国道243号美幌峠(北海道)。日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖」を望む大自然に囲まれた山岳ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
「天下の絶景」と称されるパノラマビューを望む山岳ルート、国道243号美幌峠を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
「天下の絶景」と称されるパノラマビュー
美幌峠(びほろとうげ)は、北海道の網走郡美幌町と川上郡弟子屈(てしかが)町の境にある峠で、標高は525mあり、展望台からは屈斜路湖(くっしゃろこ)を一望することができる。屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖であり、火山活動から生まれた湖であるため、湖畔には多くの温泉がある。今回紹介するのは、美幌町から国道243号を走って美幌峠を越え、弟子屈町までのルートになる。
写真2 突然現れる屈斜路湖の景色には驚かされる
写真3 屈斜路湖に浮かぶ中島や、遠くに斜里岳なども見渡せる
美幌の町を出ると、道は北海道らしい平たんな農村地帯を走る。どこまでも続くような直線路は白樺並木になっていて、気持ちの良いドライブが楽しめる。美幌峠が近づくと、道は上り始め、少しずつ標高が上がっていく。緩やかな左カーブを曲がると美幌峠だ。目の前に道の駅が現れ、その向こうには屈斜路湖が広がっている。広い駐車場があるので、車を止めて休んでいこう。
美幌峠周辺で絶景ポイントを探すのもオススメだ
写真4 多くのドライバーやライダーから人気があり、北海道の原風景を楽しめる
美幌峠の展望台からは眼下に、ちょうど真ん中に中島がある屈斜路湖、その向こうには噴煙を上げている硫黄山(アトサヌプリ)や斜里岳などを一望する大パノラマが楽しめる。道東観光でも人気のスポットなので天気の良い日に行くのがいい。
写真5 美幌峠の展望台からは、「天下の絶景」と称される壮大な景色が広がっている
また気象条件が整えば早朝に屈斜路湖を覆う神秘的な雲海を見ることもある。峠から弟子屈町へ向かうと道は屈斜路湖へ向かって下っていく。
国道243号美幌峠データ
国道243号美幌峠へは、弟子屈町の市街地からすぐにアクセスできる。高速道路は近辺にはないため、札幌・千歳方面からの場合、道東自動車道の釧路東ICから国道391号を利用して弟子屈町まで移動するのがオススメだ。ガソリンスタンドが少ないので、給油のタイミングに気を付けたほうがいい。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
国道243号美幌峠近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
国道243号美幌峠が走る北海道にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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