武田真治、愛車は超希少アメ車、ダッジチャレンジャー・モパー10!「クルマも、バイクも乗ってこその楽しみがある」
モパー10乗りにして芸能界きってのハーレー愛好家が愛車遍歴を語る俳優、サックス奏者、そして“筋肉体操”でも知られる武田真治さんは、クルマとバイクをこよなく愛する一面も持っています。現在の愛車は「ダッジ チャレンジャー モパー10」。ダッジの純正チューンナップブランド「モパー(MOPAR)」が手がけた世界限定500台のマッスルカーで、日本にはわずか5台しか存在しません。そんな希少車と12年以上の時を共にしてきた武田さんに、クルマやバイクへのこだわり、ドライブの思い出を語っていただきました。
『マッドマックス』イメージでカスタム
車内にステッカーも
――スタジオに愛車でお越しくださいました。武田さんといえば、筋肉体操ですが、愛車もマッスルカー。映画『マッドマックス』(1979年)で主人公マックスが乗るインターセプターのようで、とてもカッコいいです。
インターセプターはフォード製ですが、似ていますよね。というか『マッドマックス』の雰囲気を出したくて、フロントグリルとリアガーニッシュ周りもカスタムしました。サイドボディーには『マッドマックス』のステッカーも貼っています(笑)。
――モパー10は5.7リッターV8 HEMIエンジンを搭載し、最高出力は375馬力、最大トルクは55.3kgmのマッスルカー。ボンネットの吸気口も迫力があります。これほどの希少車を、どのようにして入手されたんですか?
2010年に発売されたときからずっと気になっていたんですが、日本には5台しか入ってこなかったので、手に入れられなかったんです。でも、発売から2年くらいたったある日、中古車雑誌を見ていたら、400kmしか走っていない新古車が静岡にあるのを見つけて、すぐに電話して見に行きました。見た瞬間、「これだ!」と思いましたね。実際に見ると「シェイカーフードで前が見づらいな」とも思いましたが、それも魅力的でした(笑)。
――カスタムもされていますよね?
「売るときのことを考えてノーマルのままにしておく」という考え方もあると思いますが、僕は基本的に「売ること」を前提にモノを買ったことがないですね。クルマに限らず、気に入ったものを手に入れて、それを自分なりにカスタムしていくのが好きなんです。
――所有歴は13年になりますか。好きなモノを長く乗るという考え方が素敵ですね。
今まで乗ったクルマの中で一番長いですし、まだ手放すつもりはありません。カスタムもしてしまっているので、もしかしたら売るに売れないというのもあるかもしれませんが、それ以上に「このクルマが好き」という気持ちが強いです。
――そもそも、免許を取ったのはいつ頃だったのでしょうか?
免許を取ったのは、たしか19歳のときです。本当は18歳で取りたかったのですが、定時制高校を卒業してから取得しました。「資格は持っていたほうがいい」と思っていたので、お金を捻出してなんとか取った、という感じですね。
――子供の頃からクルマは好きでしたか?
小学生の頃からクルマに憧れていました。早く18歳になって運転したいと思っていた記憶があります。アニメでは『よろしくメカドック』や『未来警察ウラシマン』が好きでした。特に未来のクルマが浮いている世界なのに、過去から来た主人公のクルマはタイヤで走っている、という設定が面白かったですね。後は、ヒーローものではみんなバイクに乗っていたじゃないですか? 乗り物に乗れることが「大人になること」と直結していたような気がします。
――アメリカ映画の影響もありましたか?
父が映画好きで、よく一緒に観ていたんですが、クリント・イーストウッドやスティーブ・マックィーンの映画を夢中で観ていました。そこに登場するアメ車のかっこよさには、自然と憧れを抱きましたね。父は昔、マツダのルーチェ・ロータリークーペ(1969~1972)に乗っていたみたいなんです。でも、僕が生まれるのを機に手放したそうで……やっぱりクルマが好きだったんだな、と思います。
雨の高速道路でまさかの悲劇!
GMCからマスタング、そして運命の一台へ
――免許を取ってすぐにクルマを買ったんですか?
免許を取ったものの、気付けば5年ほどペーパードライバーのままでした。「せっかく免許を取ったのに運転しないのはもったいない」と思い、23歳のときにBMW 325iを購入しました。ただ、最初から「これに乗りたい!」というよりは、クルマ屋さんに「最初のクルマは絶対ぶつけるから中古がいいよ」と薦められ、「それなら」と選んだ感じですね。ボディーが丈夫なほうがいいということでベンツかBMWを薦められ、最終的にBMWを選びました。実際、本当にいろいろあったので、選んでよかったです(笑)。
――その後、乗り換えたクルマは?
