VWゴルフ8を購入しました。新車に乗り替えた後も2代目ゴルフは手放さずに持ち続けているそうです。そんな持田さんが人柄をしのばせながら、ゴルフ愛を語ってくれました。

免許を取得した日に首都高へ
「度胸がありましたね(笑)」

窓辺に座る持田さん

――車への興味はいつ頃からでしたか?

私たちの頃は車を早く持つ、持ちたいという時代でした。女子高だったのですが、お父さんが車屋さんをやっていて車に詳しい女の子がいて、少なからず影響を受けていました。当時、ゴルフのカブリオを街でよく見かけて、免許を取ったら、自分の稼いだお金で買いたいと思っていました。

――免許を取ったのは20歳のときでしたね。

1回目は、学科で落ちてしまいましたが、もう一度、試験対策のためにちゃんと勉強して2回目で合格することができました。免許はオートマ限定です。車は免許を取る前には購入していましたね。

――愛車は1992年製フォルクスワーゲン・ゴルフ II カブリオ クラシックライン。色はメタリックグリーン。四つ目の丸目ライトが特徴的。ゴルフと言えば、コレといったデザインですね。

エイベックスの松浦(勝人)会長のご実家が車屋さんで、見つけてもらいました。中古車だったのですが、状態がすごくいいものを買わせてもらえたと思います。今も、その車屋さんのステッカーが付いています(笑)。車体が緑色で、中がベージュの革シートっていうのがすごくかわいいなと思ったんです。カクカクしたデザインも気に入っています。免許を取った日に首都高に乗りました。

――いきなりですか?

結構度胸がありましたね(笑)。最初のうちに高速道路にも慣れておかないと、と思ったんです。錦糸町から三軒茶屋まで乗りました。母は運転が好きな人で、私が仕事に行くときはよく送ってくれていたので、道は知っていたんです。すごく楽しかったですね。

――乗り心地はいかがでしたか?

左ハンドルでしたが、すぐに慣れました。左にあれば、乗り降りもしやすいし、小さいので、小回りも利いて、都内で運転するにはちょうどよかったです。狭い道でもヒューッと入っていけますし、縦列駐車も楽。ひとり暮らしを始めて、実家との往復に使うことが多かったです。友達と富士急ハイランドまでドライブに行ったりもしました。横浜まで第三京浜道路を走るのも好きです。高速道路を走るのが好きなんです。信号もないので、ストレスもないですよね。

――カブリオは幌を開けて走ることもできますね。

それがあまり開けることはなくて……。開けて走ると気持ちいいなとは思いますけど、都内で開けちゃうと人目が気になってしまって、私はちょっと恥ずかしかったんです(笑)。

――駐車場はどのように探されていましたか?

なるべく屋根付きの駐車場を探して、停めるようにしていました。外だと幌の生地などが劣化してしまうので、家を探すときもまずは駐車場が中にあることを条件にしていました。

車検ごとにパーツの入れ替え
水没トラブルでエンジン載せ替えも

風を受け微笑む持田さん

――本当に大切にされていたんですね。

仕事でフォルクスワーゲンの人とご一緒する機会があって、それからいろいろ教えていただいたり、整備してもらっています。でも、一回水没させてしまったことがあるんです。エンジンが下の方についているので、雨に弱いんです。ダメになってしまったので、海外から取り寄せていただいてエンジンを載せ替えました。ものすごくお金がかかりましたね……。その後もいろいろダメになってきたところもあって、車検ごとにパーツを入れて替えてもらったりもしているのですが、最近は部品がなくなっているんですよ。

――旧車ならではの悩みですね。何年間お乗りになったのですか?

