愛媛県大峠隧道の写真
文・写真=一人旅研究会(栗原悠人)

厳選5選! 日本の“二度見する”隧道。トンネルの中にもう一つの穴?

愛媛・大分・岡山・静岡・千葉の奇妙な隧道(ずいどう)を実走調査

世界有数の山岳国である日本では数多くのトンネルが建設されてきましたが、なかには「何だこれ?」と思わず二度見してしまう、強烈な個性を持つ隧道が存在します。

トップ画像の正体、愛媛県・大峠隧道の「隧道の中に隧道」がある奇妙な構造もその一つです。当初の拡幅工事が未完のまま残されたことで生まれたこの光景は、まさに現実に起きたバグのようです。今回は、そんな“変わり種”隧道を全国から5か所厳選しました。

目次

ソロドライブをしたのは
栗原悠人さん(一人旅研究会)

愛車と栗原悠人氏

くりはら・ゆうと 旅情・郷愁探訪家。1995年生まれ。旅情と郷愁を求め、日本全国のひなび空間・退廃的空間・秘境・温泉などを巡る。撮影した写真や動画を一人旅研究会 ウェブサイトやX、YouTube等で紹介している。著書に『ノスタルジック写真集』(マール社)など。

1. 愛媛県八幡浜市 / 大峠(おおと)隧道…トンネルの中にトンネル!? 驚きの隧道!

大きい坑口(こうぐち)側

大きい坑口(こうぐち)側

中に入ると途中からすぼんでいるのがわかる

中に入ると途中からすぼんでいるのがわかる

付近には案内看板があった

付近には案内看板があった

道の先は良い景色が広がっていた

道の先は良い景色が広がっていた

大きい坑口(こうぐち)側

中に入ると途中からすぼんでいるのがわかる

付近には案内看板があった

道の先は良い景色が広がっていた

1952年に開通した大峠隧道は、一見すると普通の隧道です。ところが内部は「隧道の中に隧道」とでも言いたくなる、言葉だけでは想像しにくい構造。暗がりの先をよく見ると、途中から急に穴が狭くなっているのがわかります。
当初は高さ約2mの導坑を先に掘り、その後に本格的な拡幅工事を進める計画でした。しかし付近で国道整備の計画が持ち上がったことで工事が止まり、未完のまま現在の姿で残った……という背景があります。

愛媛県八幡浜市 / 大峠隧道のマップ

2. 大分県国東市 / 小迫(おざこ)トンネル…壁の一部が切り裂かれたような隧道

いたって普通の見た目をしている

いたって普通の見た目をしている

だが、中に入ると…

だが、中に入ると…

壁面の一部が切り裂かれたようだ

壁面の一部が切り裂かれたようだ

超広角で撮ると迫力が増す

超広角で撮ると迫力が増す

住宅街へと続いている

住宅街へと続いている

いたって普通の見た目をしている

だが、中に入ると…

壁面の一部が切り裂かれたようだ

超広角で撮ると迫力が増す

住宅街へと続いている

国東市にある、不思議な形をした隧道です。全長は約200m。1931年に完成しました。2つの坑口だけを見ると特別な違和感はないのですが、中へ進むと、壁面にぽっかりと穴が開いていることに気づきます。
まるで現実世界にバグが起きたのでは?と思ってしまうほどの光景。穴の向こうには吹上神社が見えていました。土被り(どかぶり/隧道を覆う土の層)が薄いことで生まれたユニークな見た目も面白さのポイントです。

大分県国東市 / 小迫トンネルマップ

3. 岡山県高梁(たかはし)市 / 羽山(はやま)第二隧道…ここ、通れるの? 洞窟のような隧道!

隧道の外観

隧道の外観

洞窟のようだ

洞窟のようだ

高さ制限は2.5m

高さ制限は2.5m

これが人の手によって掘られたというから驚きだ

これが人の手によって掘られたというから驚きだ

よく見ると左上の岩壁に人が!

よく見ると左上の岩壁に人が!

隧道の外観

洞窟のようだ

高さ制限は2.5m

これが人の手によって掘られたというから驚きだ

よく見ると左上の岩壁に人が!