23歳のときにベンツのゲレンデヴァーゲンに乗り換えました。
――ゲレンデヴァーゲンは今では「Gクラス」と呼ばれる高級SUVですね。今ではいろんな芸能人が愛用されています。
当時は日本にはあまり入っていない珍しいクルマでした。でも、そのゲレンデヴァーゲンで高速道路を走っているときに事故を起こしてしまいました。その日はすごい大雨で、高速道路に水がたまるくらいの土砂降りだったんです。ハイドロプレーニング現象を起こして、コントロールが利かなくなってしまって……。
クルマが止まったときにはエンジンから煙が出ていたんですが、交通機動隊が来て「すぐにどけろ」と言うんですよ。でも、「いや、これ爆発するかもしれないのに?」と思いましたね(笑)。JAFにはずっと加入していましたので、工場まで運んでいただきました。JAFには30年以上、お世話になっています。まさかの時に安心です。
――けがはしなかったのですか。
結局、クルマは廃車になってしまいましたが、僕自身はまったくの無傷でした。この時もそれが何かの運命のように感じて、「もう一度ゲレンデに乗らなきゃ」と思ったんです。でも、乗っているうちにもっとスピードを体感できるようなクルマに乗りたくなったんです。それで、28歳のときにGMCタイフーンに乗り換えました。ただ、そのタイフーンが中古車だったせいか、シャシー性能が排気量に追いつかないのかとにかく調子が悪くて、しょっちゅう修理に出していましたね。
――その後はフォード・マスタングですね。スティーブ・マックイーンが映画『ブリッド』(1968年)で乗っていたクルマですね。
買ったのは2005年、33歳のときです。これは「一生乗ってもいいな」と思うくらい気に入っていました。でも、プライベートでうまくいかないことが続いて、環境を変えたくなったんです。人によっては「引っ越そう」とか「髪型を変えよう」となると思うんですが、僕の場合は「クルマを替えよう」でした(笑)。
――出会ったのが「モパー10」だったわけですね。運気を上げることができたのではないですか。
すぐに変わることはなかったのですが、結婚もできましたし、2年前には子供を授かることもできましたから、良かったのだと思います。結婚する前は、よく妻の実家がある群馬までモパー10で行っていました。群馬って温泉がたくさんあるんですよね。だから、ドライブがてら温泉に行くことも多かったです。でも、今は妻用のクルマがあるので、家族で出かけるときはそちらを使っています。僕のクルマはチャイルドシートを付けるのが難しくて、まだ子供を乗せたことがないんですよ(笑)。モパー10に乗るのは一人のときが多いです。
90年代からのハーレー愛好家
「移動手段ではなく、究極の嗜み」
――武田さんはハーレーダビッドソンの愛好家としても有名です。バイクはいつ頃から乗り始めましたか?
バイクの免許を取ったのは20代半ばですね。仕事が一段落したときだったと思います。最初に乗ったのはホンダの「スティード」という国産アメリカンタイプのバイクです。当時、国産アメリカンがすごく人気で、それに乗っていたんですが、「もっと排気量の大きいものに乗りたいな」と思い始めて、大型二輪の免許を取って、そこからハーレーに乗るようになりました。
――現在乗っているバイクは?
今は「スポーツスター・アイアン」に乗っています。90年代からずっとハーレーに乗っていたんですが、以前乗っていたスポーツスター1200は車体が重くて、取り回しが大変だったんです。それで、少し軽めの「883(パパサン)」に乗り換えました。ハーレーのスポーツスター自体が2021年に生産終了してしまったので、今のバイクは2019年モデルで、結構貴重な後期ものになっています。こちらも、モパー10と同様で、オリジナルを保っていたほうが価値があると言われますが、ロケットカウルのカスタムを施して、自分流に楽しんでいます。
――ハーレーの魅力とは?
ハーレーは単なる移動手段ではなく、嗜好品です。究極の嗜みというか、ロレックスみたいなものだと思います。スピードを出さなくても、トルク感やエンジンの鼓動で「バイクに乗っている」という実感を得られるんです。
――ツーリングにもよく行かれますか?
故郷である北海道・札幌の中学時代の同級生たちとツーリングに行くことが多いです。たとえば、北海道の友人たちがフェリーでバイクごと本州に来て、みんなで伊勢神宮まで2泊3日のツーリングをしたことがあります。そのうち2日間は土砂降りで、大変でしたね(笑)。去年は栃木の日光東照宮までツーリングしました。北海道の友人たちが東京に来ると、「渋谷のスクランブル交差点をバイクで走ってみたい!」と言うので、20台くらいで一緒に都内を走ったりもしました。
――ツーリングの計画は武田さんが立てるんですか?