20歳の時から40歳を越えたくらいまでなので、20年以上ですかね。距離はわからないですが、10万㎞はとっくに過ぎていると思います。今は新型のゴルフに乗り替えましたが、古いゴルフも実家に置いてあります。

――手放されたのかと思っていました。愛着があるんですね。

実家に行くと、話しかけたり、触ったりしています。こないだ、車庫入れするのに、久々に乗ったんですが、ハンドルがすごく重いので、ビックリしました。よく、こんなのを運転できていたなって(笑)。

――乗り替えを考えた理由はなんですか?

調子が悪くなってきてしまって……。そもそもアクセルもブレーキも全開で踏み込まないと、効きにくいんです。エアコンの効きも弱く感じるようになってしまいました。当時は、夏も今ほど暑くはなかったので、大丈夫だったのですが、昨今の猛暑では熱中症になってしまいますよね。一人ならいいのですが、家族や子供を乗せられないなと思ったんです。

――2015年にご結婚されて、21年にはお子さんがお生まれになりましたね。

今はちょうど手のかかる時期なんです。活発なタイプなので、車に気分良く乗ってもらうにはどうしてあげることがよいのかを考えています(笑)。古いゴルフは乗り継いでくださる方がいるのであれば、お譲りした方がいいのかなとも思っています。ゴルフ専門店なら、部品も確保しているので、いい状態に戻すこともできると聞いていますので。

2代目ゴルフから8代目へ
進化に衝撃「快適すぎ」

緑の中に佇む持田さん

――新型ゴルフはいつ購入されましたか。

子供が生まれる前、21年の暮れです。まだコロナ禍の影響で、供給が追いついていなくて、お店の方からは最初、「納車は来年8月になります」と言われたのですが、在庫を探していただいて、11月に納車されました。新型はシンプルな見た目がいいなと思っていて、色はムーンストーングレーにしました。

――前の車はゴルフの2代目、新型は8代目。進化はいかがでしたか?

もう全然違いましたよ(笑)。ハンドルは軽いし、すごく切れる。アクセルもブレーキもちょっと踏めば進むし、止まる。こんなになっちゃったんだ、って(笑)。快適すぎて、これが新車なんだと思いました。

――ドライブには出かけていますか?

以前よりも乗っています。家族で日光や修善寺などに行きました。前のゴルフだと、遠出すると、オーバーヒートしたらどうしよう、途中で止まったらどうしようと機能面で不安があったんですよね。私は運転するのが好きなんですよ。疲れているときでも、運転すると、疲れが取れる気がするんです。行った先に温泉があれば、最高ですよね。

――洗車もご自身でされるのですか?

外置きではないので、そんなにひどく汚れることはないですね。色がグレーなので、そんなに汚れが目立たないというのもあるのかな。たまに手洗い洗車をお願いすることもありますが、ピカピカにして乗りたいという気持ちがそんなに強くあるわけではないんですよ。外国の車って、日本のようにピカピカに乗っている人が少ないんですよね。昔、パリに行ったとき、結構、汚いまま乗っている車が多いなと思ったのですが、それがなんかいいなと思ったりもしました。ただ、ガソリンを入れに行ったときにちょっと拭いてもらうだけでも、気持ちが良くなりますね。

――お子さんと一緒に車に乗ることも増えてきたかと思いますが、運転中はどのように過ごされていますか。

今は子供に気分よく乗ってもらえたらいいなと思っています(笑)。iPadでディズニー作品を見ていると、夢中になっているんです。ディズニーのものはほとんど好きですが、中でも『モアナと伝説の海』『ベイマックス』『シンデレラ』など好きで、最近では『あの夏のルカ』などもよく見ています。『あの夏のルカ』は音楽も最高で、私もそこから何曲も調べ聞いています。その音を聞いているのも楽しいですし、寝ちゃったなと思ったら、ラジオをつけて聞いていたりします。

――新車も長く乗っていくおつもりですか?

これまでずっとゴルフを乗り続けていたので、いろんな種類の車を見てみるのもいいなとも最近は考えています。大きめの車もいいなと、気になっていて、今はいろいろと考え中です。

車に乗ると、
自由になれるところがありますよ

思いを巡らせる持田さん

――ちなみにJAFには加入されていますか?