県道300号にある、洞窟のような外観の隧道です。巨大な岩盤をくりぬいたような姿が印象的で、1921年に手掘りで開通したといいます。5枚目の写真左上をよく見ると、岩壁にへばりつく人影が……! 道路脇でロッククライミングが行われているのも、なかなか見ない光景です。
老朽化対策として2023年に補修工事が実施されました。これからも長く、このユニークな姿を保ってほしいものです。

岡山県高梁市 / 羽山第二隧道マップ

4. 静岡県掛川市 / 岩谷(いわや)隧道…入り口と出口の雰囲気が異なる隧道

コルゲート管が使われた坑口

コルゲート管が使われた坑口

内部の様子。気を付けないと壁にぶつかりそうだ

内部の様子。気を付けないと壁にぶつかりそうだ

道幅はかなり狭い

道幅はかなり狭い

もう一方の坑口。素掘りのまま

もう一方の坑口。素掘りのまま

奥へと吸い込まれてしまいそうだ

奥へと吸い込まれてしまいそうだ

コルゲート管が使われた坑口

内部の様子。気を付けないと壁にぶつかりそうだ

道幅はかなり狭い

もう一方の坑口。素掘りのまま

奥へと吸い込まれてしまいそうだ

「軽自動車より大きい車両は通行不可」の看板が立ち、幅員は約1.6mほど。坑口には蛇腹状のコルゲート管が山肌から顔をのぞかせています。ところが管は途中で途切れ、内部ではゴツゴツした岩肌がせり出します。走行時は、岩肌を避けながら慎重に進む必要があります。
反対側の坑口は素掘りのままで、もう一方とは空気感ががらりと変化。「本当に、クルマが通れる“現役の隧道”なの?」とツッコミを入れたくなるギャップが見どころです。

静岡県掛川市 / 岩谷隧道マップ

5. 千葉県市原市 / 月崎トンネル…てっぺんに穴が開いた不思議な隧道

天井部分に大きな穴が開いている

天井部分に大きな穴が開いている

隧道内から外を望む

隧道内から外を望む

坑口の様子

坑口の様子

愛車を入れて撮影

愛車を入れて撮影

天井部分に大きな穴が開いている

隧道内から外を望む

坑口の様子

愛車を入れて撮影

房総半島の内陸部は、入り組んだ地形が多いため、柔らかい地層を手で掘った素掘り隧道が多くあります。「手掘り」というだけでもいまどき珍しいですが、月崎トンネルはそのなかでも、中央部で頭上が開けているという、ひときわ特異な構造が魅力です。穴から光が差し込み、どこか神域のような雰囲気が漂います。
小湊鐵道・月崎駅の西に位置し、離合できる場所が少ない月崎林道を約1km進んだ先に現れます。夏は無数のひぐらしの鳴き声が響き渡り、心がすっと静まるような心地よさに癒やされます。

千葉県市原市 / 月崎トンネルマップ

珍トンネル=難所。訪れる際は十分な注意を!

国内には道路トンネルが1万か所以上存在するといわれ、その姿はまさに「千差万別」。今回の記事を通して、そう感じてもらえたらうれしいです。
なお、紹介した場所の中には、隧道内の通行にある程度の運転技術が必要な箇所も含まれます。安全のため、無理に進入せず、状況によっては徒歩で向かってください。

ソロドライブ探訪裏ばなし
実際に行くことでしか得られない旅の要素

全国の美しい景色は、いまやスマホなどで簡単に見られます。それでも現地には、写真や動画では伝わらない匂いや気温、音、湯煙の香りといった“五感の情報”があります。
旅は景色をただ見るだけではなく、自分だけの「思い出」をつくりに行くこと。気になる場所があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

岐阜県白川村

雪を踏みしめる音や痛いほどの寒さ(岐阜県白川村)

和歌山県田辺市湯の峰温泉

温泉街に行けば湯煙とともに温泉の香りが(和歌山県田辺市湯の峰温泉)

山形県大蔵村肘折温泉

雪下ろしで、屋根の上から雪が落ちる音(山形県大蔵村肘折温泉)

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