ケースバイケースですね。北海道に行くときは北海道のメンバーがルートを決めてくれますし、東京を走るときは僕らが調整したりします。たとえば、「いろは坂を走ってみたい」とか、そういうリクエストがあると、それをどう組み込むか考えたりします。
――バイクに乗っているときに声をかけられることはありますか?
ありますね。サービスエリアにバイクを停めて戻ってくると、人が集まっていたりします。「これ、武田真治のバイクじゃない?」って(笑)。特に地方に行くと、東京のナンバーで、しかもマッドマックス風のロケットカウルのカスタムだとすぐに気づかれます。あと、バイク発進時に手を振られることがあるんですが、バイクってクラッチ操作があるので、手を振り返すのが難しいんですよね(笑)。
クルマはプライベート空間、バイクは非日常
乗ってこそわかる魅力がある
――若い世代のバイク・クルマ離れについてどう思いますか?
昔は『西部警察』や『太陽にほえろ!』みたいに、クルマやバイクがかっこよく描かれたドラマがたくさんありましたよね。戦隊モノでもバイクやクルマが出てきたりして、「大人になったら乗りたい!」って思わせてくれるような作品が多かったんです。でも、最近はそういう作品が少なくなって、大人になる頃には乗り物への憧れが薄れてしまっているのかもしれませんね。でも、実際に乗ってみると絶対に楽しいと思うんです。クルマもバイクも、乗ってこそ分かる魅力があるんですよ。
――武田さんにとって、クルマやバイクはどんな存在ですか?
クルマは「究極のプライベート空間」です。特にクルマの中ではセリフの練習をしたり、高い声が出る曲を選び、「どこまで歌えるか」を試してしまいますね(笑)。それに対してバイクは、体に直接風を感じる非日常的な体験ができるもの。年に一度、泊まりがけのツーリングに行くことは、離れて暮らす仲間との時間を楽しむ大切なイベントです。グループLINEで1年かけて「次はどこに行こう」と計画して、フェリーの時間や宿泊先を決めたりするのも楽しいんですよね。それがあるからこそ、日々の生活にも刺激が生まれる気がします。
――これからも、クルマやバイクを乗り続けますか?
もちろんです! バイクに関しては、まだ乗ったことのないメーカーのものに興味が出ることもありますが、クルマは今の「モパー10」にまだまだ乗り続けるつもりです。オープンカーにも少し興味がありますが、今はまだ手放す理由が見つからないですね。
武田真治さんがドライブで聴きたい6曲
- クリスタルキング『愛をとりもどせ!!』…アニメ『北斗の拳』の主題歌であり、僕のドライブの定番ソング。車の中で思い切り歌える曲として必ず選びます。特にサビの高いパートに挑戦するのが好きで、運転しながらつい熱唱しています。
- B’z『LOVE PHANTOM』『ultra soul』…昨年大みそかのNHK紅白歌合戦で観て、改めて凄いなと。イントロの壮大さがドライブのテンションを一気に上げてくれます。
- ZIGGY『SING MY SONG』…ZIGGYの楽曲の中でも特にお気に入り。ボーカルの森重樹一さんの圧倒的な声と、聞くたびに自分の中で意味が変わるような抽象的な詞が魅力です。
- C-C-B『Romanticが止まらない』…80年代の名曲で、懐かしさと切なさがポップに詰まった一曲。
- チェッカーズ『TOKYO CONNECTION』…アルバム『GO』の収録曲。僕がサックスを始めたきっかけがチェッカーズで、この曲は藤井尚之さんの独特なサックスの真骨頂。アルバムの人気曲で、コンサートのオープニングなどにも使われていました。
(クリックすると、音楽配信サービスSpotifyで楽曲の一部を試聴できます。)
JAF会員限定 武田真治さん直筆サインプレゼント
武田真治さん直筆の「インタビュー My Garage」特製サイン色紙を、抽選で3名様にプレゼントします。
・プレゼント内容:武田真治さん特製サイン色紙
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募締切:2024年3月18日
- ※オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。
武田真治
たけだ・しんじ 1972年12月18日生まれ、北海道札幌市出身。90年にデビュー、以降、数々のテレビドラマ、映画、舞台に出演。映画『御法度』(99)では第42回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。主な出演映画に、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010)、『駆込み女と駆出し男』(15)、『Diner ダイナー』(19)、テレビドラマでは『南くんの恋人』(1994)、『君の手がささやいている』(97~2001)、『凪のお暇』(19)、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(21)など。また、鍛え抜かれた肉体美を披露し、「みんなで筋肉体操」に出演。サックス奏者としても、アルバムをリリースするなど、精力的に活動。
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