冬の夜景・星空ドライブはここ! 全国5選を徹底解説
ソロの醍醐味! 一人旅研究会が巡る天の川と工場夜景日が沈んだ後に見える景色も、ドライブ旅の目的地の一つです。たとえば、空に浮かぶ星。想像すらできないほど遠くにある星々を前にすると、日々の悩みがはるかかなたへ発散していくようです 。一方で、人工の光が生み出す景色を眺めるのも、人間社会の営みと繁栄を感じられて胸が高鳴ります 。寒い冬ですが、その分空気が澄んで遠くまでくっきり見えるのもこの季節 。愛車とともに、この冬に訪れたいおすすめの夜景スポットを、星空、工場夜景、ジャンクションなど、テーマ別に5か所ご紹介します。静かな夜に、一人で絶景を独り占めする贅沢なソロドライブの旅へ出かけましょう。
ソロドライブをしたのは
栗原悠人さん(一人旅研究会)
くりはら・ゆうと 旅情・郷愁探訪家。1995年生まれ。旅情と郷愁を求め、日本全国のひなび空間・退廃的空間・秘境・温泉などを巡る。撮影した写真や動画を一人旅研究会 ウェブサイトやX、YouTube等で紹介している。著書に『ノスタルジック写真集』(マール社)など。
1. 北海道 / 藻琴山(もことやま)展望駐車公園…星空の街で堪能する満天の星
眼下に見えるのは屈斜路湖
アーチ状に広がる天の川
愛車とのツーショット
屈斜路湖(くっしゃろこ)を見下ろせる、高台にある絶景スポットです。公園がある弟子屈(てしかが)町は、環境省が認定する「星空の街・あおぞらの街」全国協議会に加入しており、日本でも有数の星空観賞エリアです。「天の川はカメラ越しでないと見えないんでしょ?」と言う方もいますが、ここなら、肉眼でもはっきりと天の川が見られます。視界を遮るものがほとんどないため、空を横切る天の川のアーチを楽しめます。駐車スペースが整備されているので、愛車と天の川のツーショットを撮影するのも楽しいでしょう。
2. 神奈川県 / 川崎市工場地帯…全国屈指の工場夜景
千鳥町のコンビナート
歩道の上にもパイプが通る
貨物線用の踏切
千鳥橋からの眺め
浮島町
川崎市の臨海部は、京浜工業地帯の中核を担い、工場夜景の聖地として人気を博しています。その中でも、浮島町や千鳥町には数々の工場が集積しており、たくさんの人がドライブや写真を撮りに訪れています。巨大な工場地帯は、何色もの光や炎を放ち、「何がどうなっているんだ……」とうろたえてしまうほどに、複雑に入り組んだパイプや煙突等が並び、近未来的な雰囲気に引き込まれます。工場夜景は陸上からだけでなく、なんと船から眺められるツアーもあります。
3. 静岡県 / 仁科(にしな)峠・西天城(にしあまぎ)高原…関東近郊! 絶好の天の川観賞スポット
広い駐車場にて
自分以外誰もいない、静かな時間
長時間露光で星の軌跡を撮影
朝。富士山が見えた
社会人なりたての頃に、人生で初めて天の川を見た思い出の場所であり、首都圏から比較的近い星空観賞スポットとして密かに推しています。ここで見た天の川の美しさに魅せられ、それ以来ドライブ旅では、積極的に夜景撮影を行うようになりました。広角レンズを使えば、天の川と愛車も一緒に撮れます。周辺の県道59号や西天城高原線(県道411号)は片側1車線の道路ですが、緩やかな下り坂が心地よく、ドライブにもおすすめです。
4. 大阪府 / 北港(ほっこう)JCT(ジャンクション)…複雑怪奇な造りにほれぼれ
迫力に圧倒される北港ジャンクション
左右対称を狙って撮影
歩道が広いので自撮りも楽々
西区にある阿波座ジャンクションもおすすめ
大阪市此花(このはな)区の大阪湾に面したエリアには、工場や物流施設が立ち並びます。その一角にある、阪神高速道路が立体的に交差する北港ジャンクションは、全国屈指の複雑な構造を誇るジャンクション。「ジャンクション萌え」という言葉がありますが、道路が空を埋めつくすような迫力の構図は必見。思わず萌えてしまいます。周辺は交通量が少なく歩道が広いため、さまざまな角度から立体構造を観察できるのも魅力です。
5. 岡山県 / 倉敷市児島塩生(こじましおなす)…水鏡×工場夜景の絶景が広がる
一枚の絵画のような美しさ
運河に反射する光も奇麗
近くにある通仙園展望広場からの眺め
鷲羽山(わしゅうざん)公園から水島コンビナート全体を望む
倉敷市の南部、児島塩生は、瀬戸内海に面し、西日本有数の工業地帯「水島コンビナート」を間近に望めます。かつて本太城(もとぶとじょう)があった場所の近くからの眺めが特にお気に入りで、鏡のように穏やかな水面に、ライトアップされた工場群が映り込むのです! 手前には大きなタンカーではなく数人乗りの舟が何隻も並んでおり、これらが1枚の写真の中に収まるのが面白いのです。この地域では工業以外の産業も共存しています。
夜景が沁みる……ひとりドライブの夜
遠くから見れば小さな点にしか見えない星のまたたきも、工場の炎も、街の明かりも、じっくり見ていると、それぞれ魅力があることに気づきます。その景色が楽しめる場所には、時に夜特有の静けさが漂います。1人だと心細く感じるかもしれませんが、大好きな自分のクルマと一緒にいれば、不思議と心が落ち着きます。そんな、穏やかな心で眺める景色……。ひとりドライブ旅の夜は、少し旅の玄人になった気分です。
絶滅危惧種となった道路標示3選
法改正や時代の変化に伴い、道路標示の中には姿を消しつつある“絶滅危惧種” が存在します。かつては全国で見られたものの、今ではレアになった標示を3つ、私のドライブ旅で見つけた実例とともに紹介します 。古き良き前時代の名残 は、探してみると意外な発見があり面白いですよ。
①「高中」…1992年まで、法定速度が高・中・低速車の3区分に分けられており、区分ごとに異なる最高速度を表示するために「40高中(高速車と中速車の最高速は時速40km)」のような表示がされていました
②「梯子型横断歩道」…横断歩道は現在横線のみのゼブラ型になっていますが、昔は標示の両端に縦線も入っていました
③「ひらがなのとまれ」…交差点の手前などでよく見かける「止まれ」の白い文字。実は昔はひらがなで「とまれ」と書かれていました