はい、加入しています。一度、利用させていただいたこともあります。乗り始めてすぐの頃、エンジンルームから煙が出たことがあったんです。爆発すると思って、交番に駆け込んで、JAFさんを呼んでもらいました。エアコンの利きが悪かったので、サウナから出てきたんじゃないかと思うくらい汗をかいていて……(笑)。「Time goes by」を発表した時期だったので、車を降りると周囲の方に「あ、持田香織だ」と言われて、とても恥ずかしかったことを覚えています(笑)。本当に車のことに無知だったのですが、それから、ちゃんと冷却水を入れておかないとダメだと知ったんです。今となってはいい思い出です。

――まさに時は過ぎゆく、Time goes byですね。持田さんにとって、車はどんな存在ですか?

前のゴルフは手もかかりましたが、それゆえに愛着も湧くいいパートナーでした。一緒に力を合わせて、走らせていましたからね。今は、乗る人も私だけではないので、便利さ快適さを最優先できればと思っています。

――車に求めるものはライフステージ、スタイルによって変化していきますね。

高校生のときは、早く車に乗りたいと思っていましたが、20歳になって、自分が稼いだお金で免許を取って、車を買いたいと思って、夢がありました。

最近では、若い人はあまり車に乗らないと聞きますが、当時はいろんな車があって、マスタングがかっこいい、アストロがいいなと思ったりして、車にも個性があったような気がします。今は似たような車が多くなってしまったのが少し寂しいですね。乗りたい車を探すときって、すごく楽しいんですよね。車に乗ると、行動範囲も広がりますし、自由になれるところがありますよ。車と一緒に人生を突き進んでいってほしいなと思っています。

椅子に座る持田さん

持田香織さんがドライブで聞きたい5曲

  • Edoardo Bennato「Il gatto e la volpe」…映画『あの夏のルカ』の劇中に流れてくるのですが、最高に気分がいいです。その映画からこの曲が入っているアルバムにたどり着いたのでしばらく楽しみたいです。
  • Rita Pavone「Viva la pappa col pomodoro」…映画『あの夏のルカ』からもう一曲です。かわいくて胸がキュンキュンします。なんてかわいらしい方なのでしょうか。この曲の存在を知ることができて、『あの夏のルカ』に感謝しています。
  • 原由子「鎌倉 On The Beach」…アルバム『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』がお気に入りです。先日、鎌倉芸術館で開催されたライブに行かせていただき、原さんの歌声やお人柄に感動しました。
  • David Byrne「Everybody's Coming To My House」…『AMERICAN UTOPIA ON BROADWAY (ORIGINAL CAST RECORDING LIVE)』がお気に入りの一枚です。ライブを見たときに、人間のなせる技なのかと興奮しました。アルバムを聴き返すたびにあの感動がよみがえります。また映画館でぜひ観たいです。本当にカッコいいです。
  • Elizabeth Mitchell「Little Bird, Little Bird」…アルバム『you are my little bird』は癒やしの時間が過ごせます。エリザベス・ミッチェルさんがご自身のお子さんのために歌ったアルバムで有名な曲もあるのでなじみやすく、『Zousan(Little Elephant)』なども素敵です。子供の歌声たるやすごいですね。美しい。

(クリックすると、音楽配信サービスSpotifyで楽曲の一部を試聴できます。)

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サインを持つ持田さん

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・プレゼント内容:持田香織さん直筆特製サイン色紙
・応募方法:下記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
※応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募締切:2024年6月17日

※オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

持田香織

もちだ・かおり 1978年3月24日、東京都出身。Every Little Thingのボーカル。96年8月に1stシングル『Feel My Heart』でデビュー。98年には『Time goes by』でグループ初のミリオンセールスを達成した。現在はソロアーティストとしても活躍している。

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